『エコロジーエクスプレス®』にて、米国INNOVEST社との提携による社会的責任投資(SRI)に関する情報提供開始

ニュースリリース/NTTデータ

2003年7月31日

株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ経営研究所

 (株)NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:浜口友一)、(株)NTTデータ経営研究所(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:若山 彰)は、NTTデータ経営研究所と提携関係にある米国INNOVEST社(本社:米国ニューヨーク、社長:Hewson Baltzell)と協力して、日本の機関投資家等に向け、社会的責任投資(SRI)情報である「社会格付けデータ」をNTTデータが運営するインターネットによる環境情報提供サービス『エコロジーエクスプレス』(URL https://www.ecologyexpress.jp/content/index.jsp)を通じて8/1から提供開始します。
*SRI(Social Responsibility Investment)とは
よりよい社会を作りあげるという考え方に基づき、収益性のみならず、環境や人権問題、社会や地域への貢献という観点から企業を評価・選別し、投資をすること
【背景】
 近年欧米において企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility:CSR)に関する規制強化が進んでおり、我が国でも関心が高まっています。イギリスやフランスでは、昨年より上場企業に対し、年次報告書のなかで環境および社会的活動に関する情報開示を義務付けています。また昨年10月にはEU加盟国全体としてCSRの導入を検討する諮問会議「マルチステークホルダーフォーラム」が設置されています。さらに、国際標準化機構(ISO)においても、本年よりCSRに関する標準化検討が始まっています。
 INNOVEST社では、同社が従来実施してきた環境格付けとは別に、社会的側面から企業の格付けを行うため新たなモデル「Intangible Value AssessmentTM :IVATM」を開発し、欧米企業約470社の格付けを行いました。欧米機関投資家による日本企業への投資に対する関心が高いことから、今後、環境格付けを実施済みの日本企業120社に対しても、社会格付けを行う予定です。
 既に格付けが終わっている欧米企業の格付けデータ、および今後実施する日本企業の格付けデータに関しては、『エコロジーエクスプレス』を通じて販売します。
*INNOVEST社について
 社会・環境面に特化した投資リサーチ機関であるINNOVEST社は、これまでにS&P500、FTSE350、日経225企業を中心に1200社以上の環境格付けを実施し、日・米・欧の金融機関に対して提供してきました。同社の環境格付けには、日本企業としてトヨタ自動車、東京電力、松下電器産業を始め日本の主要企業約120社が含まれています。

*CSR(Corporate Social Responsibility)とは
 日本語では「企業の社会的責任」と一般的に言われます。企業はこれまでにも、製品やサービスの提供、雇用の創出、税金の納付、メセナ活動など社会に対してさまざまな貢献を通して社会的責任を果たしてきました。最近では環境への配慮、積極的な情報開示、消費者保護、地域・社会活動への関与などが企業の社会的責任として求められるようになっています。
【特長】
 エコロジーエクスプレスSRI情報の特徴
  1. グローバルな視点での評価
    企業の社会的責任活動に関して、米国、欧州企業との比較が容易にでき、グローバルな視点での評価を把握できます。
  2. 業界毎の基準による評価
    業界内における相対的位置付けが把握できることにより、例えば金融業界と食品業界など提供するサービスや業態の異なる産業に属する企業同士の社会的責任に関して、同一基準で評価し、何れかの企業が優れているといった比較をする矛盾を回避できます。例えば、「製品の安全性(Product Safety)」という観点から食品業界と銀行業界を見た場合、食品業界においては原材料の産地や遺伝子組換物質の混入問題など、「食の安全性」に関する情報開示が問題になりますが、銀行業界においては「消費者保護」の観点から金融商品に関する適切な説明が行われているかということが問題になります。異なる尺度を必要とするA銀行とB食品の「製品の安全性」に関して、同一基準により優劣を判定することは矛盾があります。INNOVEST社の社会格付けでは、銀行業界、食品業界を分けて(実際には約60業種に分類)、それぞれの評価基準を設定して、業界内における企業の相対比較を行います。
  3. 詳細な14項目による個別の評価
    総合格付け評価以外に、「持続可能な活動のための企業統治(sustainable governance)」、「人的資本(human capital)」、「ステークホルダー資本(stakeholder capital)」「製品・サービス(Products/Services)」「新興市場戦略(Emerging Market)」に関する14項目に関する評価情報も提供されるため、各企業は他社に対する優劣項目を把握でき、国際競争力を高めるための具体的な改善に結び付けることができます。

【格付け方法】

 実際の格付けは、次のように行われます。まずINNOVEST社またはNTTデータ経営研究所の環境問題専門のコンサルタントが、各企業より提供される「持続可能性報告書」、「サステイナビリティ・レポート」「社会・環境報告書」などをもとに、「持続可能な活動のための企業統治(sustainable governance)」、「人的資本(human capital)」、「ステークホルダー資本(stakeholder capital)」「製品・サービス(Products/Services)」「新興市場戦略(Emerging Market)」の5つの視点から14項目に関する情報収集を行います。14項目のうち公開資料からは得られないデータに関しては、直接インタビューを行うなどによって補います。こうして集められる情報を元に、INNOVEST社において14項目に関してそれぞれ同一業界内における企業間比較による相対的評価を行います。次いで法規制動向や各種統計などを元に、各業界の特徴を勘案して14項目に対する重み付けを行い、最後に評価点を集計して業界内における相対評価としてAAA-CCCまでの7段階評価を行います。格付けを決定する前には、公平性を期すために得られた情報が正確であることを企業に対して確認を行っています。また格付け評価集計項目には含まれませんが、投資家が非倫理的と判断する活動を行う企業に投資することを回避するためのネガティブスクリーニングに関する情報も併せて提供します。


【今後について】
 今後、NTTデータ経営研究所では、INNOVEST社と協力して日本企業120社の社会格付けを実施する予定で、NTTデータが運営するエコロジーエクスプレスを通じて機関投資家などへの情報提供を行い、平成16年度に売上約5,000万円を目指します。

 ※『エコロジーエクスプレス』は、株式会社NTTデータの登録商標です。
 ※文中の商品名および会社名については、各社の商標または登録商標です。
 ※Intangible Value AssessmentTM およびIVATM はINNOVEST社の商標です。

参考資料
本件に関するお問い合わせ先
報道に関するお問い合わせ
株式会社NTTデータ
広報室 宗像
TEL:03-5546-8051
サービスに関するお問い合わせ
株式会社NTTデータ
公共ビジネス事業本部
環境・エネルギービジネスユニット
エコロジーエクスプレス カスタマサポート
TEL:0120-850257(フリーダイヤル)
E-mail:info@ecologyexpress.com
URL:https://www.ecologyexpress.jp/content/index.jsp

株式会社NTTデータ経営研究所 
i-community戦略センター
環境ナレッジサービス事業部 担当:服部
TEL:03-3511-5770
E-mail:hattorit@keieiken.co.jp