「GenAI生活者インサイトレポート2026 ISSUE 02」を発表
~購買時にAIを利用した人の約7割がAI提案を採用するなど、AIの購買行動への関与が拡大~
トピックス
2026年9月30日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、生成AIが生活者の購買行動に与える影響を把握するため、「GenAI生活者インサイトレポート2026 ISSUE 02」を公開しました。本レポートは、15~69歳のAI利用経験者3,948人を対象としたオンラインの定量調査の結果をまとめたものです。
調査の結果、商品・サービスの購入・利用にAIを使用した経験がある人のうち、購買時の意思決定時でAIの提案をそのまま採用したことがある人は69.7%となり、2026年3月の前回調査から7.8ポイント増加しました。また、AIを活用して購入・申し込み・資料請求を行った経験がある人は55.0%で、前回から5.8ポイント増加しました。
一方、AIの回答と企業の公式情報の食い違いや、AIから申し込み・購入へスムーズに移行できないなど、AIと企業の各種接点との連携で困った経験がある人は37.9%でした。そのうち66.6%が、こうした経験を理由に購入・契約をやめたことがあると回答しています。
今回の調査から、AI利用経験者の購買行動では、AIの関与が情報収集や比較検討から意思決定・購買へ広がる一方、AI利用とWebサイト、店舗、窓口などをつなぐ購買体験の設計が重要になっていることが分かりました。
背景
生成AIをはじめとするAIサービスの普及により、生活者が商品・サービス選びにおける情報収集や意思決定の在り方が変化しています。従来の検索エンジンやSNS、比較サイトなどに加え、AIとの対話を通じて情報を整理し、候補を比較・検討することが可能になり、AIの活用範囲は購入・申し込みなどの購買行動にも広がりつつあります。
一方、生活者がどのような条件でAIの提案を信頼するのか、商品・サービスや購買段階によってAIに任せたい範囲がどのように異なるのかについては、継続的に捉える必要があります。
また、AIで商品・サービスを検討した後、企業のWebサイトや実店舗、窓口などへ移る際に、情報や行動をスムーズにつなげられる購買体験の設計も課題となっています。
このような変化を踏まえ、NTTデータは、AIが生活者の購買行動に与える影響を継続的に調査し、企業のマーケティング戦略や購買体験設計に活用できる知見を提供しています。
調査概要
NTTデータは、AIが生活者の行動に与える影響を把握するため、2026年8月に、15~69歳のAI利用経験者3,948人を対象としてオンライン定量調査を実施しました。
本調査は、2026年3月の調査に続くものです。前回は、AI利用経験者1,429人を対象に、AIの利用実態や購買意思決定への影響を調査しました。その結果、商品・サービスの購入・利用にAIを使用した経験がある人のうち、AIの提案をそのまま採用した経験がある人は61.9%、AIの活用によって購買検討期間が短縮された人は65.0%でした。
今回の調査では、対象者を拡大し、AIの利用状況や購買行動への影響に加え、以下の5つの観点から、AI利用経験者の購買行動を分析しました。
- AIの利用状況や購買行動への影響
- AIと企業が提供する各種接点との連携における課題
- AIを活用する商品・サービスや購買段階
- AIを信頼し意思決定を任せるための条件
なお、本調査はAI利用経験者を対象としており、調査結果は一般生活者全体ではなく、AI利用経験者における傾向を示すものです。また、前回調査との時系列比較が可能となるよう、調査対象や割付条件、主要な設問などの調査設計を前回調査と揃えて実施しています。主な調査結果は以下の通りです。
調査結果サマリ
1.AI提案を採用した経験は69.7%に増加、前回から7.8ポイント増加
商品・サービスの購入・利用にAIを使用したことがある2,387人のうち、購買・意思決定時にAIの提案をそのまま採用した経験がある人は69.7%となり、2026年3月の前回調査から7.8ポイント増加しました。「何度もある」と回答した人も24.5%から28.1%に増加しています。
