NTTデータと日本シノプシス合同会社が静的解析ツール「Coverity」の利用領域拡大と機能拡張に向けた取り組みを開始

株式会社NTTデータ（本社：東京都江東区、代表取締役社長：本間 洋、以下：NTTデータ）と日本シノプシス合同会社（本社：東京都世田谷区、社長 職務執行者：藤井 公雄、以下：日本シノプシス）は、ソースコードの静的解析ツール^注1「Coverity（コベリティ）」の利用領域拡大・機能拡張に向け、2018年7月1日より、NTTデータのシステム開発プロジェクトに対してCoverityを用いたテストを開始します。

さまざまなエンタープライズシステムを手掛けるNTTデータと、ソフトウエア品質・セキュリティーを向上させるソリューションを持ち、静的解析ツールの業界ではグローバルシェア ナンバーワンの実績を持つ日本シノプシスが協力することで、ソースコードの品質向上を実現し、さらには上流からの品質確保を目指します。

この取り組みを通じて、NTTデータはシステム開発における客観的かつ定量的な評価メトリックスとモニタリング手法を確立し、的確なアクションの実施や、より高い品質およびセキュリティーを実現することでお客さまのビジネスに貢献します。日本シノプシスは、システム開発分野における幅広い利用によるフィードバックから、さらなる機能拡張や機能改善を行っていきます。

長期にわたり利用しているシステムでは、機能拡張を重ねた結果としてシステムは大規模化かつ複雑化しており、システム品質やセキュリティーレベルの確保の難易度は漸進的に高まっています。また、少子高齢化による労働力不足が進む中、IT業界においてもシステム開発を行える技術者が業界全体を通じて慢性的に不足しており、システム品質やセキュリティーレベルの確保をより一層効率的に行っていく必要もあります。さらに、ソフトウエアの開発ペースとプロセスの高度化が劇的に加速しているため、開発ライフサイクルを通じてプログラムの欠陥やセキュリティー脆弱性を特定するツールも継続して進化することが求められます。

NTTデータは、このような状況を改善すべく、システム開発における静的解析ツールの幅広い活用に着目しました。今回、NTTデータの公共・社会基盤分野で、数十のシステム開発プロジェクトに対し、日本シノプシスが保有する静的解析ツール「Coverity」を用いた大規模なフィールドテスト^注2を行います。システム開発の品質問題を早期に発見できるよう、Coverityの機能拡張を促進し、幅広い領域でソースコードに対して客観的かつ定量的な評価を行います。これにより、品質リスクに対して早期に、的確なアクションを取ることを可能にします。また、結果を蓄積・分析することで、故障検出ツールとしてだけではなく、上流工程における品質の作りこみを実現するための方法として活用できるようにし、さらなる高品質・高セキュリティーなシステム開発プロセスの実現を目指します。

日本シノプシスは、今回NTTデータが行うシステム開発分野での幅広いフィールドテストから得られるフィードバックを基に、さらなる機能拡張や先進技術開発を行います。

NTTデータは本フィールドテストを通じて開発プロセスへの適合性を見極め、そこで培ったプロセスやノウハウを全社へ展開することを予定しています。また、日本シノプシスは今回のフィールドテストで得られるフィードバック結果から、Coverityのさらなる機能拡張や先進技術開発に取り組み、NTTデータのさまざまなシステム開発支援、品質向上に貢献していきます。

両社でCoverity利用に伴うノウハウの共有や定期的な意見交換会等を実施することで、本フィールドテストの実効性を高め、お客さまのビジネスに貢献できるシステム品質、並びにセキュリティーレベルの確保・向上に努めていきます。

Coverityは、業界をリードする静的解析ソリューションとして15年以上にわたって世界1800社以上の企業・団体で使用されてきた実績を持っています。深いフルパスのカバレッジ精度を実現し、1億行を超えるようなソースコードを抱える大規模プロジェクトであっても迅速かつ正確に不具合を検出できるため、ソフトウエアのセキュリティーならびに品質の向上を実現できます。主要なプログラミング言語全てに対応し、幅広いソフトウエア統合開発環境（IDE）や継続的インテグレーション/継続的デプロイ（CI/CD）ツールにもプラグインして使用できるため、DevSecOps（開発と運用の連携）環境下で、スピードを損なうことなくアプリケーション・テストを自動化できます。