人事制度・育成
人財育成方針
当社グループの教育・育成の原点は、社員が自発的に目標を持って「学び成長したい」と考えることと、社員の多様な成長目標に応えられる多様な育成・キャリアパスの提供です。高度な専門性と変化への対応力を有するプロフェッショナル人財やグローバルで活躍できる人財の育成に注力しています。
生成AI人財育成
お客さまのバリューチェーンの変革に注力するとともに、生成AIを活用した抜本的な業務効率の向上やイノベーションの促進、企業文化の醸成等社内バリューチェーンの変革を推進するため、Global AI Officeを中心に、生成AI人財育成に取り組んでいます。生成AI人財育成として、全社員向けの基礎知識を有するレベル(Whitebelt)から、生成AIを活用したプロジェクトで価値提供できるレベル(Yellowbelt、Greenbelt)、プロジェクトをリードし後進を育成するレベル(Blackbelt)までのレベル設定に応じた人財像と育成ロードマップを描き、グローバル全体で研修を実施しています。その結果、2026年度末の目標であった生成AI実践人財(Yellowbelt以上のレベル)3万人の育成を、2年前倒しの2024年度末に達成し、2025年度末には6万人に達する見込みです。2027年度末までに全社員20万人が生成AI実践人財となることをめざし、さらなる育成を推進しています。
生成AI人財育成体系
コンサルティング力強化・エンジニアリング力強化の取り組み
顧客成果創出の最大化に向け、「提言・実装・成果」モデルの実現をめざして人財育成を進めており、Foresight起点のコンサルティング力及びエンジニアリング力の強化を行っています。
コンサルティング力強化では、コンサルティング人財の育成として、方法論(Foresight Design Method)の整備や研修プログラムの開発・実施により、営業・開発に従事する社員のリスキルを進め、2024年度は1,550人がトレーニングを受講し、2025年度までに3,000人の育成をめざしています。現在、国内グループ全体では3,050人以上がコンサルタントとして活躍しています。
エンジニアリング力強化では、お客さまのビジネスニーズを理解した上で、ITシステムの要件から最適なアーキテクチャをデザインできるITアーキテクト人財700名の育成を推進しており、「アーキテクチャ構築力」「品質保証プロセス構築力」「レジリエンス」の3つの力を強化しています。また、エンジニアのエンゲージメントを向上させるために、技術力を競い切磋琢磨する「技術コンテスト」や、エンジニア同士のつながりや情報共有を促進するコミュニティ、社内のトップエンジニアからのアドバイスを受けられる「アーキテクト塾」等、エンジニアが持続的に働き成長できる環境を創出していきます。
グローバルマーケットで活躍できる人財の育成
NTTデータグループ社、NTTデータ、NTT DATA, Inc.(国内)では、海外事業の急速な拡大に伴い、市場や競争環境の変化に応じて柔軟に活躍することのできる人財の育成を進めています。
日本国内で採用した人財に対して、グローバルマーケットで活躍できる人財の育成を目的としたプログラムを各階層に展開しています。2024年度からグローバルな実務経験を有する社員の育成によりフォーカスし、若手社員をトレーニーとして海外に派遣するヤングトレーニー施策や、将来の経営幹部育成を目的としたプログラムである“NTT University”、Global Leadership Program(GLP)、欧米大学でのMBA取得を支援する海外留学研修制度等への参加を通じて、社員がグローバル対応力を強化できる多様な「場」を提供しています。
GLPはグローバルに活躍できる経営幹部人財の育成として、全世界のグループ会社合同で、次世代を担う経営幹部を育成するため、2009年から継続実施しています。GLPでは、グローバル/ローカル両面の戦略に対する課題を検討し、その両面からOne NTT DATAを実現するためには何が必要か、何をすべきかを自分ごととして考えることを目的としています。
また、2024年度より新たな人事施策として開始したヤングトレーニー施策は、20代後半~30代前半の若手社員を原則一年間、海外のトレーニーポストに派遣し、現地のビジネスを肌で感じながらトレーニングを積ませることで将来のグローバル人財を育成する施策です。本施策により、2025年度は24名のトレーニーを海外各地に派遣予定です。ヤングトレーニー施策では帰国後も本人の適正や希望を考慮しながら継続してグローバル業務に従事させることで、将来グローバルに活躍できる若手・中堅層の人財プールの形成・拡大をめざします。
