グローバル・キャッシュ・マネジメントサービスに円口座情報を国際標準フォーマット(ISO20022)で提供 ~円口座を含めたグローバルでの資金管理が可能に~

サービスインフォメーション

2015年10月19日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:岩本 敏男、以下:NTTデータ)は、複数銀行の円口座情報を国際標準フォーマットであるISO20022に変換し、グローバル・キャッシュ・マネジメント(GCM)サービスへデータを提供するサービスを2015年11月16日より試行提供のうえ2016年1月よりサービス開始をします。

本サービスは、NTTデータのeBAgent®経由で各銀行と取引を行ない、円口座の取引結果データをGCMサービスへ提供するゲートウェイサービスです。GCMサービス提供企業は自社サービスと本サービスを組み合わせることで、日系の多国籍企業や日本に進出している外資系企業に対して、日本国内外・複数金融機関、多通貨にわたる口座残高情報を一元管理するしくみ等を提供することが可能となります。

このたび、そのファーストユーザーとして、グローバルで財務・リスク管理(TRM)のクラウドアプリケーションを提供するReval(読み:リヴァル、本社:ニューヨーク、CEO:大河内 時郎)に採用されました。10月にリリースされた、RevalのクラウドベースのSaaSプラットフォームの最新バージョンにおいて、このゲートウェイサービスとの連携が図られています。

NTTデータが新たに提供をする本サービスについては現在、GCMサービスを提供する国内外のIT企業や外資系金融機関が採用を検討しており、多くのGCMサービスへの提供を目指します。

背景

グループ経営を行う企業などでは、グループ全体の現金や資産等を一元的に管理し、グループ全体の資金を統一管理・調整することで、効率的な資金利用を図る必要があります。近年、日本企業のグローバル化に伴い、取引銀行が海外現地銀行まで広がり、国内外の複数銀行との取引による多通貨にわたる資金をグローバルで一元的に管理するニーズが高まっています。

2014度に実施された金融庁による金融審議会の「決済業務等の高度化に関するスタディ・グループ」においても、GCMはテーマの1つとして議論され、金融機関や企業の関心を集めています。

従来、日本の金融機関の口座情報は独自規格で管理されていたため、海外のGCMサービスと連携を図るには、独自に中継システムを構築する必要があり、連携が進んでいない一因となっていました。

そこでこのたび、NTTデータは日本の金融市場を支えるさまざまな決済サービスを提供してきた豊富な実績を生かし、海外GCMサービスとの連携を容易に実現する中継ゲートウェイサービスを提供することとし、そのサービスコンセプトがGCMサービスのグローバルリーダーであるRevalの日本市場におけるサービス戦略と一致したことで、今回の採用・提供開始となりました。

【図】

概要

本サービスはNTTデータが提供する企業向けマルチバンク型ASPサービスであるeBAgent経由で各銀行と取引を行ない、円口座の取引結果データを国際標準フォーマットであるISO20022やその他のフォーマットに変換し、GCMサービスへ提供するゲートウェイサービスです。

本サービスを活用し、eBAgentを通じて各銀行とアクセスすることで、主に以下の取引を行なうことができます。

  1. 1.End of Day Reporting(日次取引照会)

    前日分の「取引前残高情報」+「入出金明細情報」+「取引後残高情報」を1ファイルにまとめて提供します。

  2. 2.Intraday Reporting(入出金明細)

    当日分の「入出金明細情報」をリアルタイムに提供します。

  3. 3.Pooling(資金集中)

    支社・営業所等(子口座)の売上金や余剰資金を本社口座(親口座)に移動します。

  4. 4.Single Payment, Batch Payment(振込・振替)

    1件ずつ即時に振込を行うSingle Paymentや、総合振込や給与振込など複数件の振込をまとめて一括送信するBatch Paymentの取引が実施可能です。

特長・メリット

GCMサービスを提供するIT企業や金融機関

従来、海外ネットワーク等を通じて提供をしていた外貨口座情報だけではなく、円口座の情報をリアルタイムに提供することが可能となり、日系の多国籍企業や日本に進出している外資系企業に対して国内外一体となった資金管理の提案が可能となります。

  1. 1.企業のマルチバンクニーズに対して提案が可能

    eBAgentを通じて複数銀行への接続が可能となる為、企業のマルチバンクニーズに応えた提案活動を行うことができます。

  2. 2.導入期間の短縮とコスト削減

    本サービスは国際標準フォーマット(ISO20022)にて円口座の情報を提供するため、導入期間の短縮と開発コストの削減が可能になります。

GCMサービスを利用する企業

  1. 1.円口座のリアルタイム照会

    円口座の照会情報をリアルタイムに確認し、よりスピーディーに資金管理を行うことが可能です。

  2. 2.人手を介さずに円口座の見える化を実現

    国内外の口座情報を一元的に確認するためには、これまで利用企業は自ら円口座情報をGCMサービスに投入する必要がありましたが、人手を介さずに円口座の見える化を実現することができます。

  3. 3.円口座の資金集中を自動実行

    予め定めた条件に基づき、自動的に円口座間の資金集中を実施します。

Revalとの連携サービスについて

Revalが提供する資金・財務管理およびリスク管理向けReval SaaS クラウドプラットフォームソリューションと連携することで、外貨口座と円口座を同一画面で表示することが可能となります。これによりRevalの顧客は、多通貨で取引されている資金の一元的資金管理が可能となり、より効率的な資金管理・運用ができるようになります。

今後について

本サービスは、GCMサービスとの連携を実現する決済サービスとして提供を開始し、多くのGCMサービスとの連携を目指します。

今後は、世界で提供されている企業向けクラウドサービスとさまざまな銀行決済サービスを繋ぐ決済ハブとして発展させ、日系企業のグローバル化を支援していきます。

Reval Japan株式会社からのコメント

海外から取得することが難しい日本の銀行口座情報に関し、より透明性のあるサービスを提供することが可能となります。弊社は、NTTデータと協業し、ファーストプロバイダーとして、お客さまにサービスをご提供できることを大変喜ばしく思っております。

Reval Japan株式会社
代表取締役
長崎 一男

注釈

  • eBAgentは複数の金融機関と企業の会計システムをつなぎ、残高照会・入出金明細照会・総合振込等の各決済について複数の銀行をまたぎ一括して取引ができるマルチバンク型のASPサービスです。
  • 「eBAgent」「ANSER」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
三宅
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第二金融事業本部
e-ビジネス企画室
斉藤、只腰
TEL:050-5546-8230