また、AIを活用して購入、申し込み、資料請求を行った経験がある人も前回の49.2%から55.0%に増加しました。AIの活用が情報収集や比較検討にとどまらず、意思決定やその後の購買行動まで広がっていることが確認できました。
図表1:AI前提の購買行動の拡大
※設問文:商品・サービスの購入・利用において、生成AIの提案をそのまま採用した経験はありますか。
※回答形式:単一回答
※対象者:商品・サービスの購入・利用時にAI利用経験を有する15歳から69歳の男女、n=2,387
2.AIと企業の「分断」が購買を阻害、経験者の66.6%が購入・契約を中止
AIの回答と企業の公式サイトや窓口の情報が食い違っていた、AIの提案から申し込み・予約・購入に移る際に別のWebサイトやアプリへの移動が必要で不便を感じたなど、AIと企業の各種接点との連携で困った経験がある人は37.9%(1,497人)でした。そのうち66.6%が、こうした経験を理由に商品・サービスの購入や契約をやめた経験があると回答しました。
AIを新たな顧客接点として活用するだけでなく、Webサイト、店舗、窓口など既存の接点と情報や行動をつなぎ、生活者が購買プロセスをスムーズに継続できる導線を設計することの重要性が示されました。
図表2:具体的に経験した困りごと・購買阻害状況
※設問文:生成AIを使って商品・サービスを検討した際に、以下のような経験をしたことはありますか。あてはまるものをすべてお選びください。
※回答形式:複数回答
※対象者:購買・意思決定時にAI利用経験を有する15歳から69歳の男女、n=3,948
3.AIに任せたい範囲は、商品・サービスや購買段階によって異なる
AIは幅広い商品・サービスにおいて、情報収集や比較検討の段階を中心に活用されています。
食品・飲料や日用品・消耗品では、商品・サービスに関する情報収集での利用が目立つ一方、家電・デジタル機器、電気・ガス、不動産・住宅などでは、候補を絞り込む比較検討での活用が目立ちました。
AI利用経験者は、購買行動のすべてをAIに一律で任せるのではなく、商品・サービスや購買段階に応じて、AIを活用する範囲を選択していることが確認できました。
図表3:AIを活用する購買行動フェーズ
※設問文:商品・サービスを購入・利用する際、どのステップで生成AIを活用しますか。それぞれの商品・サービスカテゴリについてあてはまるものをすべてお選びください。
※回答形式:複数回答
※対象者:前設問で選択したカテゴリに基づくn数
4.購入までAIに任せるには、「生活者がコントロールできる仕組み」が重要
商品の購入や契約までAIに自動で任せることには、慎重な人が多く、比較的任せやすい日用品・食品の再購入でも、「任せてもよい」と答えた人は約4割でした。一方で、事前に設定した金額を超える場合に本人の承認を求める、購入後一定期間は無条件でキャンセルできるといった仕組みがあれば、いずれも約4割程度が「任せられる範囲が広がる」と回答しています。AIに任せる範囲を広げるうえでは、自動化を進めるだけでなく、生活者自身が最終的に判断・管理できる仕組みを設けることが重要だと考えられます。
図表4:AIに購入まで任せるためのセーフガード条件
※設問文:生成AIがあなたに代わって自動的に購入・契約・更新などの手続きを行う場合、以下の商品・サービスについて、どのくらいの金額までであれば任せてもよいと思いますか。/生成AIがあなたに代わって「自動的に購入・契約・更新などの手続きを行う」際に、以下の仕組みがあることで、任せられる範囲は変わりますか。
※回答形式:単一回答
※対象者:AI利用経験を有する15歳から69歳の男女、n=3,948
【本調査からの示唆】AI時代の購買は、「利用」から「委任」へ
NTTデータ
コンサルティング事業本部コンサルティング事業部
シニアディレクター 岸岡勝正
今回の調査で注目すべきは、AI利用の広がりそのものではなく、生活者がAIに「何を、どこまで、どんな条件で任せるか」を選び始めていることです。AIの提案を採用した経験やAIを使った購入・申し込みは着実に増える一方、購入そのものをAIに自動で任せることには依然として慎重な人が多くみられます。ただし、「一定金額を超える場合は本人が承認する」「一定期間は取り消せる」といった仕組みがあれば、AIに任せられる範囲が広がると答えた人は約4割に上ります。
