AI時代の商用システム開発における責任とガバナンスを体系化したホワイトペーパーを公開
~アカウンタビリティ(説明責任)を軸にしたAI-Native開発のデザイン戦略~
トピックス
2026年3月26日
株式会社NTTデータグループ
株式会社NTTデータグループ(以下、NTTデータグループ)は、商用システムのAI-Native開発において品質・透明性・説明責任をどのように確保するかという視点から、設計の考え方を体系的に整理したホワイトペーパー「アカウンタビリティを軸としたAI-Native開発のデザイン戦略(PDF:2.5MB)」を公開しました。
本ホワイトペーパーは、NTTデータグループが2025年以降、生成AIを活用したソフトウェア開発に取り組む中で得た知見をもとにまとめたものです。新規開発に加え、既存システムの改修・保守への適用についても言及し、企業の実情に即した形でAI-Native開発を検討するための指針を提示しています。
NTTデータグループは、AI技術の進化に応じて開発プロセスを継続的に適応させながら、信頼性の高いソフトウェアの提供に取り組んでいます。今後も、設計思想と実践知を広く社会に還元することで、社会全体の持続可能な成長とイノベーションの実現に貢献していきます。
背景
近年、コーディングエージェント注1の進化により、AIがコード生成やテスト、デバッグまで担う開発スタイルが現実のものとなっています。一方で、AIが生成したコードによって商用システムに障害が発生した場合、「なぜその実装になったのか」「誰がどのように説明責任を果たすのか」といった問いに対して、明確に答えられる企業は多くありません。
本ホワイトペーパーでは、こうした課題意識を出発点に、AIを開発の主体として活用しながらも、企業として品質・透明性・説明責任をどのように確保するかという視点から、AI-Native開発の設計指針を提示します。
ホワイトペーパーの概要
AIと人間のそれぞれの責務の整理
本ホワイトペーパーでは、商用ソフトウェア開発において求められる責務を、以下の4つに整理しています。単に「AIで速く作る」ことに留まらず、品質・透明性・説明責任まで含めてAI活用を設計している点が特徴です。
また、組織ガバナンスとリスク管理の役割分担を明確にするフレームワークである「スリーラインモデル注2」をソフトウェア開発に適用し、AIと人間がそれぞれ担うべき責務を整理しています。これにより、AIの役割が拡大した場合でも、持続可能なガバナンス構造を示しています。
- 機能性:システムに求められる機能が実装され、実際に動作すること
- 品質:要件や仕様、利用者の期待に沿って、正確かつ安定して動作すること
- 透明性:どのような判断や手順で開発が行われたのか、後から追跡・検証できること
- アカウンタビリティ:開発プロセスや成果物について、根拠に基づいて説明し、正当化できること
図:ソフトウェア開発におけるスリーラインモデル
AIの開発適用範囲に応じた設計思想と課題の整理
本ホワイトペーパーでは、AI-Native開発におけるAIが担う範囲は段階的に拡大すると考え、その変化をAI活用の成熟度レベルとして以下の3つに整理しています。
各レベルについて、Process(プロセス)/People(人)/Technology(技術)の3つの観点から、具体的な設計の考え方と課題を整理しています。特に、AIを開発の主体として活用する初期段階(Level1~2)における課題や設計のポイントについては、現場での実践を踏まえた内容としています。
- Level1:AI-Generated
AIが開発実務を担い、人間がレビューによって品質を確保する段階 - Level2:AI-Verified
AIが品質の監督も担い、人間は要件定義やプロセス管理に集中する段階 - Level3:AI-Explainable
AIが開発プロセスの透明性まで提供し、人間は事後的な監査を通じて説明責任を果たす段階
今後に向けて
生成AIの進化により、ソフトウェア開発のあり方は大きく変わりつつあります。こうした変化の中でも、アカウンタビリティは引き続き人間に帰属するという原則は変わりません。
NTTデータグループは、AI技術の進化に応じて開発プロセスを適応させながら、信頼性の高いソフトウェアを提供し続けるための設計思想と実践知を広く社会に還元していきます。これにより、社会全体の持続可能な成長とイノベーションの実現に貢献していきます。
NTTデータグループが描くAI活用の未来
NTTデータグループは、積極的なAI活用の推進とガバナンスの両輪でお客さまのビジネス、当社のビジネスの変革を推進します。お客さまのビジネスでは、AIエージェントが指示に応じ自律的に対象業務のタスクを抽出・整理・実行する「Smart AI Agent®」の実現をめざします。当社のビジネスでは、ソフトウェア開発の大幅な生産性向上や実践的AI人財の育成を加速します。これらを通じて、AIネイティブな業務プロセス改革に取り組み、人手不足等の社会課題解決に貢献するとともに、人が付加価値の高い業務領域に注力できる世界を実現していきます。
注釈
- 注1 コーディングエージェント:AIが自律的にプログラムの作成・修正・テストなどの開発作業を行うソフトウェアエージェント
- 注2 スリーラインモデル:IIA(The Institute of International Auditors)による組織ガバナンスとリスク管理の役割分担明確にするためのフレームワーク
- 「Smart AI Agent」は、株式会社NTTデータグループの米国、英国、欧州連合および日本国内における登録商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータグループ
技術革新統括本部
AI技術部
関口、竹之内、正木
E-mail:appsdata_pr@hml.nttdata.co.jp