自動運転システムに必要な高精度3次元地図データの研究開発へ参画 ~ダイナミックマップ整備に向けて道路情報の最新化、高速道路での走行実験を実施~
2019年4月18日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、2019年3月より実施されている内閣府が実施する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP:エスアイピー)第2期 自動運転(システムとサービスの拡張)」(以下、「SIP自動運転」)の管理法人である国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下:NEDO)からの「SIP自動運転」のうち「車両プローブ情報等による高精度3次元地図更新に関する研究開発」に参画しています。車両プローブ情報とは、実際に走行する車両のセンサーから収集される位置情報や交通情報です。
本研究開発では、道路工事に関する情報に加え、車両プローブ情報やドライブレコーダーから抽出する道路変化情報を用いる事で、高精度3次元地図(路面情報、車線情報、道路形状など)のデータ更新サイクルの短縮化技術を開発します。NTTデータは、道路変化情報の抽出および高精度3次元地図との紐付け処理技術の開発、高速道路での走行実験実施の役割を担います。
NTTデータは、ダイナミックマップ整備の推進等を通して、自動運転システムおよび先進運転支援システム注1技術の推進、安全安心な交通社会の実現を目指します。
背景
自動運転の実現には、全球測位衛星システム注2等で現在位置や周囲の状況を認識し制御をするために、高精度な3次元地図が必要とされています。自動運転システムおよび先進運転支援システムでは、高精度3次元地図に渋滞情報や通行規制情報などの動的な位置情報を組み合わせたデジタル地図「ダイナミックマップ」が用いられます。そのため、高精度3次元地図は、自動運転に要求される鮮度・正確性を維持する必要があり、道路の新設や車線の拡張等による日々の変化に合わせたタイムリーな更新が求められています。
このたび、NEDOより「SIP自動運転」のうち「車両プローブ情報等による高精度3次元地図更新に関する研究開発」をダイナミックマップ基盤株式会社が受託注3し、NTTデータは、地図制作・更新システムや車両プローブ情報処理に係るノウハウが評価され、本研究開発に参画することになりました。
研究開発の概要
本研究開発では、道路工事に関する情報に加え、自動車会社が保有する車両プローブ情報やドライブレコーダーから抽出する道路変化情報を用いる事で、高精度3次元地図のデータ更新サイクルの短縮化技術を開発します。
車両の走行軌跡、運転の操作履歴、センサー情報などの車両プローブ情報の要件を定義したうえで、高精度3次元地図のデータ更新に関する実証実験を日本の高速道路で行うことを計画しています。
NTTデータの役割
- 走行履歴データを活用した道路変化点抽出技術・・・車両から得られるデータごとに道路の変化点を抽出します。
- 高精度3次元地図との紐付け処理および更新箇所特定技術・・・道路変化点情報を高精度3次元地図に紐付け、高精度3次元地図更新箇所を特定する技術を確立します。
- 高速道路における走行実験・・・実証エリア(高速道路)にて自動運転車両に高精度3次元地図を搭載し、自動運転の走行実験を行います。
取り組み期間
2019年3月~2021年2月
図:本研究開発事業の範囲
参画企業および役割分担
ダイナミックマップ基盤株式会社 |
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株式会社NTTデータ |
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株式会社NTTドコモ |
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コンチネンタル・オートモーティブ・ジャパン株式会社 | |
株式会社モービルアイジャパン | |
ソフトバンク株式会社 |
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注釈
- 注1先進運転支援システムとは、駐車支援、車線位置判定、衝突回避など、ドライバーの運転操作を支援するシステムです。
- 注2全球測位衛星システム:Global Navigation Satellite System(GNSS)
全球測位衛星システムとは、GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等の衛星測位システムの総称です。 - 注32019年2月18日:「車両プローブ情報等による高精度3次元地図更新に関する研究開発」に係る実施体制の決定について
https://www.nedo.go.jp/koubo/CD3_100144.html
本件に関するお問い合わせ先
社会基盤ソリューション事業本部
ソーシャルイノベーション事業部
デジタルソリューション統括部
第一営業担当
礒、近藤、高島
TEL:050-5546-2507