UXの定量的な評価手法「カスタマ・フリクション・ファクタ」のトライアルを開始 ~さまざまなチャネルでのユーザーの不快感を数値化~
2018年3月16日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、米国グループ会社NTT DATA Servicesで開発した、サービスのユーザーエクスペリエンス(利用者の体験、以下:UX)を定量的に把握する評価手法、「カスタマ・フリクション・ファクタ(Customer Friction Factor、以下:CFF)」の日本での本格適用を視野に入れたトライアルを2018年4月1日より開始します。
近年、店舗や窓口、Webサイト、スマートフォンアプリといったコミュニケーションチャネルの増加に伴い、ユーザーがサービスを受ける際の動線も多様化しています。そのため、ユーザーが途中で迷ったり進めなくなったりするなど、サービスを円滑に受けられないことがあります。このようにUXの向上が求められる一方で、UXを評価する従来の方法では、多様なチャネルを前提とした定量評価が難しく、サービスの現状確認や課題対応が限定的になることがありました。
今回トライアルを開始するのは、対面・オンライン・電話を問わずUXを定量的に評価する手法です。定められた診断観点に従って専門家が不快感を体験・数値化することで、UX向上の対応方針を検討したり、改善度合いを確認したりすることができるようになります。
NTTデータは本手法を日本で複数トライアル適用し、日本向け評価基準の検証を行い、2019年度の本格展開を目指します。
背景
近年、店舗や窓口、Webサイト、スマートフォンアプリ、電話など、ユーザーが利用するコミュニケーションチャネルは多岐に渡ります。このため、ユーザーがサービスを受ける際の動線も多様化し、次に何をするか迷ったり同じことを繰り返し要求されたりするなど、サービスを円滑に受けられなくなることがあります。また、企業が業務で利用するシステムやサービスにおいても、連携がうまく取れずに時間や手間がかかるといった問題も散見されます。
このような問題に対処するためには提供者の都合だけではなく、UXに着目したサービス改善が求められます。一方で、UXを評価する従来の方法では多様なチャネルを前提とした定量的な診断が難しく、UXの課題の特定や改善策の実施が限定的になりがちでした。
今回NTTデータは、各種サービスに対する日本のUXの課題を可視化し、その改善を支援するため、日本での本格適用に向けたCFFのトライアルを2018年4月1日より開始します。
図1:ユーザーの行動例(購買)
概要
CFFは、米国グループ会社NTT DATA Servicesで開発したUXの定量的な評価手法です。ユーザーがサービスを利用する中(UX)で受けた不快感を、定められた評価観点に従って専門家が診断・数値化します。
ユーザーの体験シナリオに沿って定量的に診断することで、その体験に基づいた課題を可視化できます。さらに、他のサービスとの比較により相対的に評価することも可能です。
(1)評価方法
5つの領域(Engagement、Process、Technology、Knowledge、Ecosystem)で評価を行い、どこに課題があるかを特定します。評価は、各業界で業務に精通しているメンバーおよび人間中心設計専門家注が行います。
図2:評価観点
(2)評価対象チャネルと取引形態
- チャネル:対面、電話、オンライン等チャネルを横断したサービスの体験を総合的に評価します。
- 取引形態:一般消費者向けサービスだけでなく、企業向け、従業員向けサービスも評価可能です。
図3:評価対象とフリクション例
今後について
本サービスについて、トライアルとしてさまざまな案件への適用を通じて、診断の観点や各観点の数値について日本向け評価基準の検証を行い、日本で2019年度の本格展開を目指します。また、サービス開発元であるNTTデータの米国グループ会社であるNTT DATA Servicesと連携して、さらなるサービスの高度化を行います。
注釈
- 注人間中心設計専門家とは、人間中心設計推進機構により、人間中心設計(HCD)についての実務経験と実績があることが認定された専門家です。
- 文中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
製品・サービスに関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
製造ITイノベーション事業本部
コンサルティング&マーケティング事業部
ビジネスデザイン統括部
コンサルティング担当
角田、中西
TEL:050-5546-9530
E-mail:advisoryservices@kits.nttdata.co.jp