生グリーン電力の一部活用により、三鷹データセンターEASTの電力を実質再エネ100%に転換、顧客の再エネ利用も可能に
~保有する国内データセンター13拠点全てのScope2(購入電力による間接排出)も2025年度中に実質ゼロ達成へ~
トピックス
2025年5月23日
株式会社NTTデータグループ
株式会社NTTデータグループ(以下、NTTデータグループ)は、2025年度中に、保有する三鷹データセンターEAST注1(以下、三鷹EAST)の使用電力を、実質的な再生可能エネルギー(以下、再エネ)100%注2に転換します。これにより、三鷹EASTにおけるScope2(購入電力による間接排出)の温室効果ガス排出量実質ゼロが達成されます。さらに、三鷹EASTを利用するお客さまも再エネ100%のデータセンターを利用可能とし、NTTデータグループのScope3温室効果ガス排出量の削減も見込みます注3。これらの実現に向けては、東京電力エナジーパートナー株式会社(以下、東京電力エナジーパートナー)が提供する30分値単位で電力供給の実績を把握可能な生グリーン電力も活用します。
また、保有する国内13拠点全てのデータセンターにおいても、自社が使用する電力を再エネ100%に転換し、Scope2の温室効果ガス排出量実質ゼロを2025年度中に達成します。「NTT DATA NET-ZERO Vision 2040注4」において、自社データセンターのScope1・Scope2については、2030年に温室効果ガス排出量実質ゼロを達成することを目標に掲げていますが、保有する国内データセンター13拠点のScope2については、再エネへの転換を先行的に達成する見通しです注5。
今後も、データセンターの温室効果ガス排出量実質ゼロに向けた取り組みを加速し、お客さま向けの再エネ電力の利用プランなど、さまざまなグリーン関連メニューを拡充していきます。
背景
NTTデータグループは、「グリーンデータセンタ\Green Data Center®注6」を掲げ、これまで長年にわたり、中央省庁や地方公共団体、金融機関の基幹システムをはじめ、さまざまな重要システムを稼働させてきた実績とノウハウをもとに、環境負荷に配慮した信頼性の高い設備とセキュリティー環境を提供してきました。
「NTT DATA NET-ZERO Vision 2040」に基づき、保有するデータセンターにおいて、2030年までにScope1・Scope2の温室効果ガス排出量実質ゼロを目指しています。目標達成に向けて、仮想化技術・運用自動化技術、フィルム型ペロブスカイト太陽光発電注7や液体冷却技術に関する検証施設開設注8など、さまざまな取り組みを進めています。また、再エネの導入にあたっては、非化石証書、オフサイトフィジカルPPA注9など、さまざまな手法を活用しながら、着実に導入を拡大してきました。今後、社会全体としても、グリーントランスフォーメーションがますます求められ、再エネの需要が高まることが想定されます。
このような中、NTTデータグループは、従来とは異なる特長を持つ生グリーン電力を新たに導入することで、三鷹EASTの実質的な再エネ100%を実現します。
概要(特長)
NTTデータグループは、保有する三鷹EASTの使用電力を、2025年度中に実質的な再エネ100%に転換し、「グリーンデータセンタ\Green Data Center」の実現に向けた取り組みを加速します。自社の使用電力を再エネ100%とすることで、Scope2の温室効果ガス排出量実質ゼロが達成されます。また、三鷹EASTを利用するお客さまも再エネ100%のデータセンターを利用することが可能となり、NTTデータグループのScope3温室効果ガス排出量の削減も見込みます。
実現に向けては、東京電力エナジーパートナーが提供する生グリーン電力を、三鷹EASTの電力の一部として導入します注10。従来の再エネは、再エネ電力の供給とは別に、非化石由来の電力であることの環境価値を証書として発行する必要があります。環境価値の証書は、実際に再エネ電力が供給されるタイミングと一致しないため、リアルタイムでの再エネの使用状況の把握はできませんが、今回導入する生グリーン電力は、東京電力エナジーパートナーにより供給される電力の30分値単位の実績を受領することにより、NTTデータグループとして生グリーン電力を使用していることを30分単位で認識することができます注11。