今後、AIが企業のシステムやサービスとつながり、あらかじめ定めた条件や権限のもとで、比較から予約・購入までを支援する場面が増えると考えています。その際の中心となるものは「ここまではAIに任せ、ここからは人が判断する」という条件付きの委任です。
一方、AIの回答と企業の公式情報の食い違いや、AIから申し込み・購入へ移る際の不便さは、実際に購入や契約の中止につながっています。企業に求められるのは、新たなAI接点を追加することではなく、AIと既存のWebサイト・店舗・窓口をつなぎ直すことです。そのためには、商品・サービス情報をAIが正確に理解できる形に整備するとともに、予約や購入などの業務・システムをAI経由の行動に対応させ、AIが利用できるデータや実行できる範囲を明確にする必要があります。さらに、顧客の反応を継続的な改善につなげる仕組みも重要です。生活者がAIにどこまで任せたいかを見極め、その範囲から段階的につないでいくことが、安心してAIに任せられる領域を広げる基盤になります。
AIによって情報収集や比較の手間が小さくなるほど、企業には「どう見せるか」以上に、「実際にどのような価値が提供できるか」が問われます。AIを前提として、価値を創り、届け、改善し続ける仕組みを構築できるか。それが、AI時代における企業競争力の重要な要素になると考えています。
今後について
NTTデータは、AIが生活者や企業活動に与える影響を継続的に把握するため、本調査を定期的に実施します。調査結果を蓄積・分析し、AI利用経験者の情報収集、比較検討、意思決定、購買行動における変化を捉えていきます。また、AIとWebサイト、店舗、窓口などのお客さま接点をどのようにつなぐべきかを分析し、生活者がAIに任せたい範囲に応じた購買体験やマーケティング施策の設計に活用できる知見を企業へ提供します。
さらに、業界有識者とのウェビナーや業界別ディスカッションなどを通じ、AI時代における生活者行動の変化を継続的に分析・発信します。「生活者変化×AI」を軸としたソートリーダーシップ(Thought Leadership)強化を図るとともに、企業のマーケティング戦略や購買体験設計の高度化に貢献していきます。
本調査のサマリは以下のリンクよりダウンロード可能です。
詳細な分析内容・全量版レポートについては、下記のお問い合わせ先までご連絡ください。
(調査サマリのダウンロードはこちら)
サマリ版 GenAI 生活者インサイトレポート2026 ISSUE02.pdf(PDF:1.9MB)
<参考>
調査実施概要
| 項目 | 内容 |
| 調査名 | GenAI生活者インサイトレポート2026 ISSUE02 |
| 調査目的 | GenAI生活者の検討プロセス・意思決定・購買における行動の構造把握と、GenAI生活者の実態把握 |
| 調査対象 | AIの利用経験を有する全国の15歳から69歳の男女 |
| 有効回答数 | 3,948人 |
| 調査地域 | 全国 |
| 調査方法 | オンライン定量調査 |
| 調査期間 | 2026年8月28日~2026年8月31日 |
| 調査主体 | 株式会社NTTデータ |
| 割付条件 | 性別・年代により均等割付 |
| 前回調査 | 2026年3月、1,429人 |
※本調査におけるAIの定義
本調査におけるAIとは、ChatGPT等の生成AIサービス、AIチャットボット、AI検索サービスなど、利用者からの入力に対して回答、要約、比較、提案などを行うサービスを指します。
※「AI利用経験」の定義
これまでに一度でも生成AIを利用したことがある人を指します。
注釈
- 「ChatGPT」は、OpenAIの登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
コンサルティング事業本部
コンサルティング事業部
カスタマー&マーケティングユニット
岸岡、大辻、緒方
E-mail:cnsl_cm_research@hml.nttdata.co.jp