グローバルAIリーダー企業の特性を調査・分析した「Global AI Report」を公開
トピックス
2025年12月9日
株式会社NTTデータグループ
株式会社NTTデータグループ(以下、NTTデータグループ)は、AI活用が企業成長に与える影響と、AI先進企業の特性・成功要因を分析した「2026 Global AI Report:A Playbook for AI Leaders(以下、Global AI Report)」を公開しました。本調査は、NTTデータグループおよび株式会社NTT DATA, Incが主導し、日本を含む35か国・地域、15業界の経営幹部2,500名以上を対象に実施しました。調査の結果、明確なAI戦略を持ち、高度な運用モデルを用いて先進的にAIを活用している企業(以下、「AIリーダー企業」)は全体の約15%でした。また、該当企業について分析すると、他企業に比べ10%以上の収益成長を達成する確率が2.5倍、15%以上の利益率を実現する確率が約3倍高いことが明らかになりました。本レポートは、これらの企業がどのように経営戦略とAIを統合し、組織変革を進めているかを整理し、企業のAI活用の指針となる知見を提供します。
当社は、今後もグローバルでの調査・研究活動を継続し、AIガバナンスや人財育成などの分野でも実践的な知見を提供し続けます。
背景・概要
昨今、生成AIをはじめとするAI需要は、日本をはじめグローバルで急拡大しており、NTTデータグループもAI活用を社内外向けに推進しています。これらの実績を基にAI活用に対する各国の市場動向を調査し、さらなる発展のため、得られた知見を「Global AI Report」として公開しました。
本レポートは、NTTデータグループと株式会社NTT DATA, Incが主導した調査に基づき作成・公開しており、日本を含む35か国・地域、テクノロジー、製造業、銀行、金融、医療、消費財など15業界において、2,500人以上の経営幹部から回答を得ています。
調査の結果、明確なAI戦略を持ち、成熟した運用モデルと規律ある実行力を備えたAIリーダー企業は全体の約15%でした。また、そのAIリーダー企業に該当するグループは、他の企業に比べて10%以上の収益成長を達成する確率が2.5倍、15%以上の利益率を実現する確率が約3倍高いことが明らかになりました。
AIリーダー企業は、AIを単なる技術導入ではなく「事業成長のドライバー」として位置づけ、経営戦略、組織構造、企業文化の再設計にまで踏み込んでいます。特に、AIの活用を通じて業務プロセスの効率化とビジネスモデルの高度化を進めている点が特長です。
本レポートは、AIを中核として企業変革を進めるAIリーダー企業の行動特性と成功要因を分析しており、下記に調査結果の抜粋を記載します。
- 経営戦略との一体化:AIリーダー企業は、AIを事業成長の中心に据え、経営戦略と一体化して活用しています。価値の大きい領域を選定し、業務全体をエンドツーエンドで見直すことで、迅速な意思決定と効果的な成果創出を実現しています。さらに、初期の成果を次の投資につなげることで成長が継続する「フライホイール効果」も見られます。
- 運用モデルの高度化:AIリーダー企業は、部分的なAI機能の追加にとどまらず、アプリケーションや業務の中核をAI前提に再設計しています。加えて、スケーラブルで安全なAI基盤を整備し、データプライバシーや主権・地政学リスクに対応するため、インフラのローカライズや最適化にも積極的に取り組んでいます。
- 実行力と組織変革:AIリーダー企業は、経験豊富な従業員をAIで置き換えるのではなく、その能力をAIで補強するアプローチを採用しています。AI導入を技術展開ではなく組織変革として位置づけ、変更管理を重視することで定着を促しています。また、専任のCAIO(Chief AI Officer)がAIの戦略やリスク管理を統括し、パートナー企業との共創や成果連動型の協業を通じて、AIの価値創出を加速しています。
本調査の詳細につきましては、以下よりご確認ください。
日本語版(エグゼクティブサマリ)(PDF:2.7MB)英語版(全文)
今後について
NTTデータは、AIの責任ある活用と企業価値創出の両立を支援し、企業がAIを通じて社会的課題の解決と持続可能な成長を実現できるよう取り組んでいきます。今後も、グローバルでの調査・研究活動を継続し、AIガバナンスや人財育成などの分野でも実践的な知見を提供し続けます。
代表者コメント
「AIは単なる先進テクノロジーではなく、企業の競争力や持続可能性を左右する経営アジェンダになっています。
本調査が示すように、AIを経営課題として位置づけ成果を出している企業は、戦略・組織・文化を一体で変革しています。AIリーダー企業による“人とテクノロジーが共創するモデル”は、今後の企業のあるべき姿を示唆するものです。」
株式会社NTTデータグループ 代表取締役社長 佐々木 裕
「AIとビジネス戦略を連携させた後は、最も価値を生み出す領域を絞り込み、AIで業務全体を再設計することが重要です。それを支えるのが、堅牢なガバナンスと最新のインフラ、そして信頼できるパートナーです。こうした体制によって、AIリーダー企業は初期段階の取り組みを着実に事業成果へとつなげ、その結果、市場をリードしています。」
株式会社NTT DATA, Inc. 代表取締役社長 兼Chief AI Officer Abhijit Dubey
NTTデータグループが描くAI活用の未来
NTTデータグループは、積極的なAI活用の推進とガバナンスの両輪でお客さまのビジネス、当社のビジネスの変革を推進します。お客さまのビジネスでは、AIエージェントが指示に応じ自律的に対象業務のタスクを抽出・整理・実行する「Smart AI Agent®」の実現をめざします。当社のビジネスでは、ソフトウェア開発の大幅な生産性向上や実践的AI人財の育成を加速します。これらを通じて、AIネイティブな業務プロセス改革に取り組み、人手不足等の社会課題解決に貢献するとともに、人が付加価値の高い業務領域に注力できる世界を実現していきます。
注釈
- 「Smart AI Agent」は、株式会社NTTデータグループの英国および日本国内における登録商標、米国、欧州連合における商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータグループ
グローバルイノベーション本部
Global AI Office
森野、藤原
E-mail:gai-office@hml.nttdata.co.jp