観測衛星サービスを提供する新会社「株式会社Marble Visions」を設立
トピックス
2024年7月1日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、観測衛星サービスを提供する新会社「株式会社Marble Visions(読み:マーブルビジョンズ、以下、Marble Visions)」を7月に設立しました。今後、民間主導での成長が見込める宇宙分野において、より高頻度かつ高精度な撮影が可能な観測衛星システムを整備し、衛星画像提供から利用者の判断支援までワンストップで提供できる仕組みを構築します。これにより、新たなデジタルツイン(サイバー空間上で現実空間を表現し、未来予測やシミュレーションを行う技術)市場の創設に挑戦し、持続可能な社会づくりに貢献します。
背景
従来の米露欧日に加え、中国、インドをはじめとした各国による国際的な宇宙開発競争は激化しており、各国ともに官主導の宇宙開発から官民連携への宇宙開発へと移行しつつあります。こうした中、日本政府は2024年4月26日に産官学による宇宙活動加速を目的とした宇宙戦略基金を創設し、令和5年度補正予算として3,000億円を計上しました。
また、昨今の技術革命で衛星産業は大胆な進化を遂げています。衛星の小型化と予算圧縮により、高頻度での衛星打ち上げが可能となったことでより多くの衛星が宇宙空間に展開され、地球観測や災害監視など重要な任務への貢献が可能となりました。また、衛星の撮影技術も飛躍的に向上し、より解像度が高い衛星画像の提供が可能となっています。
新会社設立の狙い
NTTグループは約30年にわたり地上と宇宙のインフラ企業として技術開発・事業を推進しており、2024年6月3日にはNTTグループの宇宙ビジネスブランド「NTTC89」を発表しました。NTTデータは2014年より全世界デジタル3Dサービス「AW3D®注1」を用いて世界130カ国・地域以上、3,500以上の幅広いプロジェクトに向けた衛星データ利活用事業を展開してきました。近年では、衛星データから再現されるサイバー空間を活用した都市インフラ設計や防災計画策定など活用範囲が拡大しています。そうした社会ニーズに対応するため、NTTデータでは、複数衛星を活用したより高頻度な3次元空間情報の提供を行ってきました。さらに、文部科学省の宇宙開発利用加速化戦略プログラム注2受託により、衛星データ利用の幅広い分野での定着に向けたユースケース創出の研究開発に取り組んでいます。
このたびNTTデータは、衛星の技術革新やデジタルツイン分野のニーズ拡大を受け、観測衛星サービスを提供する新会社「Marble Visions」を設立します。新会社は、従来の衛星データ利活用事業に留まらずより高頻度かつ高精度な撮影が可能な観測衛星システムを整備し、衛星画像提供から利用者の判断支援までワンストップで提供できる仕組みを構築します。
新会社概要
- 会社名
- 株式会社Marble Visions
- 設立時期
- 2024年7月1日
- 所在地
- 東京都江東区
- 株主構成
- NTTデータ 100%
事業内容
- 地球観測衛星の開発、運用
- 衛星データの取得、解析、提供
- 衛星データを活用した地理空間情報サービスの提供
社名の由来
宇宙から地球(Marble)を捉え、地球を多角的に評価・分析することで、社会課題を解決することを目指しています。Marbleは1972年12月7日にアポロ17号の乗組員によって撮影された地球の写真“The Blue Marble”(青いビー玉)に由来しています。
今後について
Marble Visionsでは、地球観測衛星の事業開発と技術開発を加速するとともに、NTTグループ各社等の関連事業を有機的につなげ、お客さまの要望にあったソリューションを提供することで、宇宙ビジネス分野における事業拡大と、更なる市場開拓を促し、宇宙産業全体の発展に貢献していきます。
注釈
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注1
AW3Dについて:2014年2月、NTTデータとRESTECは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の陸域観測技術衛星「だいち(ALOS)」が撮影した約300万枚の衛星画像を使い、世界で初めて5m解像度の数値標高モデル[Digital Elevation Model(DEM)]で世界中の陸地の起伏を表現している全世界デジタル3D地図のサービス提供を開始しました。
2015年5月からは、都市計画等の分野において利用を広げるために米国の民間衛星会社MAXARの衛星画像を活用した高精細版3D地図の提供を開始しました。これにより最高50cm解像度を実現し、都市エリアを中心とした「建築物」レベルの細かな起伏の表現が可能となりました。さらにAI等最先端技術を用いた地物情報抽出にも取り組んでおり、お客さま業務の短工期化、低コスト化を支援しています。
AW3Dは、世界130カ国・地域以上、3,500プロジェクト以上で、新興国におけるインフラ整備や防災対策などの社会問題の解決に活用されており、社会および経済発展へ貢献しています。
AW3D WEBサイト http://www.aw3d.jp/ -
注2
文部科学省 令和5年度宇宙開発利用推進研究開発委託費における採択課題の決定について
https://www.mext.go.jp/b_menu/boshu/detail/mext_00336.html
- 「AW3D」は、日本国内における株式会社NTTデータと一般財団法人リモート・センシング技術センターの登録商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
- 本リリースは、NTTグループ各社等が展開する宇宙ビジネスのブランド「NTT C89」※の取り組みの1つです。
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「NTT C89」は、日本電信電話株式会社の商標登録を出願中です。
「NTT CONSTELLATION 89 PROJECT」の略称であり、社会へのソリューション提供を通じて
宇宙関連事業の拡大および宇宙産業全体の発展に貢献していく取り組みです。
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
長村
E-mail:nttdata-pr-inquiries@am.nttdata.co.jp
製品・サービスに関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
社会基盤ソリューション事業本部
ソーシャルイノベーション事業部
大竹、栗林、松岡
E-mail:aw3d_sales@kits.nttdata.co.jp