ドローンと有人機で情報共有（D-NET）愛媛県原子力防災訓練 ～複数機の遠隔制御およびドローン・有人機間の情報共有を実現し、ドローンの安全運航に貢献～

株式会社NTTデータ（以下：NTTデータ）は、2018年10月12日に愛媛県による平成30年度愛媛県原子力防災訓練において、ドローン運航管理パッケージソフトウエア「airpalette^® UTM」^注1が活用されました。

今回の防災訓練では愛媛県庁災害対策本部（所在地：愛媛県松山市）から約100km程度離れた伊方町内の3拠点から、7機のドローン（無人機）を遠隔操作により同時飛行し、国内で初めて中継用通信機を搭載したドローンを用いた現地状況のリアルタイム映像配信を行いました。また、ドローンの位置情報等について国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構（以下：JAXA）が開発するD-NETとの情報連携を実施しました。

NTTデータは、今後もairpaletteUTMの機能拡充・強化を検討していくとともに、災害時の迅速な情報収集を必要としているお客さまへノウハウを展開していきます。

NTTデータは、2017年度に続いて^注2、愛媛県の調達案件「平成30年度原子力災害時におけるドローンを活用した情報収集体制構築業務」に応募・採択されました。2018年度末までに本調達を実現するシステム（ドローン運航管理等システム）を納入予定であり、本システムにはNTTデータが製造・販売するドローン運航管理パッケージソフトウェア「airpaletteUTM」が含まれます。

このたび愛媛県が行った2018年10月12日の原子力防災訓練において、構築中の本システムを利用し、3箇所の遠隔地に配備された7機のドローンを4ルートで一斉に飛行制御・監視する訓練を実施しました。また、この訓練においては、起伏のある地形において、一般的な無線の到達距離を超えて映像を伝送するため、国内で初めて、中継用通信機を搭載したドローンを用いて遠距離の映像伝送を実施しました。

また、airpaletteUTMとD-NET（JAXAが研究開発中の防災ヘリ等位置情報把握システム）を連携させ、airpaletteUTMで管理するドローン位置情報をD-NET側に送信し、表示する取り組みも実施しました。

D-NET（災害救援航空機情報共有ネットワーク）は、航空機、災害対策本部、防災関連機関等の間でやりとりされるデータの規格を統一することにより、航空機の性能や装備、機体の位置や状況等の情報に基づいて、最適な任務付与・運航管理を可能にする^注3システムです。そのため、D-NETと情報連携することで、ドローンと同様の高度・空域を飛行する防災ヘリや警察・消防等の有人機の位置情報を把握することが可能となります。

D-NETと連携したことのあるドローン運航管理システムはこれまでになく、今回が初めてです。

災害時において有人機とドローンが飛び交う場面においては、安全面から相互の位置情報共有が必要ですが、これまでその実用的連携方法は確立されていなかったため、今回は先進的な取り組みとなります。

2018年10月12日（金）

愛媛県、JAXA、NTTデータ

NTTデータは、今後も災害時に、ドローンによる情報収集が迅速かつ安全に行えるよう、airpaletteUTMの機能拡充・強化を検討していきます。また、愛媛県への災害時の情報収集におけるドローンとシステムの導入実績を生かし、災害時の迅速な情報収集を必要としているお客さまへ、ノウハウを展開していきます。