NTTデータグループ、NVIDIAとデジタルツインのエンタープライズ活用促進に向けた協業を拡大

~日本を含むグローバル各拠点でデジタルツインを構築・提供へ~

トピックス

2023年10月5日

株式会社NTTデータグループ

株式会社NTTデータグループ(以下、NTTデータグループ)は、デジタルツインのエンタープライズ領域での活用促進を目的として、2023年9月より、アクセラレーテッドコンピューティングで世界をリードするNVIDIA(以下、NVIDIA)との協業範囲を、これまでのイタリア・ドイツから日本にも拡大しました。これにより、NTTデータグループの先進技術活用力とシステム構築ノウハウに加え、3D設計コラボレーションおよびデジタルツインシミュレーションを構築するためのオープンプラットフォーム「NVIDIA Omniverse(以下、Omniverse)」を用いて、製造業やメディアのお客さまを中心に、デジタルツインを活用した事業の成長を支援します。
なお、イノベーションセンタのイタリアとドイツ拠点では先行的にOmniverse活用を開始しており、ロボット工学やコンピューター数値制御無線システムなどの自動化製品やサービスを提供するFANUC Deutschland GmbHと協力し、ロボットアームおよびアームが掴む対象物の位置や向きを高い精度でデジタル再現しシミュレーションできるデジタルツインを作成しています。これにより、ロボットの性能、効率、安全性を最適化できるだけでなく、遠隔操作やメンテナンスの新たなシナリオ開拓を実現しています。
今回の協業拡大において日本でもOmniverseを活用した高度なデジタルツインの構築・提供が可能となりました。NTTデータグループは今後、NVIDIAとの協業範囲をさらに拡大することで、日本を含むグローバルのお客さまに対して、Omniverseを活用したデジタルツイン技術の提供を通じ、ビジネスの成長を支援していきます。デジタルツインの領域で2025年までに、グローバルで30億円の売上獲得をめざします。

背景・概要

コンピューティングパワーの増大をはじめとするITの進展に伴い、現実世界の事象を高精細にデジタル空間上で再現できるようになりました。こうしたデジタル空間上での再現を活用して、たとえば3Dデータを用いた可視化・確認や、AIを用いた予測・シミュレーションによる効率化は、製造業を中心に活用が広がっており、メタバースやXR(Extended Reality)による新たな体験価値創出にも期待が高まっています。こうしたビジネス環境の変化に対して、NTTデータグループとNVIDIAは、イタリア・ドイツでのデジタルツイン技術のエンタープライズ提供を進めてきましたが、このたび、この協業の範囲を日本にも拡大し、多くのお客さまの新たな期待に応えるソリューション・サービスを両社で提供していくことになりました。

協業内容

本協業を通じて、製造業で使用されている代表的なソフトウエア(例:Siemens Process Simulate等)とOmniverseを接続するのに加え、お客さま特有のカスタマイズやコンテキストまで加味したデータ・インテグレーションやAI分析学習・生成までカバーすることで、より高度なデジタルツインを構築・提供します。協業の具体内容は以下です。

デジタルツイン技術をエンタープライズで活用するユースケースを共同探索

2022年8月に設立されたNTTデータグループのイノベーションセンタでは、世界6カ国の拠点にて、先進技術を用いたPoCをお客さまと多数実施しており、新たなビジネスチャンスの創出に取り組んでいます。デジタルツインに関しては、製造・流通・建設・メディア・インフラ設備運用などにおいて、高精細な可視化確認やシミュレーションによる効率化で今後大きなビジネス需要が見込まれるため、先行してイタリア・ドイツで取り組みを進めてきました。特にイタリアでは、OmniverseをはじめとしたNVIDIAの各種プラットフォームの技術情報提供を受け、業界に合わせた高度なカスタマイズプラグインを共同で開発してきました※参考1
Omniverseはさまざまなデータを統一フォーマットに変換して扱うことが可能であり、3D画像を高品質に出力できる特徴があります。NTTデータグループのシステム構築力や技術力を掛け合わせることで、既存システムとのデータ連携や目的に合わせた最適なシミュレーションが可能となります。
本協業拡大により、NTTデータグループはNVIDIAと共同で製造業やメディア業界を中心としたデジタルツインのユースケース探索およびビジネス開拓を加速します。

日本を含む複数国でのサービス展開を開始

NVIDIAとの協業拡大において、日本国内では国内事業会社である株式会社NTTデータ※参考2が主幹となりOmniverseの販売パートナーになることで、Omniverseを活用した高度なデジタルツインの構築・提供を本格的に開始・拡大しました※参考3。さらに、今後NTTデータグループの各グローバル拠点にて、NVIDIAと共同でデジタルツイン技術を提供していきます。

今後について

NTTデータグループは、Omniverseを用いたデジタルツインのエンタープライズ活用を促進し、お客さまの事業の成長および生産性向上を支援しつつ、新たな体験価値を提供していきます。

(参考1)FANUC Deutschland GmbHと協力し、工場ロボットアームのデジタルツインを作成

NVIDIAの協業における代表的なプロジェクトとして、FANUC Deutschland GmbHのロボットアームを導入した製造ステーションをデジタルツイン内に再現しました。コンピュータービジョンの技術を5Gカメラに適用し、ロボットが拾う対象物の位置や向きなどの現実世界の情報を撮影し、デジタルツイン側に迅速にデータ反映しています。これにより各オブジェクトの位置、向き、色、形状を特定し、デジタルツイン上でロボットアームがシミュレート可能になり、またロボットにシミュレーション結果の操作コマンドを送信、操作可能となります。プライベート5Gやエッジコンピューティング等の大容量コネクティビティ技術を活用しており、仮想環境へのインプットとなる大量のセンサーデータや画像データの取り込みから、大量の工場内機器を制御するフィードバックまでを、リアルタイムに実現しています。

(参考2)

新しい働き方を創出するエンタープライズ・プラットフォーム「BizXaaS office®」を提供するデジタルビジネスソリューション事業部が、NVIDIAとOmniverseの販売パートナー契約を締結し、Omniverseを活用した高度なデジタルツインの構築・提供を本格的に開始・拡大しました。
https://www.bizxaas.com/application/office/

(参考3)

2023年9月29日 新しい働き方を創出するBXOに3つの新サービスを提供開始
https://www.nttdata.com/global/ja/news/topics/2023/092900/

注釈

  • NTTデータは、中期経営計画において掲げる技術戦略において、技術の成熟度に応じたEmerging、Growth、Mainstreamの3つの領域における活動を推進しています。2022年8月に設立したイノベーションセンタはEmerging領域の活動であり、量子コンピュータ、メタバースなど5~10年先に主流となる先進技術を見極め、お客さまとの共創R&Dを通し新たなビジネス創出に取り組んでいます。大学やスタートアップとも連携することで、各国で先行する技術情報をいち早く収集し世界トップクラスの先進技術活用力の獲得をめざします。
    参考:グローバル6カ国に「イノベーションセンタ」を設立
    https://www.nttdata.com/global/ja/news/release/2022/081900/
    参考図:イノベーションセンタ概要

    参考図:イノベーションセンタ概要

  • 「BizXaaS office」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • 本ページに記載の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータグループ
技術開発本部
大井
E-mail:ic_pr@kits.nttdata.co.jp

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