INSEADとAI時代におけるITサービス業の人材・組織変革に関する共同研究を実施
トピックス
2026年4月2日
株式会社NTTデータグループ
株式会社NTTデータグループ(以下、NTTデータグループ)と世界有数のビジネススクールであるINSEADは、AI時代における人材・組織変革に関する共同研究を完了し、その成果レポートを2026年4月2日に公開します。
本研究は、AIがITサービス業界に与える影響を人材・組織中心に多面的に分析したもので、AI活用は単なる業務効率化にとどまらず、構造的な変革をもたらすものであり、従来の人月型モデルの持続可能性に影響を与え、成果志向型や資産活用型モデルへの転換を促すものであることが明らかになりました。また、職種やスキル要件の高度化、AIエージェントを含むハイブリッド型組織への進化など、人とAIが協働する新たな組織像が示されました。さらに、今後3~5年の複数シナリオを提示し、企業が選択する戦略に応じて人材構成や収益モデルが大きく変化する可能性を整理しています。
今後は、本研究で得られた知見を活用し、AIを前提とした持続的な価値創出モデルの確立に向けて、企業の変革を伴走型で支援します。
背景
近年、AI技術の高度化と急速な普及により、企業の業務プロセスや提供価値の在り方は大きな変革期を迎えています。ITサービス業界においても、AIをはじめとする先進技術の活用が進展し、業務の自動化・高度化が加速しています。
しかしながら、AIの導入は単なる効率化にとどまるものではありません。職種やスキル要件の再定義、業務プロセスの再設計、組織構造の見直し、さらには人とAIが協働する新たな業務モデルの構築など、企業全体の変革を伴うものです。経営戦略と人材戦略を一体で再設計することが、企業の競争力の維持・強化に直結する重要課題となっています。
NTTデータグループとINSEADは、こうした課題認識のもと、AI時代における人材および組織変革を体系的に分析する共同研究を実施しました。
本研究は、NTTデータグループが発表した「2026 Global AI Report」におけるAIネイティブ経営の知見を踏まえ、特にITサービス業界における人材・組織変革の観点から発展的に整理したものです。また、本研究で示された組織・人材変革の方向性は、NTTデータグループが推進するAIネイティブ経営およびSmart AI Agent®の取り組みとも連動するものです。
概要
本研究では、AIがITサービス業界に与える影響を、業務・役割、プロセス、組織構造、価値創出モデル、将来シナリオの観点から多層的に整理することで、AI活用が単なる効率化にとどまらず、価値創出の在り方や組織・人材戦略そのものの再設計を迫る構造変革であるなどの分析結果を得られました。
なお、本研究では、AI活用の進展に伴う人材構成の変化についても整理しています。
主な分析結果の抜粋は、下記のとおりです。
業務・役割の変革
AIの活用が進展する中で、個々の業務や職務内容がどのように再設計され、求められるスキルや専門性がどのように変化・高度化していくのかを分析。これにより、「従来のシステム開発中心の役割」から「システム開発における判断・監督・設計を担う役割」へと価値の重心が移行していることが明らかになりました。特に、従来は若手人材が担ってきた定型業務は自動化が進み、深いドメイン知識やAIを統括する能力の重要性が高まっています。
プロセスおよび組織構造の進化
AIを前提とした業務プロセスの再構築や、従来の階層的な人材構成から、より柔軟で高度な組織形態への移行の可能性を検討。これにより、従来の階層型の組織構造から、中核人材(ミドル層)の役割が強化されたより柔軟な組織形態へと進化しつつあることが明らかになりました。また、AIエージェントを含むハイブリッド型の運営モデルが現実化していることも示されました。
価値創出モデルおよびビジネスモデルの転換
労働時間に基づく従来型モデルから、成果志向型、プロダクト化、業界特化型モデルなどへの移行を含む、ITサービス企業の価値提案の変化を考察。これにより、人月型モデルの持続可能性が低下し、成果志向型・資産活用型モデルへの転換が不可避となっていることが明らかになりました。競争力の源は、時間ではなく、成果や専門性へと移りつつあります。
人とAIの協働モデルの確立
人とAIが共存するハイブリッド型組織の在り方を検討するとともに、リーダーシップやガバナンスの重要性を明確化。これにより、AIを「ツール」として活用する段階から、「組織の一部として管理・統括する対象」へと位置づけが変化していることが明らかになりました。また、AIガバナンスや責任の所在を明確化する体制整備も不可欠となっています。
将来シナリオに基づく戦略的選択肢の提示
今後3~5年を見据えた複数の業界シナリオを提示し、企業が取るべき戦略的ポジショニングと人材への影響を体系的に整理。これにより、ITサービス企業は「人材供給型」から「AIネイティブ型組織」へと戦略的転換を迫られていることが明らかになりました。これは、どのシナリオを選択するかによって、人材構成・組織設計・収益モデルが大きく変わる可能性があることを示しています。
本研究の詳細については、以下より確認ください。
Impact of AI on the IT industry : Talent transformation in the AI era(PDF:7.7MB)(英語)
今後について
今後は、本研究で得られた知見をもとに、経営層との対話機会の創出や、企業の状況に応じた実践的な人材戦略・組織設計支援の高度化を推進します。あわせて、研究成果を実務へと橋渡しすることで、AIを前提とした持続的な価値創出モデルの確立に向けて、企業の変革を伴走型で支援します。
NTTデータグループが描くAI活用の未来
NTTデータグループは、積極的なAI活用の推進とガバナンスの両輪でお客さまのビジネス、当社のビジネスの変革を推進します。お客さまのビジネスでは、AIエージェントが指示に応じ自律的に対象業務のタスクを抽出・整理・実行する「Smart AI Agent」の実現をめざします。当社のビジネスでは、ソフトウェア開発の大幅な生産性向上や実践的AI人財の育成を加速します。これらを通じて、AIネイティブな業務プロセス改革に取り組み、人手不足等の社会課題解決に貢献するとともに、人が付加価値の高い業務領域に注力できる世界を実現していきます。
注釈
- 「Smart AI Agent」は、株式会社NTTデータグループの米国、英国、欧州連合および日本国内における登録商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータグループ
グローバルイノベーション本部
Global AI Office
武田、ザヒール、森野
E-mail:gai-office@hml.nttdata.co.jp