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システム提供にとどまらず、製薬業界全体の変革へ。医療・ヘルスケアデータを活用し、医療のレベルを引き上げる

新薬開発の長期化や高コスト化などの課題に直面し、大きな転換期を迎えている製薬業界。これらの課題は、製薬企業1社だけで解決できるものではなく、多様なステークホルダーをつなぎ、業界全体で新たな仕組みをつくることが求められています。こうした中、NTTデータの製薬事業部では、製薬企業や医療機関、行政など複数のステークホルダーをつなぎながら、業界全体の変革に挑んでいます。今回は、製薬事業部の成長を牽引してきた葉山と、医療・ヘルスケアデータの活用事業を推進している関根にインタビュー。業界の課題、NTTデータの価値、そして製薬業界出身者のキャリアの可能性について聞きました。

目次

Profileこの記事に登場する人

Project プロジェクトの意義

業界横断で挑む、製薬業界の課題解決

創薬コスト増加や治験の長期化といった製薬業界の共通課題に対し、NTTデータは公共基盤分野や金融分野で培った中立性と信頼を強みとし、業界の共通基盤づくりを推進しています。

医療ビッグデータが新薬開発を加速させる

治験の長期化や候補患者探索の難しさといった課題に対し、NTTデータはRWDやAIを活用した医療データ基盤を構築。創薬の加速と患者への早期治療機会の提供を目指しています。

製薬業界経験者が大きな価値を持つ

製薬業界で培った業務理解は、業界課題を解決する大きな武器になります。NTTデータでは、企業の枠組みを超えた変革やグローバルな取り組みにも挑戦できます。

なぜNTTデータは製薬業界の変革に挑めるのか

NTTデータの製薬事業部は、製薬企業を中心としたヘルスケア業界のお客様に対し、IT・デジタルを活用した経営変革を支援している組織です。従来のシステム開発や運用にとどまらず、データやデジタル技術を活用した新たな価値創出にも取り組み、製薬業界やヘルスケア業界の発展、より良い医療の実現に貢献することをミッションとしています。

NTTデータと製薬業界の関わりは、決して最近始まったものではありません。医薬品メーカーと卸をつなぐ情報基盤であるJD-NETなど、業界インフラに関わる取り組みは長く続いてきました。

こう語るのは、2017年から製薬業界のアカウントマネージャーとしてビジネスの拡大をリードしてきた葉山です。当時、DXという言葉に象徴されるように、ITは情報部門のための手段にとどまらず、業務や経営を変革する重要な武器になりつつありました。

しかし、製薬業界向けのビジネスには特有の難しさがありました。製薬業界は、広義には製造業でありながら、一般的なものづくりとは異なり、薬の候補となる化合物を見出し、安全性や有効性を確認し、承認を得るプロセスに大きな価値があります。専門性が高く、業務理解のあるパートナーでなければ、深い相談にはつながりにくい領域なのです。

この高いハードルを乗り越えるにはどうすべきか。そこでNTTデータが力を入れたのが、製薬業界経験者の採用でした。葉山は振り返ります。

ITのスキルを持った人財と、製薬業界の業務リテラシーを持つ人財がタッグを組んで動くことで、お客様との会話が変わっていきました。業務の話が通じる人がいて、同時にITの提案ができる人もいる。そうした体制が、信頼につながっていきました。

その一方で、葉山たちは製薬業界の経営課題を踏まえた上で、あるべき姿をフォーサイトとして定義し、対外的に発信。「NTTデータは、ITだけのベンダーではない。製薬業界のことを理解している存在だ」。そのような認知が広がる中で、業界全体の課題についてお客様と対話できるような関係性を築いていきました。

こうした課題は、製薬企業1社だけで解決できるものではありません。医療機関、行政、アカデミア、製薬企業をつなぎ、非競争領域で共通の仕組みをつくる必要があります。葉山は、そこにNTTデータの強みがあると話します。

公共や金融の領域で、NTTデータはさまざまな共通プラットフォームを担ってきました。そこで培ったセキュリティや品質、中立性への信頼があります。複数の製薬企業や業界プレイヤーが共通で使う仕組みを誰に任せるかとなった時に、NTTデータなら安心だと期待いただけることは多いですね。

