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20,000ユーザーが利用する IP電話システムの未来を想像しよう

2003年から国内でサービスが開始され、いまや多くの企業が導入しているIP電話システム。NTTデータの社内でも現在、国内20,000ユーザーが利用するIP電話システムが運用されています。今回は、ビジネスソリューション事業本部 ネットワークソリューション事業部でこの大規模システムの次期システム構想に東奔西走する伊藤勇磨をご紹介します。中途入社から2年で基幹システムの主担当を担う伊藤が、ネットワークエンジニアとしてNTTデータで働く醍醐味を語ります。

目次

30歳を機に考えた、ネットワークエンジニアの”次のキャリア”

伊藤 勇磨
ビジネスソリューション事業本部
ネットワークソリューション事業部
サービスイノベーション統括部
サービスイノベーション担当

2019年4月、NTTデータに入社した伊藤。前職は大手メーカーでネットワークエンジニアとして、ネットワーク構築やファイアウォールなどのセキュリティアライアンス、IP電話サーバ構築などを手がけていました。当時は担当する案件の規模が小さく、ルータの設定変更や単純な機器交換などが業務の多くを占めていました。そんななか、ごくまれに大規模な案件のメンバーに選抜される機会に巡り合います。その時のことを伊藤は次のように振り返ります。

「普段の設定関連の業務と違って、複数名のメンバーが携わる年単位のプロジェクトを経験でき、大規模案件はやりがいがあっておもしろいなと思ったんです。そのときの私は作業員の一人でしたが、いつかはプロジェクトを回していく立場になりたいという憧れもできました」

30歳の節目を迎える年、伊藤が転職先として選んだのはNTTデータでした。決め手は、これまで培ってきた現場での経験を活かし、上流工程を担えるポジションを任せてもらえる点だったといいます。転職先としては、通信キャリアやソリューションプロバイダなども候補にありました。しかし、プロジェクトの規模や業務を通して得られるやりがいなどを加味したうえで、憧れていたダイナミックなことに挑戦できる場所だと感じたのがNTTデータだったそうです。

伊藤が配属されたのは、ビジネスソリューション事業本部 ネットワークソリューション事業部。NTTデータの中でもネットワークの専門家が集まる事業部で、個別のお客様を支援する他事業部のプロジェクトと協働して、主にネットワーク機器やサーバ機器の設計構築をはじめ、お客様のITインフラ環境の整備等を担っています。ネットワークソリューション事業部のお客様となるのは、大手飲料メーカーや大手コンビニエンスストアなど国内有数の大規模なITインフラを持つ企業ばかりです。

そのようななか、伊藤が担当することになったのは、次期IP電話システムの検討を手がけるプロジェクトでした。

「メインの担当は次期IP電話システムのプロジェクトですが、ネットワーク技術の専門家としてそれ以外の業務も担当しています。当事業部は他分野、他事業部のネットワーク技術支援をするのですが、例えば以前は公共分野のとあるプロジェクトをサポートしました。重大なトラブルになりそうななかでの技術支援要請で、私を含め5~10名くらいが緊急支援に参加しました。幸い2週間程度で問題を解決することができ、信頼を獲得できた出来事でした」

専門部隊として横断的に支援を行う、ネットワークソリューション事業部。活躍する社員はそれぞれ専門分野を持っており、専門家として様々なプロジェクトのサポートも行います。

次期システムの主担当として、ゼロからイチを生み出す葛藤を楽しむ

NTTデータのIP電話システムは、およそ20,000ユーザーが利用する大規模なシステム。現在、伊藤のほか上長2名、ビジネスパートナーさん8名で、システムの維持・運用をしながら次期システムへの更改に向けたソリューションの検証・検討を行っています。

企業で導入されているIP電話システムは、昨今、オンプレミスからクラウドへの移行が増えています。しかし、社員数や拠点数が多い大企業の場合、クラウドへの移行はそう簡単にはできません。電話番号を変更せずに使用するための仕組みづくりや、セキュリティの問題など課題は山積しています。

次期IP電話システムのプロジェクトの開始当初、検討会の議題集めに苦労したという伊藤。うまくいけばNTTデータの新たなプロダクトとしてリリースできる可能性を秘めているからこそ、頭を悩ませる日々が続いたそうです。利用者目線、ビジネス目線を取り入れるのはもちろん、さらにそこに未来志向の視点も取り入れ挑んでいく。ゼロからイチを生み出す困難が立ちはだかります。

