地域交通の実態を分析する「SiFFT-TDM®」を提供、交通データの可視化や事業者の共同経営、交通弱者の見守りを支援
~群馬県前橋市において地域の交通課題を解決する取り組みを実施~
トピックス
2022年12月26日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、2023年1月4日より、「SiFFT-TDM(シフトティーディーエム)®」注1の提供を開始します。SiFFT-TDMは、路線バスやデマンド交通の利用者の乗降情報注2を可視化することで、地域の公共交通の利用実態を明らかにし、自治体などにおける実データに基づく政策立案を支援するサービスです。それぞれの地域が抱える課題にあわせて、交通事業者の共同経営注3における収支のシミュレーション、交通弱者(移動制約者)の見守り支援や、定量データと住民から収集した意見を組み合わせた効果測定などのオプション機能も活用可能です。
ファーストユーザーとして、群馬県前橋市において2023年1月4日から3月31日の期間で実施される前橋版MaaS(MaeMaaS)高度化事業に採用が決定しました。本事業は、国土交通省の補助事業「令和4年度日本版MaaS推進・支援事業注4」に選定されており、持続可能な公共交通の実現に向けたMaaSの実装やデータ活用に係る優良事例として全国への展開が期待されています。
NTTデータは本取り組みを通じてSiFFT-TDMの有用性を確認し、今後は前橋市をはじめとする全国の交通課題を抱えるさまざまな地域の支援を進めます。
背景
NTTデータが参画する前橋市新モビリティサービス推進協議会は、前橋版MaaS(MaeMaaS)の社会実装を見据えた取り組みを推進しています。
前橋市では、公共交通維持のための市財政への負担増加、公共交通を担う運転手の不足や働き方改革、公共交通空白地帯の発生による外出機会の減少、移動における自家用車への依存といった課題を抱えています。前橋市に限らず、全国の各地域に同様の課題を抱えている自治体が多くあります。
この現状に対しNTTデータは、交通データの可視化、共同経営等のシミュレーション、交通弱者の見守り支援、効果測定を可能とする仕組みを「SiFFT-TDM®」により提供します。前橋市のMaeMaaS高度化事業において持続可能な公共交通の実現を支援するとともに、類似の課題を抱える全国の自治体に向けた優良事例の創出にもつながると考えています。
SiFFT-TDMについて
SiFFT-TDMは、交通の未来を見据えて、快適なまちづくりを支援するソリューションです。都市に関するデータ(統計・地図・人流等)と交通に関するデータ(運行・利用等)を掛け合わせて可視化・分析・統計を行うことで、地域の課題を可視化し、最適な施策を導き出すことを可能とします。
特長は以下の通りです。
1.公共交通が使いづらいエリアや利用者が少ないエリアを一目で可視化
自治体内にある公共施設等に公共交通で行きやすい/行きづらい場所はどこかを地図上で確認することができます。また、路線バスの乗降情報を地図上の分布図やグラフで可視化します。実データをもとにした公共交通の見直しや、他の交通モードを含めた交通計画の最適化に活用できます。
2.自治体職員自らのEBPM(Evidence‐based Policy Making)実施を支援
あらゆる情報が見やすく表示されるため、データ分析に関する特別な知識がなくても、自治体の職員自ら簡単にEBPM(実データに基づく政策立案)を行うことが可能です。また、クラウドサービスのため、自治体側で特別な設備は必要ありません。
3.地域の抱える課題に応じてオプション機能を選択可能
基本となるEBPM機能に加えて、地域の課題解決に資するオプション機能(共同経営支援機能・見守り機能・効果測定機能)を用意しています。
MaeMaaS高度化事業について
目的 | SiFFT-TDMの活用により、前橋市や前橋市内の交通事業者による公共交通網の見直しや市民満足度の向上、自家用車から公共交通への転換などに効果をもたらすかの検証を行う。 |
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期間 | 2023年1月4日から2023年3月31日 |
概要 | SiFFT-TDMを活用して以下の取り組みを実施する。効果は、利用者満足度、新たに公共交通を選択した割合などをアンケート等で収集し検証する。
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参加社 | 前橋市新モビリティサービス推進協議会(前橋市、一般社団法人群馬県バス協会、前橋地区タクシー協議会、株式会社未来シェア、株式会社NTTデータ) |
今後について
SiFFT-TDMの提供を通じて、前橋市とともに地域の課題解決に取り組みます。また、本事業の実績を活用して、交通課題を抱えるさまざまな地域の支援を行っていきます。誰もが安心して移動でき、人とまちに活気があふれる、持続可能なまちづくりを目指します。
注釈
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注1
SiFFT-TDM
The Service to Foresee the Future of Traffic - Transportation Demand Management -
注2
路線バスやデマンド交通の利用者の乗降情報
公共交通において、どのような人(年代・性別等)が/どの停留所で乗車し/どの停留所で降車したかを示す情報。MaeMaaS高度化事業では、群馬県の路線バスの利用情報や、前橋市内を運行するデマンド交通における予約・配車システムの利用情報を収集します。 -
注3
交通事業者の共同経営
令和2年11月27日、従来独占禁止法により禁止されていた同業者間での経営統合や共同経営について、主務大臣の認可を前提に、その適用が除外されることとなりました。
令和3年8月31日、関越交通(株)、(株)群馬バス、群馬中央バス(株)、上信電鉄(株)、永井運輸(株)、日本中央バス(株)の6社より前橋市内における等間隔運行の実施に関する協定の認可が申請され、国土交通省は、同年9月24日、独占禁止法特例法に基づく認可を行いました。
公共交通政策:地域における一般乗合旅客自動車運送事業及び銀行業に係る基盤的なサービスの提供の維持を図るための私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の特例に関する法律について - 国土交通省(mlit.go.jp)
報道発表資料:前橋市内において、バス事業者6社による共同経営が始まります
~前橋市中心部の移動が、より一層便利になります~ - 国土交通省(mlit.go.jp) -
注4
令和4年度日本版MaaS推進・支援事業
令和4年7月、国土交通省では、地域の課題解決に資するMaaSのモデル構築を図る「日本版MaaS推進・支援事業」について、公共交通の面的な利便性向上・高度化や、地域における課題解決につながる持続可能な取り組みを実装するものとして6事業を選定しています。
報道発表資料:令和4年度 日本版MaaS推進・支援事業で6事業を選定しました!
~公共交通の面的な利便性向上・高度化や、地域における課題解決を図ります~ - 国土交通省(mlit.go.jp)
- 「SiFFT-TDM」は日本国内における株式会社NTTデータの商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
事例に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
公共統括本部
第一公共事業本部
モビリティ&レジリエンス事業部
堀、藤井
E-mail:sifft-tdm_info@kits.nttdata.co.jp