OT・IT融合による製造業の現場改善サービスの提供開始

~ファナック社の「FIELD system Basic Package」を活用~

トピックス

2024年3月28日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、ファナック株式会社(以下、ファナック社)と連携し、同社の「FIELD system(FANUC Intelligent Edge Link & Drive system)Basic Package」を活用した、製造業におけるOT注1・IT融合による現場改善サービス(以下、本サービス)を2024年4月1日より提供します。
FIELD system Basic Packageには主に2つの特長があります。(1)工場内のメーカーや世代の異なる設備機器(OT)データを容易に収集し、可視化・分析できる。(2)ITソリューション連携を前提としたAPIが用意されていることです。NTTデータが得意とするIT領域のERPやMES注2などのデータとOTデータを融合することで、4M注3データの常時モニタリング、変化点のひもづけ、継続的な業務改善が可能になります。
NTTデータはファナック社と連携し、製造現場・間接部門・経営が一つにつながる事業運営を目指します。OT・IT融合によりお客さまの業務改善・改革をサポートし、2027年までに関連するソリューションやサービスを含めて累計100億円の売り上げを目指します。

背景

昨今、製造業を取り巻く環境は大きく変化しています。働き方改革や脱炭素対応、資源循環型社会への対応、事業の透明性証明といった社会や業界の変化に各企業は対応を迫られる一方で、高技能者の引退や生産設備の老朽化など多くの課題を抱えています。
課題解決のためにスマートファクトリーの概念が提唱され、浸透し始めているものの、製造現場の実情は日々の生産活動で手いっぱいであり、ヒト・モノ・設備のデータもバラバラで、管理・改善活動も個別に実施するなど、現場の課題は山積みです。全社的視点では、製造部門と管理部門の考え方の相違からくる連携の壁が課題解決を難しくしています。

概要

これまでNTTデータは、ファナック社のFIELD systemのサービス基盤やアプリケーション、コンバーターの開発に参画してきました。この経験から、製造現場の4MデータをOT側だけでなくIT側からも収集・融合して分析することが製造業の課題解決に必要不可欠と認識し、ファナック社とともに製造業向けにFIELD system Basic Packageの展開を進めることとしました。
「FIELD system Basic Package」を活用した現場改善サービスでは主に3つの支援を予定しています。(1)同パッケージの導入を含む、OT・ITデータ可視化・分析支援、(2)改善活動の伴走支援(コンサルティングサービス)。(1)と(2)で製造品質の向上や予防保全、カーボンニュートラルなどの製造業の主要課題の解決を目指します。お客さまの状況に応じて、(3)NTTデータが蓄積してきたERPやMESなどの関連システム導入・運用支援や関連セキュリティーサービスも提供し、トータルで製造業のお客さまをサポートします。

(1)OT・ITデータ可視化・分析支援

  • 製造現場へのFIELD system Basic Package導入支援
  • OT・ITデータ統合・分析基盤構築支援
  • OT・ITデータ分析支援
  • データ可視化・分析に関する研修/教育プログラム提供

(2)改善活動の伴走支援(コンサルティングサービス)

  • データを活用した課題発見支援
  • 課題解決策検討支援
  • 定着化支援(ノウハウ・知見継承含む)

(3)関連するシステム導入・運用支援

  • OT・ITセキュリティー運用支援
  • 関連ITシステム連携開発支援
  • 業務システム導入・運用支援
ISA-95 Definition

今後について

NTTデータは、本サービスを通じてOT・ITの融合によるお客さまの業務改善・改革をサポートし、2027年までに関連するソリューションやサービスを含めて累計100億円の売り上げを目指します。
今後、NTTデータは「FIELD system Basic Package」の国外での普及にも注力し、アメリカやヨーロッパを含むグローバル市場での展開を目指します。これにより、NTTデータが中期経営計画(FY2022~FY2025)で定める戦略の一つである「ITとConnectivityの融合による新たなサービスの創出」実現を目指します。

参考

FIELD system Basic Packageの特長

ファナック社の「FIELD system Basic Package」は、製造現場の各機器を世代やメーカーを問わず接続が可能なオープンプラットフォームで、これまでバラバラに管理されてきた各データの一元管理や各部門間でのデータ共有を実現します。「FIELD system Basic Package」の導入によりOTとIT間で融合されたデータが現場・間接部門・経営の共通言語となり、さらなる生産性向上と効率化を目指すことが可能となります。
製造業でのさらなる生産性向上と効率化を目指した、生産現場の改善を簡単に始めることができるパッケージ商品です。導入初日から「簡単設定」と「稼働監視」機能で業務の見える化を開始できます。さらに、利用者の活用習熟度や、生産現場での課題解決ステップに合わせた「拡張性」も備えており、稼働監視から外部システムとの連携まで、継続した改善活動を支援します。他社のCNC注4、PLC注5、センサー、ロボットの情報収集や、上位システムとも容易に結合や融合が可能です。
FIELD system Basic Packageの詳細については、ファナック社のWebサイトでご覧いただけます。

NTTデータとファナック社によるOT・ITの融合に関する取り組み

原点に立ち返れ!IT(管理部門)とOT(製造現場)の融合で加速する生産現場の「現場改善」~進め方と事例紹介~ | Next Gen Future | NTTDATA

各社との協業の背景や狙い、各社の役割等は過去のプレスリリースをご覧ください。
IoTにより製造・生産の最適化を実現する FIELD system の早期確立とサービス運用開始にむけた協業に合意

注釈

  • 注1 OTとはOperational Technology(オペレーショナルテクノロジー)の略で、重要インフラや工場において利用されている物理デバイス、プロセスおよびイベントを直接監視あるいは制御することにより、変化の検知や、変化を起こさせるためのハードウエア技術とソフトウエア技術のこと。
  • 注2 MESとはManufacturing Execution System(製造実行システム)の略で、製造に関する情報を可視化し、管理し、支援につなげることで生産性を高めるためのシステムのこと。
  • 注3 4Mとは、Man(人)、Machine(機械)、Material(材料)、Method(方法)からなるフレームワークで、この要素を分析・改善していくことで、課題発見や問題解決を図る手法。
  • 注4 CNC Computer Numerical Controlの略で、機械工作において工具の移動量や移動速度などをコンピューターによって数値制御すること。
  • 注5 PLC Programmable Logic Controllerの略で、リレー回路の代替装置として開発された制御装置である。プログラマブルコントローラとも呼ばれ、一般的にシーケンサとも呼ばれている。
  • FIELD systemはファナック株式会社の登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第一インダストリ統括事業本部
機械・電機・建設事業部
東條、西
E-mail:nttdata_mfg@hml.nttdata.co.jp

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