世界70カ国・地域以上に広がる社員の多様性と個性とを尊重し合える育成の場を実現することは、当社グループのダイナミズムそのものであると考えています。
グローバル人財の育成フレーム
経営人財の育成
NTTデータグループ社、NTTデータ、NTT DATA, Inc.(国内)では、変化の激しい環境においても経営を牽引するグループ経営人財の中長期的な育成に多角的に取り組んでいます。
グループ経営課題の解決に直接取り組むスタッフ業務へのジョブアサイン・グローバル事業へのジョブアサイン、体系的な経営関係知識の獲得と社外リレーション構築を目的とした外部セミナー・研修等への派遣、現役の役員との対話により経営哲学を学ぶ機会の提供(役員塾)、NTT持株会社が主催する「グループ経営人材を排出する取り組み“NTT University”」への参加等、幅広い施策を通じて、意欲と能力を兼ね備えた次世代の経営人財を育成しています。これまでの取り組みの成果として、現在組織長等タレントプールに所属する日本人人財は約110人となっています。
また、海外人財についても、これらの経営人財育成プログラムへのインテグレーションを進め、NTTデータグループが主催するGLPに参加した当社グループの海外人財は、すでに382人となりました(2024年度のGLP新規修了者は32人)。海外幹部のサクセッションマネジメントはこれらの人財を基本的な母集団として外部機関のアセスメントを活用しながら実施しています。
今後も当社グループの持続的経営を支える経営人財の育成をグローバルに高度化していく予定です。
経営人財管理の全体像
研修体系
NTTデータグループ社、NTTデータ、NTT DATA, Inc.(国内)では、ビジネスパーソンとしての総合能力(ジェネラリティ)向上とプロフェッショナルとしての専門性(スペシャリティ)向上の2つの視点から、社員の役職や業務に応じて必要な研修を適切なタイミングで受講できる環境を整えています。総合能力育成としては、事業環境やテクノロジーの変化に応じて進化を続けており、2024年度の「新入社員研修」では、業務遂行に必要なスキルの育成に加え、コンサルティング要素のロジカルシンキング・ドキュメンテーションのカリキュラムを強化しました。2025年度はさらに、ビジネス企画演習等を通じた実践型演習を強化しています。
また、各階層別研修では、自律した人財に成長していくために必要なマインド・能力の基盤を形成するためのプログラムと、各階層に求められる水準の能力を獲得するプログラムを強化しています。
人財育成体系
専門性育成に関しては、NTTデータグループ社、NTTデータ、NTT DATA, Inc.(国内)、国内グループ会社において、社員が高度な専門性と変化対応力を有するプロフェッショナル人財となることを目的に、当社グループにおけるめざすべき人財像や成長の道筋を示し、その専門性とレベルを認定する制度として「プロフェッショナルCDP(Career Development Program)」を2003年以降、20年以上にわたり運用しています。「プロフェッショナルCDP」は、若手社員から役員までの一人ひとりの自律的な成長を支援するもので、「プロがプロを育てる」という思想に基づき、所属組織のタテの関係性のみでなく、組織を越えた専門性のカテゴリによるヨコ、ナナメで育成しあう仕組みとして機能しています。また、海外でも米国グループ会社が行っている「NTT DATA Learning Certification Institute(NLCI)」等の取り組みにより、専門性の認定を行っています。
プロフェッショナルCDPは、事業環境、テクノロジーの変化に応じて進化を続けています。
2019年度には「ビジネスディベロッパ」、「データサイエンティスト」、2020年度にはITスペシャリストの専門分野に「クラウド」を追加、2021年度にはデジタルビジネスを牽引する人財として「デジタルビジネスマネージャ」、エンドユーザー視点で新たな価値を提案する「サービスデザイナ」、プロジェクトマネージャの新たな区分として「アジャイル」を追加、2022年度には「ITサービスマネージャ」に顧客価値向上の観点を追加しています。
プロフェッショナルCDPの人財タイプ
自律的なキャリア構築を進める専門性に応じた多様なキャリアパス
社員の有する多様なスキルのさらなる発揮にあたって、社員一人ひとりが専門性に応じた多様なキャリアパスを実現する制度を整えています。
