AIモザイクソフト「BlurOn」が映像情報メディア学会の技術振興賞進歩開発賞を受賞
トピックス
2023年4月27日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)が提供する、メディア探索サービス「MediaSearch+」の映像編集の自動モザイク入れAIソフトウエア「BlurOn(読み:ブラーオン)」が、一般社団法人 映像情報メディア学会にて「技術振興賞進歩開発賞(現場運用部門)」を受賞しました。
この賞は毎年、映像情報メディアに関する研究や開発等で高い功績をあげた個人、団体に授与されます。
背景
テレビ番組の映像には、個人情報保護・プライバシー保護の観点から通行人の顔などに「モザイク入れ」の編集が必要な場合がありますが、1分間の映像へのモザイク入れ作業で1時間以上かかることがあり、制作現場の大きな負担となっていました。その問題を解決するためにNTTデータは日本テレビ放送網株式会社(以下:日本テレビ)とAIモザイクソフト「BlurOn」を共同開発しました。
今回、独自開発のAI技術によりモザイク入れ作業時間を最大90%削減した実績や、番組制作現場の実態を踏まえた各種機能などが評価され、受賞にいたりました。
BlurOnの特長
1.独自の画像認識AI技術で対象箇所を自動検出、モザイク入れまで実行
顔、頭部、全身、ナンバープレート、飲料、選挙ポスター注を画像認識AI技術で自動検出します。さらに、検出された箇所に対してモザイクを入れる作業までを自動で行うことが可能です。今後も自動検出の対象を拡大していく予定です。
2.Adobe After Effectsのプラグインとして利用可能
映像編集のスタンダードである「Adobe After Effects」のプラグインとして利用可能なため、現場にスムーズに導入できます。
3.クラウドで検出処理を実施
Adobe After Effectsが動作するパソコンがあれば、新たな機器の導入は不要です。
(利用イメージ)
「BlurOn」についての詳細
プロダクトページ:https://blur-on.com
受賞理由
主に以下の点について高い評価となり、受賞にいたりました。
(1)独自開発の画像認識AI技術による99%超えの検出精度を実現
被写体の検出に最適化した独自開発のAIにトラッキング技術や動き推測技術を組み合わせることで、99%超の検出精度を実現しています。この精度により手作業での修正を最小限に抑え、モザイク入れの作業時間を最大90%削減することに成功しました。(日本テレビによるベンチマーク映像での検証結果)
(2)番組横断開発プロジェクトによる「現場の実態を踏まえた」各種機能の開発
日本テレビ社内外の番組制作・編集スタッフと開発プロジェクトを組織し、半年間でのべ数十回、実際の番組でBlurOnをテスト利用しました。関係者の意見や改善点をサービスにフィードバックし、使いやすいユーザーインターフェースや多様な事前設定、フェードイン/アウトなどの便利機能を実装しています。
画像認識AI技術の活用における展望
「BlurOn」は、画像認識AI技術によりモザイク入れ編集を自動化することで、作業時間を最大90%削減することに成功し、番組制作現場の働き方改革に貢献しています。また、日本テレビの番組に加え、ポストプロダクション(映像編集会社)でも活用されています。さらにドライブレコーダーや監視カメラの映像を取り扱う業界など個人情報保護が必要な分野で活用の幅を広げています。
NTTデータは今後、画像認識AI技術を通じて、映像編集者のクリエイティブな活動を支援するだけではなく、さまざまな業界において画像認識による新たな市場創造を目指します。
注釈
- 注 2023年4月からBlurOnの検出対象は顔・頭部・背景(全身)・ナンバープレートに加え、飲料(ペットボトル・瓶・缶・自動販売機)・選挙ポスターにも対応しました。
- 「BlurOn」は日本国内における日本テレビ放送網株式会社の商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
製品・サービスに関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
インダストリ統括事業本部
メディア・情報サービス事業部
第1ビジネス統括部ビジネス担当
中村、堀
E-mail:rms-sales@kits.nttdata.co.jp