データセンターのエネルギーマネジメントを最適化する新技術の開発を開始

~データセンター向けエネルギー可視化システム「Green DC energy management®」の機能拡張を通じて、カーボンニュートラル関連事業を強化~

トピックス

2025年12月10日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、データセンターのエネルギー利用可視化支援システム「Green DC energy management®(以下、GDCEMS)」の機能拡張に向けて、データセンター内のITとファシリティを統合的に制御する新技術の開発を開始します。サーバー稼働情報を活用して空調などの設備をリアルタイムで制御する新技術を開発することで、エネルギー利用の可視化から、IT機器とファシリティ設備を連携させた最適な制御を実現し、データセンター全体のエネルギー管理の高度化を目指します。
今後、国内外のデータセンターにおける検証を通じて冷却効率のさらなる向上に取り組み、NTTデータグループが保有するデータセンターにおけるScope1・Scope2の温室効果ガス排出量実質ゼロの実現に寄与していきます。

背景

生成AIやクラウドサービスの急速な普及により、世界のデータセンター需要も急激に増大しています。一方、AI活用による計算処理の増加に伴い、サーバーの電力消費が急増し、データセンター内における電力消費の半分近くを冷却設備が占めるというデータもあり、エネルギー効率の改善と脱炭素化の両立が喫緊の課題となっています。
NTTデータグループでは、保有するデータセンターにおいて、2030年までにScope1・Scope2の温室効果ガス排出量実質ゼロを目指しており、再生可能エネルギーの活用、AIによる空調制御、自動化技術の導入など、多面的な施策を推進しています。2022年には、データセンターのエネルギー利用を可視化し、運用の最適化を支援するシステム「GDCEMS」を発表し、国内自社拠点での導入を進め、運用効率の向上と環境負荷の低減に寄与してきました。

「GDCEMS」は、サーバールーム内の温湿度に加え、サーバーに内蔵されたセンサーから取得した給気温度・電流値、電力消費量、CPU稼働率などをリアルタイムに管理し、可視化によるエネルギーの効率的な運用を支援します。
本取り組みは、「GDCEMS」をさらに発展させ、ITとファシリティを融合することで、エネルギー利用の最適化を図る新たな技術体系を構築します。

図:「Green DC energy management」画面イメージ

概要

NTTデータは、「GDCEMS」の機能拡張に向けて、データセンター内のIT機器とファシリティ設備を統合的に制御する新たな技術を開発します。新たに開発する技術は下記を予定しており、株式会社NTTデータ先端技術および株式会社NTTデータMSEと共同で、特許出願中です。

1.サーバー情報を活用した空調制御の最適化

サーバー情報を活用した空調制御により、精緻な温度管理を行います。

2.データセンター内のワークロードシフトによるITとファシリティとの連携

サーバーの作業負荷に応じて、空調機およびサーバーを最適に制御することで、空調とサーバーのトータルでの省エネを図ります。

3.複数データセンター間のワークロードシフトによる環境負荷低減

エネルギーのモニタリングにより、環境負荷が最小となるデータセンターへワークロードをシフトさせ、データセンター全体の省エネを図ります。

今回開発する技術要素を組み込むことで、エネルギー利用の可視化に加えて、IT機器とファシリティ設備のトータルマネジメントにより最適な制御を実現し、データセンター全体のエネルギー管理の高度化を目指します。現在、国内拠点での検証を進めており、将来的には海外展開も視野に入れています。

今後について

NTTデータは、データセンターのエネルギー管理分野をカーボンニュートラル関連事業の中核領域として強化します。今後は、ファシリティ事業者やパートナー企業との連携を拡大し、制御技術の実用化および国際標準化を推進します。また、「GDCEMS」のさらなる進化を通じて、データセンター運用の最適化と環境負荷の低減を両立し、持続可能な社会の実現を目指します。

注釈

  • 「Green DC energy management」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
クラウド&データセンタ事業部
データセンタ統括部
赤岩、園田、野見、永井
E-mail:nttdcn@hml.nttdata.co.jp