「現在のNTTデータのIP電話システムは、オンプレミスの環境でつくり込まれています。例えば、管理ポータル画面で電話番号を新たに払い出す機能があるのですが、世の中にあるサービスには同様の機能がありません。しかしユーザーからは、機能がなくなると不便になってしまうため機能を残してして欲しいといった声を多数いただきました。そこでAPIを活用したシステムの繋ぎ込みにより従来の機能を維持するといったことも検討する必要があります。未来的な設計思考だけでなく、こうしたユーザーの声を細かく検討することも大切だと考えています」

ニューノーマルな時代になり、オフィスにおける電話の在り方が見直されようとしている今、次期IP電話システムに求められるものも変化しつつあります。ユーザーによって異なる利用環境をどのように効率的に実現していくのか。伊藤は社内の関係各所に地道にヒアリングを行い、少しずつ人を巻き込みながら検討を進めています。

上司からは、『次期システムは、伊藤くんのシステムだから』といわれました(笑)。上司は現在のIP電話システムの導入時から携わった方で、システムを熟知している人なんです。そんな立場になって欲しいと言われているのだと思います。期待されているうれしさ反面、責任重大ですね」

合言葉は「未来がどうなるか、想像しよう」

ネットワークソリューション事業部には、折にふれて語られる合言葉があります。それが「未来がどうなるか、想像しよう」です。これは事業部長が常々発信している言葉でもあります。これまでの技術だけにこだわらず、頭を柔らかくして10年先の未来を見据えたシステムを検討しよう、という意味で、私たちの行動の指標になっています。

「次期IPシステムの構想を託されたとき、事業部長に『かっこいいシステムにしてね』と言われたんですよ(笑)。かっこいいって何だろう?と今でも試行錯誤しています。先日の検討会議では、次期IP電話システムとMana PlaS(ITインフラを可視化するツール)と連携しては、といった話があがっていました。事業部長は自ら新しいアイデアを出してくれますし、私たちのアイデアも気軽に聞いてくれるんです」

伊藤が仕事で大切にしているのは「できる検討は、やり尽くすこと」。現在携わっている次期IPシステムの構想検討でも、ソリューションやデバイス、サービスの利用者や営業の視点に立った機能の検討など、様々なアイデアを徹底的に出し尽くそうとしています。ともすればゴールを見失いそうになることもありますが、“検討していないことはない”というところまで、深く突き詰めることが重要なのだと日々体感しています。

伊藤は、業務以外の取り組みにも活動的です。そのひとつが、事業部で行われている「ニューノーマルとはなにか」を考えるハッカソン。リモートワークが一般化した現在、課題として挙げられている社員同士のコミュニケーション不足を解消するため、バーチャルオフィスのツールにも注目しています。なかでもいま取り組んでいるのが、様々なツールの活用。アバターを作成し、会議室ごとに集まれるツールや直感的なテーブルセッティングに特徴のあるツールを活用し、オンラインミーティングやリモート飲み会で利用しているそうです。

「事業部長の言う『かっこいい』を求めたときに、今後世の中がどう変わっていくかを知り、これから新しく出てくるものをキャッチアップできる力が欠かせないと思っています。常にアンテナを立てられる人になりたいですね」

入社2年で、プロジェクトの中心人物として活躍する伊藤は、とても頼もしく見えました。どのようなIP電話システムが誕生するのか、伊藤のこれからに期待しましょう。

【参考】ビジネスソリューション事業本部とは?

伊藤の所属するネットワークソリューション事業部は、NTTデータのなかのビジネスソリューション事業本部に属しています。ビジネスソリューション事業本部は、デジタル変革のためのソリューションやサービスによって、お客様の事業発展を支えるミッションを担う全社横断組織です。さまざまな業界のお客様に対して、ビジネス観点と磨き上げたソリューションで課題解決にアプローチし、お客様と共に、経営環境にイノベーションを起こします。

<参考>
無線LANおまかせサービス
・閉域ネットワークサービス「Connecure(コネキュア)
ワンタイムパスワード認証サービス
・社内ITインフラ運用サービス「Mana PlaS

※掲載記事の内容は、取材当時のものです