NTTデータグループ社、NTTデータ、NTT DATA, Inc.(国内)では、Advanced Professional(ADP)制度を2018年12月に創設し、卓越した知見を持った旬のビジネスを牽引する即戦力人財を外部からも獲得できるようにしました。本制度は、内部登用も可能としており、2025年7月1日時点で、内部登用4人、社外採用7人の計11人が認定を受けています。加えて、2019年10月にはスペシャリストのキャリアパスを実現するTechnical Grade(TG)制度を創設しました。本制度は2025年7月1日時点で、333人が認定を受けています。2020年7月には社員の多様な強みの発揮による価値創出を最大限に引き出すために、その職務が生み出す価値をベースとしたジョブ型雇用制度であるFlexible Grade(FG)制度を創設し、2022年7月より管理職すべてに適用しました。
社員一人ひとりの能力と成果を正当に評価し、優秀な人財を年次や年齢によらず積極的に登用できる柔軟な人事制度によって、人的資本の最大化を図っています。
キャリアパス体系
自律的なキャリア構築の支援
自律的なキャリア構築については、社員自らがキャリアビジョンを描き、実現に向けて「自律的に学び、成長したい」と考えることを原点として、社員の成長が会社の成長につながり、会社の成長が社員の更なる成長機会提供へとつながる「成長の好循環」を通じて、お客さまや社会への高い価値提供を実現することを掲げています。
従来、直属上司とのコミュニケーションの中で社員自身のキャリア像のすり合わせを行っていましたが、さらなる自律的キャリア構築を促す取り組みとして、2023年度から従来の取り組みに加え、より上位の上長と社員とのキャリア面談を導入し、社員が描く中長期的なキャリアビジョンを把握し、ありたい姿の実現に向けた行動の支援を実施しています。(2024年度の一般社員のキャリア面談実施率95.4%)
自律的キャリア形成のプラットフォーム
また、キャリア相談窓口も複数用意しており、社外のキャリアコンサルタントへの相談機会に加え、2024年度から社内のキャリア有識者に気軽な相談ができるキャリアメンタリングを提供しています。さらに、「今持つ専門性の進化」及び「新たな専門性の獲得」を通じて、成長した各自の総合力の発揮による多様な価値創出をめざすことを目的としたデュアルキャリアプログラム(社内兼業)等のキャリア形成支援を強化しています。
社員に挑戦機会を提供し、多様な働き方で多様な人財が活躍できる会社、会社の成長とともに社員一人ひとりが自分のめざす目標に向かって成長を感じられる会社、この会社で働きたい・働き続けたいと思ってもらえる魅力ある会社を実現していきます。
定年退職者の再雇用の促進
NTTデータグループ社、NTTデータ、NTT DATA, Inc.(国内)、一部の国内グループ会社では、定年退職後の再雇用を希望する社員に対し、「マイスター制度」(職務経験、職務遂行能力及び知識・技能を活用し自律的・主体的な業務遂行や、後進への助言・サポート等を行い一定の成果・業績を上げるフルタイム勤務・月給制)、「キャリアスタッフ制度」(定型的な業務をベースに、フルタイム勤務以外にショートタイム勤務や週3~4日勤務等が選択可能な時給制)を導入し、65歳まで働き続けられる環境を整備しています。
2021年4月からは、66歳以降についても、当社グループ要件に該当し雇用延長を希望する社員に対し70歳まで働き続けられる「雇用継続制度」を導入しています。
人事マネジメント(評価の仕組み)
NTTデータグループ社、NTTデータ、NTT DATA, Inc.(国内)では、社員の雇用形態にかかわらず、成果・業績・行動を重視した処遇体系を整えています。社員それぞれが期待される「ビジョンの実践」と「プロフェッショナリティの向上」を発揮し、「成果・業績」を上げることを社員の行動スタイルとして定着させています。
人事評価については、一人ひとりが上司と面談をして個人目標を定め、その成果に対する評価を行うほか、複数の評価者による評価も実施する等、多様な側面から透明性のある評価が全社員に実施されるよう努めています。上司との個別面談は「目標設定面談(期首)」「目標振返り面談(中間)」「目標振返り面談(期末)」「行動・業績評価フィードバック面談(5月ごろ)」と年4回の機会を設けており、全社員対象に実施しています。「目標設定面談(期首)」では、当該年度の目標等について上司と部下が認識を合わせ、上司からアドバイスなどをしています。「目標振返り面談(中間)」「目標振返り面談(期末)」「行動・業績評価フィードバック面談」では、達成した成果・業績と目標達成のプロセスを上司と部下が一緒に振り返り、さらなる改善と成長に向けたアドバイスと動機づけを行っています。
契約社員についても業務達成度等を報酬に反映させる仕組みを導入しているほか、長期にわたり活躍できる人財と判断した場合は、正社員として採用しています。