サイバーセキュリティの国際会議Black Hat Asia 2026 Briefingに当社社員の論文が採択

トピックス

2026年2月20日

株式会社NTTデータグループ

株式会社NTTデータグループ(以下、NTTデータグループ)は、世界有数のサイバーセキュリティ国際会議「Black Hat Asia 2026」のBriefingセッションにおいて当社社員の論文が採択され、イベントへの登壇が決定しました。Black Hat Asiaは、最新のセキュリティ研究やツールが共有される世界トップクラスの国際会議であり、Briefingセッションは世界中のセキュリティ研究者による最新の脆弱性や攻撃・防御技術に関する研究成果が、厳格な審査を経て発表されるセッションです。今回採択された論文は、不正アクセスなどのセキュリティインシデント発生時に、封じ込め・復旧対応やログ分析を通じて侵入経路や被害状況を特定するデジタルフォレンジック・インシデントレスポンス(DFIR)において、AIエージェント活用に伴うリスクをテーマとした内容です。NTTデータグループは、AIを活用したDFIRの安全性と信頼性向上に向けた研究を推進し、実運用に即した設計・運用指針の確立を通じて、セキュリティ業界の発展に貢献していきます。

概要(特長)

講演概要

近年、DFIR分野ではAIを活用した調査・分析の高度化が進んでいます。本研究では、DFIRとAIエージェントを組み合わせた環境において、プロンプトインジェクション注1による新たなリスクが成立し得ることを実証しました。AIを活用した調査・分析の過程において、日常的に扱われるデータに悪意のある内容が紛れ込むことで、AIがそれを分析対象ではなく指示として誤って解釈する可能性があります。その結果、重要な痕跡の見落としや分析結果の誤誘導、さらには防御側の仕組みが意図せず悪用されるといった事態につながる恐れがあります。本研究では、DFIR・SOC(Security Operation Center)の担当者が理解しておくべきAIを活用した運用に固有のリスクを明確にするとともに、AIに過度な自律性を与えない設計や、人による確認を前提とした運用の重要性を提言しています。

イベント講演情報

講演タイトル:
The Dark Side of Autonomy: Exploiting DFIR Agents Through Adversarial Manipulation
講演者:
中島佑允(株式会社NTTデータグループ)
講演日時:
2026年4月23-24日(シンガポール時間)
URL:
https://blackhat.com/asia-26/briefings/schedule/index.html#the-dark-side-of-autonomy-exploiting-dfir-agents-through-adversarial-manipulation-50459

NTTDATA-CERTについて

本講演に登壇するNTTデータグループの社員は、グループ内のCSIRT注2組織である「NTTDATA-CERT」に所属しています。NTTDATA-CERTでは、平時から国内外の関係機関と連携し、セキュリティインシデントの未然防止および発生時の対応に取り組んでいます。また、社会全体のセキュリティ向上に寄与することを目的に、今回の講演で紹介されるオープンソースツールをはじめとする、ツールの開発や普及にも取り組んでいます。

今後について

NTTデータグループは、DFIR分野におけるAI活用の安全性と信頼性の向上に向け、引き続き研究・技術発信に取り組んでいきます。特に、AIエージェントを活用した調査・分析に内在するリスクについて、実運用を見据えた知見の蓄積と共有を進めることで、セキュリティ業界全体の技術的成熟に貢献していきます。
また、DFIRやSOC運用に関わる国内外の研究者や実務者コミュニティーと連携しながら、AIを活用したセキュリティ運用における適切な設計指針や運用手法の確立を目指します。これらの取り組みを通じて、より多くの組織が高度化するサイバー脅威に対し、安全かつ効果的なインシデント対応を実現できるよう、継続的に貢献していきます。

注釈

  • 注1 生成AIに与える指示(プロンプト)に悪意のある内容を紛れ込ませ、開発者やシステムが想定しない動作を引き起こす攻撃手法
  • 注2 Computer Security Incident Response Teamの略。企業や組織内で発生するサイバーセキュリティインシデントへの対応や、予防・再発防止に取り組む専門チーム

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータグループ
技術革新統括本部
品質保証部
情報セキュリティ推進室
NTTDATA-CERT担当
大石、中島
E-mail:nttdata-cert@kits.nttdata.co.jp