グローバル調査レポート「コーポレートバンキング展望2022」を公開 ~産業や企業ごとに異なる期待に応えるバンキングテクノロジが今後の鍵~

お知らせ

2022年3月31日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は2022年3月31日、世界のコーポレートバンキングに関する動向をまとめた調査レポート「コーポレートバンキング展望2022」を公開します。海外グループ会社とともに世界12カ国の金融機関と企業を対象として調査を実施し、その結果を取りまとめました。
世界でポストコロナやESGに向けた動きが加速するなか、企業のバンキングサービスに対するニーズは大きく変化しています。これに対応すべく金融機関もテクノロジに投資していますが、企業がバンキングサービスに求めるものは産業や企業ごとに異なり、金融機関にはそのような多様なニーズに応じて細やかな対応が必要であることが、本グローバル調査により明らかになりました。とりわけサステナビリティ関連で、企業は金融機関に対してより多くのテクノロジ投資を求めていることも分かりました。

調査について

実施した調査は以下の通りです。

  • 期間:2021年11月~12月
  • 対象国:12カ国(日本、米国、英国、ドイツ、イタリア、スペイン、タイ、シンガポール、インドネシア、フィリピン、ブラジル、メキシコ)
  • 金融機関:年間収益が100億ドル超の金融機関でバンキング/ファイナンス部署のシニア意思決定者を務める330人(うち日本は30人)に調査しました
  • 企業:年間売上高が10億ドル超の企業でファイナンス/財務のシニア意思決定者を務める550人(うち日本は50人)に調査しました

調査レポートについて

調査レポートでは、主に以下4点を明らかにしています。

  • 企業は、金融機関との関係において、従来の人同士のコミュニケーションではなく、APIなどを介したシステムでのやり取りをますます好んでいる
  • 金融機関によるテクノロジ投資について、ポータルの合理化など世界的に広がりをみせている分野がある一方で、どの新技術に投資するかについては地域差がある
  • 金融機関がどの分野に投資するべきかという点について、金融機関と企業の間で期待度に最も大きなギャップがある分野は、サステナビリティ関連である
  • 企業はともに、金融機関が各産業に関して持つ専門性に期待しているが、期待する内容は産業ごとに大きく異なる

概要は以下のとおりです。

・企業の金融機関とのやり取りの変化

企業は、金融機関との関係において、従来の人同士のコミュニケーションではなく、APIなどを介したシステムでのやり取りをますます好んでいます。商品・サービス内容を企業自らがオンラインで選べるセルフサービスへの期待が高まっているほか、金融機関のバンキングサービスの環境と自社システムを連動させたいという要望も増えつつあります。企業は、取引のスピード・柔軟性の向上に加え、オペレーションの合理化、AI(人工知能)やRPA(ロボティックプロセスオートメーション)導入によるメリットの享受を期待しています。

図1:金融機関とのやり取りに関する企業の需要(チャネル別)

図1:金融機関とのやり取りに関する企業の需要(チャネル別)

・金融機関によるテクノロジ投資の重点分野

いま世界の金融機関が取り組んでいることは、主に、(1)ポータルの合理化や統合、(2)商品提供に際しての顧客システムとの連動、(3)新技術への投資による既存顧客へのサービスの改善、(4)財務面での迅速な意思決定へのデータの活用、の4点です。そのうち、(1)ポータルの合理化・統合については、金融機関の85%が取り組み中と答えています。(3)新技術への投資による既存顧客へのサービスの改善については、オープンバンキング・AI・RPAが、金融機関が投資している分野のトップ3です。

図2:金融機関によるバンキングテクノロジ投資の優先分野(全体)

図2:金融機関によるバンキングテクノロジ投資の優先分野(全体)

もっとも、こうした優先度については地域別に大きな違いがあります。例えばAPACの金融機関は、全般に投資意欲が強いなか、他地域に比べAIやRPAへの投資に重きを置いています。

図3:金融機関によるバンキングテクノロジ投資の優先分野(地域別)

図3:金融機関によるバンキングテクノロジ投資の優先分野(地域別)

・金融機関の投資と企業ニーズのミスマッチ

金融機関による投資の優先度と企業の期待の間には、ギャップがあります。最もギャップが大きいのは、サステナビリティ関連の商品・サービスの提供についてです。企業は金融機関がいま投資している以上に、サステナビリティ関連に多く投資することを求めています。背景には、サステナビリティの確保やESGの導入について世界中で規制が強化されていることや、世間からのプレッシャーが高まっていることがあります。企業はまた、オムニチャネル拡大に向けても、金融機関さらなる投資を行うことを求めています。

図4:金融機関の投資と企業ニーズのミスマッチ

図4:金融機関の投資と企業ニーズのミスマッチ

・産業ごとに異なるバンキングテクノロジに対する企業ニーズ

企業が金融機関に求めるバンキングサービスは、各産業部門で違いがあります。本調査では、(1)ビジネスサービス・プロフェッショナルサービス、(2)建設・不動産、(3)エネルギー・石油/ガス・ユーティリティ、(4)IT・テクノロジ・通信、(5)製造業、(6)生命科学・ヘルスケア、(7)メディア・レジャー・エンターテインメント、(8)流通・運輸、(9)小売、の9つの産業部門ごとに満たされていない企業ニーズを調べ、「財務・キャッシュマネジメント」と「サプライチェーン金融」の二つの観点で、各産業と全産業平均を比較しています。

レポートのダウンロードについて

調査結果のレポート(日本語版)は、こちらからダウンロード可能です。
日本語版:https://www.nttdata.com/jp/ja/-/media/nttdatajapan/files/news/information/2022/033100/033100-01.pdf
英語版:https://uk.nttdata.com/insights/reports/corporate-banking-outlook-2022

本件に関するお問い合わせ先

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