上記のような取り組みに加えて、NTTデータグループは、2025年度中に、保有する国内13拠点全てのデータセンターにおいて、自社が使用する電力を再エネ100%に転換し、Scope2の温室効果ガス排出量実質ゼロを達成します。NTTデータグループは、「NTT DATA NET-ZERO Vision 2040」において、2040年のネットゼロに向け、自社データセンターのScope1、Scope2の温室効果ガス排出量実質ゼロを2030年に達成する目標を掲げていますが、保有する国内データセンター13拠点のScope2については、再エネへの転換を先行的に達成する見通しです。

図:2040年までの目標と削減イメージ
今後について
NTTデータグループは、2030年度までに、国内データセンターの自社使用電力について、PPA導入比率約10%を目指すなど、非化石証書による実質再エネ化のみならず、新たな再エネ設備への投資を含めた選択肢を幅広く検討し、より積極的な環境負荷低減を推進していきます。また、データセンターを利用するお客さま向けの再エネ電力の利用プランなど、さまざまなグリーン関連メニューを拡充するなど、今後も社会全体の環境負荷低減に貢献します。
参考:三鷹データセンターEASTについて
対象施設 | 三鷹データセンターEAST | 外観 |
![]() |
所在地 | 東京都三鷹市 | ||
延床面積 | 38,000m² | ||
階数 | 地上4階 | ||
竣工 | 2018年2月 | ||
ラック数(最大) | 5,600ラック | ||
受電容量(最大) | 40,000kVA |
注釈
- 注1 三鷹データセンター EAST | NTTデータ - NTT DATA
- 注2 非化石電源で発電された電気の環境価値を証書として取引する非化石証書等、従来よりNTTデータグループが採用する複数の再エネ手法を組み合わせた電力構成。
- 注3 NTTデータグループでは、自社で使用する電力分をScope2、お客さまがデータセンター内で使用する電力をScope3(お客さまにとってのScope2)と整理し、三鷹EASTについては、自社で使用する電力、お客さまが使用する電力を全て実質再エネ化します。
- 注4 2040年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す新たなビジョンを策定 | NTTデータグループ - NTT DATA GROUP
- 注5 今回の取り組みによって達成するScope2温室効果ガス排出量実質ゼロは、「NTT DATA NET-ZERO Vision 2040」に定める、2030年の達成目標「データセンタのScope1・2実質ゼロ」のうち、自社が保有する国内データセンターのScope2に限定した範囲を対象としています。企業が設定する温室効果ガス削減目標のひとつであるSBTに則り、ネットゼロを主張するためには、企業活動の全範囲および全Scopeにおける長期削減目標を達成することが必要です。
- 注6 仮想化技術・運用自動化技術等を導入し、IT基盤のフルアウトソーシングでお客さまのIT経営を支えるサービスです。ファシリティ・ネットワーク・仮想化・OS/ミドルウエア・運用マネジメントを組み合わせた「マネジメント付きホスティング」や、グリーン対応したラックコロケーションサービスなどを提供しています。
- 注7 国内初、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を建物外壁に設置した実証実験開始 | NTTデータグループ - NTT DATA GROUP
- 注8 データセンターにおける液体冷却技術の活用推進に向けて、「Data Center Trial Field」を開設 | NTTデータグループ - NTT DATA GROUP
- 注9 データセンターで遠隔地メガソーラーの再エネ電力を使用開始 | NTTデータグループ - NTT DATA GROUP
- 注10 生グリーン電力の供給期間は、2025年4月1日から2026年3月31日まで。以降は、状況に応じた最適な調達方法を検討の上、選択予定。
- 注11 国際的には、アワリーマッチングと呼ばれる、24時間365日、リアルタイムでカーボンフリーエネルギーを供給することを目指す先進的な取り組みの導入が検討されるなど、時間単位の電力供給について注目が高まっています。
- 「グリーンデータセンタ\Green Data Center®」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
- その他文章中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータグループ
コーポレート統括本部
事業戦略室ファシリティマネジメント担当
樋口、長島、谷、小賀
E-mail:facility_consulting@kits.nttdata.co.jp