Green Software Foundationがソフトウェア利用時の炭素排出量を比較評価するスコア「Software Carbon Intensity」の1.0版をリリース

お知らせ

2022年12月2日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)が加盟するGreen Software Foundation注1(以下GSF)は、Software Carbon Intensity(SCI)の1.0版をリリースしました。NTTデータはGSFのSteering Member(運営メンバー)として、他メンバー企業と協力しながら1.0版の作成に取り組みました。

1.Software Carbon Intensityとは

SCIは、ソフトウェア利用時の炭素排出を構成する電力利用やハードウェア利用、利用する電力の炭素強度をもとに、炭素排出量をスコアとして評価する手法です。SCIを活用することで、同じ機能を持つ複数のソフトウェアを使った際の環境負荷を比較できるほか、ソフトウェアに加えた改修が炭素排出量に与える影響を把握することができます。
α版は2021年12月に発表されており注2、以降、パブリックコメントを受け付けるとともに参加企業はわかりやすさや正確性といった観点で議論を重ねてきました。このたび発表された1.0版では地域ごとのマージナル電源注3の使用や、データセンター運用にかかるエネルギーの扱いが明記されるなど、曖昧性が排除され、実際のソフトウェア開発に適用できる指標になりました。
SCI 1.0版(英文)は以下のリンク(GitHub)からご覧ください。
https://grnsft.org/sci

2.その他のGSFの最新の実績について

GSFはSCI 1.0版をCOP27のタイミングに合わせて開催された同財団のイベント「Decarbonize Software」注4で発表しました。同イベントではSCI 1.0版のリリースを含むGSFの最新の実績が発表されています注5

表:Decarbonize SoftwareにおけるGSFの発表一覧

実績実績の詳細
1State of Green Software Report最大規模のグリーンソフトウェアに関する調査を実施中。調査結果を2023年に公開予定注6
2The Green Software Practitioner Courseソフトウェア開発従事者向けの無料オンラインコースを開設。ソフトウェアの脱炭素に向けた知識共有を推進注7
3The Green Software Patterns Catalogオンライン・オープンソース統合データベース「The Green Software Patterns Catalog」を通してグリーンソフトウェア構築の模範を提供注8
4The Software Carbon Intensity (SCI) Specification v.1.0ソフトウェア排出量評価のための業界標準となりつつあるSCI仕様1.0版リリースを発表
5The Carbon Aware API & SDK (v.1.0)ハッカソン「Carbon Hack 22」を開催し、ソフトウェアによる炭素排出の削減に寄与するアプリ開発における課題特定と解決に貢献注9注10
6The Green Software Speakers Bureauグリーンソフトウェアに関する実務家の検索と講演予約を可能にした「Speakers Bureau」を開設し、ソフトウェアが環境に与える影響に係る議論を推進注11

今後の取り組み

NTTデータは、ITシステムの排出量削減の取り組みを加速させるため、開発中/運用中のシステムにSCIを適用してCO2排出量を可視化し、適切な削減手段を講じることを目指します。自社開発のITシステムに限らず、お客さまが利用中のITシステムに対してSCIを利用して排出量削減を可能にするコンサルティングサービスも提供していきます。また、引き続き加盟メンバーと協力しSCIを改善していくとともに、SCIだけでなくGSFで構築しているナレッジ集(The Green Software Patterns Catalog)や学習資材(The Green Software Practitioner Course)等も活用し、グリーンなITシステムを構築する体制を整えていきます。
NTTデータは引き続きSCIを始めソフトウェア領域における脱炭素の取り組みを積極的に啓発し、環境とICTが共存する持続可能な社会の実現に向けた取り組みをグローバルにけん引していきます。

NTT DATA Carbon-neutral Vision 2050

NTTデータは環境方針環境目標に基づき、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた新たなビジョンNTT DATA Carbon-neutral Vision 2050を策定し、取り組みを行っています。
NTTデータは2050年の社会のカーボンニュートラルに向け、Green Innovationを通じ、自社のサプライチェーンを通じた温室効果ガスの排出削減のみならず、お客さまや社会のグリーン化へ貢献をしていきます。2040年にScope1、2のカーボンニュートラル、2050年にScope1~3のネットゼロ実現を図ります。

注釈

  • 文章中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
グリーンイノベーション推進室
下垣、小林、井村、松原
TEL:050-5547-6914

技術革新統括本部
技術開発本部
濱野、末永
TEL:050-5546-9320