事業性融資に特化した電子契約サービスの提供を開始
~厳格なセキュリティ基準を求める金融業界にも対応した電子契約を実現~
トピックス
2025年5月28日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、事業性融資に特化した電子契約サービス(以下、本サービス)の提供を2025年5月より開始します。
本サービスのファーストユーザーとして、株式会社福井銀行(以下、福井銀行)へのサービス提供を開始し、その他金融機関への展開も順次予定しています。
本サービスは、NTTデータがすでに提供している住宅ローンの融資稟議(りんぎ)システムから契約に必要な情報を自動連携できる電子契約サービス注1の機能追加として、法人顧客が設備資金や運転資金借り入れを行う事業性融資に特化した電子契約サービスです。
事業性融資に特化したサービスとして、“アカウント管理”、“ワークフロー制御”など顧客企業の多様なケースに対応できる機能を具備し、各金融機関の事務フローに対応できる柔軟な電子契約を実現します。
今後、NTTデータでは金融機関のDX対応力を高めるサービス開発を加速することで、金融業界のDX対応力強化に貢献していきます。
背景
近年、契約業務の効率化・経費削減ニーズの高まりや、導入コストに対する採算性の高さから、金融機関では融資業務における電子契約の導入・普及が進んでいます。しかし、一般に普及している電子契約サービスでは、アップロードするための契約書ファイルを別途作成する必要がある、金融機関が金利や期間などの情報を改めて入力する必要があるなど、非効率なフローが残っていることが課題となっていました。
NTTデータでは、融資契約の前段にある融資稟議システムから稟議データを取り込み、自動的に契約書を作成することにより業務効率化と作業ミス軽減を可能とする電子契約サービスを、2024年4月より提供してきました。
電子契約サービスを提供する中で、さらなる金融機関の事務効率化を図るべく、事業性融資向けの機能追加、当座貸越、法人ポータルサイト連携のロードマップを策定し、このたび事業性融資に特化したサービスの提供開始に至りました。
本サービスの特長
本サービスは、金融機関の事務フローが複雑な事業性融資に対応可能な機能を具備しています。金融機関の具体的なメリットは、以下のとおりです。
1.アカウントの管理機能
事業性融資では職務内容に応じた複雑なアカウント設定・管理が必要になります。本サービスの利用により、金融機関側では、行員ごとに役割(融資担当・上長など)を設定してアカウントを管理できます。事業性融資の申請を行う法人企業側では、電子署名が必要なアカウントについて、本人確認を実施したユーザーアカウントの情報を管理できるほか、署名不要なアカウントは企業自身で作成・管理が可能です。
さらに、法人企業にひもづく連帯保証人(他の企業や個人)のアカウントを法人単位または個人単位でひもづけて管理することができます。その際、契約に関係のない情報が閲覧されないよう、情報漏えいリスクを考慮した参照制御機能も備えています。
2.アカウントの細やかな権限設定
「アカウントロール」という単位で、システム管理者・融資業務担当・上長・営業担当のように役割の応じた特定の操作権限を機能ごとに細かく権限設定し、各アカウントにひもづけて管理できます。
3.アカウントのグループ管理機能
支店や部署ごとにアカウントをグループ化して管理できます。人事異動などにも対応しやすく、業務に即したアカウント運用が可能です。
4.ワークフロー制御機能
金融機関側では契約書作成、契約書検証チェック、契約商談、契約署名、契約承認(契約締結)のワークフローを設定することが可能です。法人側では契約締結に必要な法人担当の署名および、保証人の署名のワークフローについて構築が可能です。また、現在の業務フローに合わせた柔軟なワークフローのカスタマイズ機能等により、限りなく現行に即した運用が可能なため、導入負荷を最小限に抑えられます。
5.契約書作成補助機能
契約書テンプレートには事前登録した顧客データや稟議データなどの情報の自動印字にくわえ、必要に応じて自動計算して契約書に印刷し、連携することが可能です。また、金利情報についても商談時に設定するTIBORレート注2を考慮した金利管理の機能を組み込み、事業融資の商談の2営業日前に約定金利を設定して契約書に反映できます。これらにより、契約書作業工数やミスを削減することが可能です。
今後について
NTTデータは融資先にとって、資金の借り入れの柔軟性が高い当座貸越業務のオンライン化を推進し、2026年度中に電子契約サービスへの「極度方式基本契約」や「借入申込(返済)」などの機能追加サービス提供を予定しています。これにより、当座貸越業務のDX、事務工数の負担軽減に寄与します。
また、本サービス以外にも認証機能の利用シーン拡大やデータ連携強化を行うことで、事務効率化や業務の削減に資する多様なサービスラインナップを拡充し、NTTデータが目指す「デジタル法人店舗」として金融機関や企業のデジタル化による生産性向上に貢献します。

図:NTTデータが目指す「デジタル法人店舗」の構想
注釈
- 注1 電子契約サービス:https://www.nttdata.com/global/ja/news/release/2023/022100/
- 注2 TIBOR(Tokyo Interbank Offered Rate)レートとは、銀行間での取引金利です。
- 文中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
第三金融事業本部
e-ビジネス事業部
デジタル戦略室(OpenCanvas Atelier)
古谷、内田、北森
E-mail:oca_digital_sign@kits.nttdata.co.jp