医療データ活用は、製薬業界をどのように変えていくのか

創薬コストの増加、薬価制度の変化、グローバル競争の激化など、製薬企業は多くの経営課題に直面しています。関根は、現在の業界状況について次のように語ります。

AIなどの技術により薬の候補を見つけるプロセス自体は進化していますが、医薬品は人の身体に直接影響を与えるため、安全性や有効性などを確認する治験には依然として時間がかかります。さらに、医療費抑制の流れやグローバルな制度変化も、製薬企業の経営判断を難しくしています。

こうした中で製薬事業部は、研究開発、生産、品質保証、サプライチェーン、営業・マーケティングなどのバリューチェーン全体を対象に、ERP、AI、クラウド、データ活用基盤などを提供しています。

そしてNTTデータが業界横断の立場から取り組むテーマの一つが、医療データの活用です。関根が中心的に関わってきた医療ビッグデータ事業では、医療機関から提供いただいたデータを適切に活用し、製薬企業などに新たな価値を提供することを目指しています。

具体的な取り組みは既に進行しています。NTTデータは、大学病院や製薬企業と共同で、実臨床で蓄積されるリアルワールドデータ(RWD)と、AIの大規模言語モデルを活用し、治験候補患者抽出の精度および抽出プロセスの効率を検証する研究を開始しました。

新薬開発では、治験そのものに長い時間がかかるだけでなく、治験に参加できる候補患者を見つけるまでにも大きな時間を要します。治験候補患者をより早く見つけるサービスの社会実装が進めば、新薬開発が加速するでしょう。

この取り組みは、関根自身の言葉を借りれば「まだ3合目」です。しかし、病院との信頼関係やネットワーク、技術的な手応えは着実に積み上がっています。治験候補患者を早く見つけられるようになれば、患者はより早く治療機会にアクセスできるようになり、ドラッグラグやドラッグロスといった社会課題の解決にもつながる可能性があります。

こうした取り組みによって治験期間の短縮化といった成果が生まれ、国の政策とも連動してくれば、今後数年で一気に社会は変わっていけると確信しています。

「3合目」と表現しながらも、関根は確かな手応えと変化の予兆を感じ取っています。請負型のシステム開発にとどまらず、サービスの提供主体者として業界課題に向き合う。そこに、NTTデータの製薬事業部ならではの醍醐味があります。

製薬業界経験者はNTTデータでどのようなキャリアを描けるのか

NTTデータが製薬業界の変革に挑む上で、大きな力になっているのが製薬業界出身者の存在です。基礎研究、臨床開発、薬事、生産、品質保証、サプライチェーン、営業・マーケティング、メディカル。どの領域であっても、現場で培った業務理解は、業界の課題を正しく捉えるための強力な武器になります。

私たちの事業では、お客様の要求をくみ取り、こちらから能動的に提案する姿勢が欠かせません。だからこそ、業務の本質をわかっている人の経験が活かせます。

葉山はこのように語りながらも、「入社時点でITスキルは必須ではありません」と付け加えます。ITスキルは入社後に身につけることが可能であり、さらに突き詰めていえば、新しい技術や考え方を常に学び続けることが必要な世界だからです。

ただし、発足から長い歴史を持つ事業部ではないため、決して成熟した組織ではないことは伝えておきたいですね。ですが、自分の活躍によって組織が成長したという手応えを感じたい方、自身の存在感を発揮したい方には魅力的な環境だと思います。

今後、NTTデータの製薬事業部が目指すのは、グローバルに事業を展開する日系製薬企業にとって、日本で最も信頼されるパートナーになること。そして、外資系製薬企業に対しては、日本市場の実情を踏まえた事業成長支援を行うことです。葉山は今後の展望をこう語ります。

NTTデータは日本企業という印象が強いかもしれませんが、実態としてはグローバル企業です。各地域が連携しながら、製薬企業のグローバルな変革を支えられる状態をつくっていきたいですね。

一方で関根は、製薬業界出身者がNTTデータに加わる魅力を「グローバルな仕事に関われる可能性」「社会全体にインパクトを与える構想を、ビジネスとして実現できる環境」と語ります。業界や分野をまたいで新たな仕組みをつくるスケールの大きな仕事に挑めることは、NTTデータの製薬事業部だからこそ得られる経験です。

企業の枠を超えて、製薬業界をより良くしたい。患者により良い医療を届けたい。そうした想いを持つ人にとって、NTTデータの製薬事業部は、業界全体の変革に挑める場所です。製薬業界で培った知見を、ITとデジタルの力で、より大きな価値へと変えていく。その挑戦に加わってくれる仲間を、私たちは強く求めています。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです