三井住友海上のIP電話ネットワークを構築 〜NTT東西の法人向けIP電話サービスを利用〜

ニュースリリース/NTTデータ

2003年10月30日

株式会社NTTデータ

 (株)NTTデータは、三井住友海上火災保険株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:植村裕之 以下、三井住友海上)の全国400拠点の電話網をIP網で統合したIP電話ネットワークを構築します。通話に関わる基本的な機能は、NTT東西の法人向けIP電話サービスにより提供されます。本年11月よりまず東京都23区を中心に移行作業を開始し、順次、三井住友海上で現在内線化されている大中規模拠点(約100拠点・電話機約17,000台)を対象にサービスを開始します。その他の拠点にも順次展開し、将来的にはすべての拠点の電話網をIP電話ネットワークで統一する予定です。

 三井住友海上では、電話ネットワークのIP化により、これまで年間で約25億円かかっていた通話コストを約3割削減できる見込みです。

【背景】
 NTTデータは、企業のコンピュータネットワーク構築に関して多くの実績とノウハウを保有しており、またIP電話については、本年6月に竣工した自社ビル(東京都品川区、NTT DATA品川ビル、愛称:アレア品川)内のネットワークへのIP電話の全面採用(約1,000台)や、本年9月には東京ガス向けのIP電話ネットワークでのIP電話稼働台数が1,200台を突破するなど、大規模な導入について実績を持っています。これらの経験・ノウハウを活かし、今回の三井住友海上のIP電話ネットワークを提供することとなりました。

【サービス概要】
 今回、三井住友海上向けに構築するIP電話ネットワークでは、NTT東西の法人向けIP電話サービスを利用します。内線電話に必要なPBX※1機能は、NTT東西のIPセントレックスサービス※2を利用することにより、PBXの保守など設備にかかるコストを削減します。各拠点を結ぶ回線には、NTT東西の光アクセス回線を使用し、ネットワーク全体の構築・運用・保守をNTTデータが管理して三井住友海上に提供します。さらに、番号ポータビリティ※3を活用することにより、三井住友海上ではIP電話移行に伴い番号変更などをする必要がなく、既存の電話番号のままで一般の顧客などからの着信を受けることが可能です。
 三井住友海上では、本ネットワークサービスの利用により、PBXなどの設備コストや、通話料金の削減などにより、内線・外線を含めこれまで年間で約25億円かかっていた通話コストを約3割削減します。

【IP電話ネットワークの特徴】
 今回構築するIP電話ネットワークの特徴は、以下のとおりです。
  1. 音声専用の高品質なネットワークを採用
     IPネットワークはデータ系の通信とは独立した音声専用のネットワークを構築し、品質およびセキュリティを保持します。
     各拠点には専用の光アクセス回線を導入。NTT東西のIP電話ネットワークに直収して、固定電話と同等のサービスレベルを実現します。

  2. 電話番号の継続利用が可能
     番号ポータビリティにより、現在使用している電話番号は、IP電話導入後も継続して使用することが可能です。

  3. 通話コストを大幅に削減
     本サービスでは、一般にIP電話の効果があるとされている市外通話料金を削減するだけではなく、企業での利用の大半を占める市内通話に対しても、安価な料金が適用されます。三井住友海上では、IPセントレックスサービスの利用によるPBXなどの設備費用の削減効果とあわせて、現状年間約25億円かかっている通話コストを約3割削減できる見込みです。

  4. トータルなソリューションとしての提供
     NTTデータは設備の保守や運用管理などを一括して請け負い、三井住友海上に提供します。

【今後の展開】
 三井住友海上へのIP電話サービスへの移行は、本年11月より東京23区でのサービス開始を皮切りに、順次、現在内線化されている大中規模拠点(約100拠点・電話機約17,000台)の移行を行い、将来的には全国約400拠点の電話機をすべてIP電話に置き換える予定です。
 NTTデータは、IP電話サービスを企業向けネットワーク構築における、ユーザニーズに応える魅力的なサービスとして位置づけており、特に金融機関向けのサービス提供については、今回の三井住友海上へのサービス提供のノウハウをもとに、本年度中に数社から数十億円の受注を目指します。

※1PBX … Private Branch eXchangeの略。構内交換機のことで、加入電話回線の数に対し必要な電話機の数が多い場合、電話線と内線電話機の間に設置して通話や接続を管理する装置で、代表電話着信や転送機能、内線通話機能などの各種機能を持っている。比較的規模の大きな企業などでは、各事業所ごとに設置されている。
※2 IPセントレックス … PBXの機能をVoIPでソフトウェア的に実現するシステム。通常、UNIXサーバ数台で構成され、複数の企業で共同利用するシェアードサービスとして複数の事業者より提供されている。コンシューマー向けのIP電話サービスが単純な発着信サービスであるのに対し、IPセントレックスはPBXが持っている代表着信、転送、保留、発信規制など企業で必要な数10種類のサービス機能を提供する。
※3番号ポータビリティ … 利用者が契約する電気通信事業者を変更しても、今まで使用していた電話番号を変更せずにそのまま使用できるようにするサービス。
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