複数SaaSを横断し自然言語で営業データ分析が可能なAIエージェントを開発
~AWSとの戦略的協業を経て、セキュアかつスケーラブルなAIエージェントを短期間で実現~
トピックス
2026年3月6日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、自然言語による営業データ分析を、複数の外部SaaSサービスを横断して実現する、営業データ分析エージェント(以下、本エージェント)を開発しました。実務シナリオに基づく検証では、本エージェントがユーザーの問い合わせに応じて、Salesforceの営業データとTableauの販売データを自動で取得し、複合的な分析結果をまとめたレポートを生成可能なことを確認しています。
本エージェントは、AIエージェントと外部システムを接続する標準プロトコルの一つであるMCP(Model Context Protocol)を活用しており、外部ツールやデータと効率的に連携できる高い拡張性を備えています。今回、セキュアかつスケーラブルなAI エージェント開発・運用基盤としてアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)が提供する「Amazon Bedrock AgentCore」を採用しました。同基盤の「AgentCore Gateway」を活用することで、MCPを用いて外部サービスとのスムーズな連携が可能です。なお、本開発は2025年1月に締結したAWSとの戦略的協業注に基づき、AWS 生成AIイノベーションセンター(以下、GAIIC)と連携することで、両社が持つエージェントシステムの開発ノウハウを結集し、短期間での開発を実現しています。
今後、本エージェントをNTTデータの「LITRON® Sales」などAI関連サービスの機能の一つとして提供をめざします。
背景
企業のDX推進により、営業現場ではSFA、CRM、BIツールなど複数のSaaSを併用するケースが増えています。しかし、データが分散することにより、横断的な分析には手作業による抽出や加工が必要となり、迅速な意思決定を妨げる要因となっています。
一方、生成AIの進展により、業務を支援するAIエージェントの活用が拡大していますが、外部SaaSと安全に接続し、実業務レベルで活用できる仕組みの構築には、認証・認可の実装や拡張性確保といった技術的課題が存在します。
NTTデータは、こうした市場動向や企業が抱える課題を踏まえ、標準プロトコルMCPを活用した営業データ分析エージェントの開発を進めてきました。今回、AWSとの戦略的協業の一環として同社のAWS GAIICと連携することで、1カ月という短期間での構築を実現しました。
概要(特長)
NTTデータは、SalesforceおよびTableauと連携し、自然言語による指示だけで営業データを複合的に分析できる営業データ分析エージェントを開発し、自社の実務シナリオにおいて有効性を確認しました。従来は各サービスからデータを抽出、加工、集計する工程が必要でしたが、本エージェントでは、ユーザーが自然言語で問いを入力するだけで、必要なデータの自動取得から、統合分析、レポート生成までを一貫して行います。なお、SalesforceとTableauは検証対象の一例であり、Amazon Bedrock AgentCoreのGateway機能を活用することで、さまざまな外部サービスとの連携が可能です。セキュリティ面では、Amazon Bedrock AgentCoreのIdentity機能とOktaを連携させ、OAuth 2.0を用いた外部サービス接続および厳格な認証・認可の仕組みを実装しました。
多様な外部SaaSをまたいだ自然言語による営業データ分析が可能になることで、営業業務の効率化や高度化、意思決定の迅速化などが期待できます。
実務シナリオ(実証時のユースケース):
本エージェントがSalesforceの営業パイプライン情報とTableauの販売データを自動取得し、ユーザーの自然言語による問い合わせの内容に応じてレポートを自動生成します。
実証の主な結果:
- Oktaによるユーザー認証を設定したエージェントのAgentCore Runtimeへのデプロイ
- AgentCore Gateway経由によるSalesforceおよびTableauとのセキュアな接続の確認
- AgentCore Observabilityを用いたユーザー単位のトレーサビリティーを確認
- 選定した4件のビジネスユースケースにおいて、妥当な分析結果を確認
図:システム構成
今後について
営業データ分析エージェントは、NTTデータの「LITRON Sales」などAI関連サービスの機能の一つとして提供をめざします。また、AWSが提供するAWS Marketplace経由での提供も検討していきます。
NTTデータは、今後も引き続きAWSとの戦略的協業を推進しつつ、「Smart AI Agent®」構想のもと、企業が自らAIを創り出し、業務変革を加速させる社会の実現をめざします。
NTTデータグループが描くAI活用の未来
NTTデータグループは、積極的なAI活用の推進とガバナンスの両輪でお客さまのビジネス、当社のビジネスの変革を推進します。お客さまのビジネスでは、AIエージェントが指示に応じ自律的に対象業務のタスクを抽出・整理・実行する「Smart AI Agent」の実現をめざします。当社のビジネスでは、ソフトウェア開発の大幅な生産性向上や実践的AI人財の育成を加速します。これらを通じて、AIネイティブな業務プロセス改革に取り組み、人手不足等の社会課題解決に貢献するとともに、人が付加価値の高い業務領域に注力できる世界を実現していきます。
注釈
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注
デジタルビジネス強化を目的にAWSとの戦略的協業契約を新たに締結
https://www.nttdata.com/global/ja/news/topics/2025/011000/
- 「LITRON」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。サービスラインナップの詳細は下記サイトをご覧ください。
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/litron/ - 「Smart AI Agent」は、株式会社NTTデータグループの米国、英国、欧州連合および日本国内における登録商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
GenAIビジネス推進部
柏原、岡本
E-mail:nttd-dsp@kits.nttdata.co.jp