Linux故障解析ツールの開発について 〜VA Linux社と共同開発、「リナックシデント(仮称)」として 平成16年度中に実用化の予定〜

ニュースリリース/NTTデータ

2004年5月 7日

株式会社NTTデータ

 (株)NTTデータは、オープンソースOSの代表であるLinux(リナックス)を活用したシステム運用およびサポートを強化するため、日本におけるLinuxのテクノロジーコンサルティングの第一人者であるVA Linux System Japan株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:上田哲也、以下VAリナックス)と共同し、Linuxを用いたシステムの故障解析ツール「リナックシデント(仮称)」を開発します。
 本ツールは、Linuxを活用したコンピュータ・システムの故障・障害時における確実な情報収集と解析を行うためのツールです。NTTデータのシステム・インテグレーションの実績・ノウハウとVAリナックスのOSS(Open Source Software)に関するハイレベルな技術により、平成16年度中の実用化を目指します。なお本ツールは、NTTデータが今後手掛けていくOSSを活用したシステム開発・運用への組み込みを予定しています。

【背景】
 OSSを活用したシステムの構築は、コンピュータのダウンサイジング化やIT投資のコスト削減の観点から、企業や公共団体などにおいてニーズが高まっています。NTTデータでは、OSSを活用したシステム構築の競争力強化のため、平成15年9月にOSSなどのシステム方式技術の研究開発を行う子会社であるNTTデータ先端技術(株)のOSDL※1参加や、平成15年12月にOSSノウハウ蓄積と展開を専門に行う組織としてオープンソースソフトウェアセンタ(以下、OSSC)をNTTデータに設置するなどの体制作りを進めています。またNTTデータ先端技術は平成12年よりWindowsシステムの故障解析ソリューションNaccident®(ナクシデント)を提供しており、故障解析についての高いノウハウを保持しています。
 VAリナックスは、特にLinuxカーネル※2において極めて高いノウハウ・技術力を有しており、NTTデータの強みである大規模システム構築におけるLinuxやOSSの活用において要求される、高い信頼性と可用性を実現するために同社の技術力は有効です。
 今回、リナックシデント(仮称)の共同開発により、Linuxシステムにおける障害発生時における確実な故障原因追求と再発防止対策が可能になります。Linuxシステムの信頼性がより強化されることとなり、エンタープライズLinuxシステムをより安心して使用できます。


【リナックシデント(仮称)の機能・特徴】
 リナックシデント(仮称)は、OSSを活用したシステムの故障時において、近年高い信頼性を持つUNIXをベースとしたオープンシステムに比べて弱いとされていた、ミドルウエア-OS-ハードウエア間の原因の切り分けや、デッドロックなどの問題解析を改善します。故障時の自動的な内部情報の全記録と内部情報の高度な分析を行って本質的な対策を可能にします。主な機能・特徴は以下のとおりです。

  1. 問題発生時に確実な情報収集を実現
     システムが同一の理由により停止するケースを何回も起こすわけには行きません。リナックシデント(仮称)は万が一の際や、想定外のケースであっても確実にOSやアプリケーション、ミドルウエアの情報をダンプ情報(障害発生時のメモリ内容などの情報をハードディスクなどに書き出したもの)として記録する仕組みを有しており、原因究明に迅速に着手することが可能です。


  2. 低コストで実現
     ダンプ情報収集機構は、専用のハードウエアや専用サーバを使わずソフトウエア的に実現します。そのため、システム構築時に最小限の投資で提供が可能です。


  3. アプリケーションを含む全情報を分析可能
     既存のダンプ情報収集機構では、デバイスドライバやカーネル内部の問題修正のみに対応した機構になっていました。リナックシデント(仮称)は、アプリケーションを含む全情報を記録可能にすることで、アプリケーション-ミドルウエア-OS-ハードウエアが複雑に絡み合う障害であっても、原因究明が可能です。


  4. 高度な解析技術者が迅速に分析できる解析ツール
     根本的な原因究明を行うために、故障やダウン発生時のダンプ情報の分析・解析を必要とします。この解析は、LinuxやOSSの内部構造を熟知したトップレベルの技術者でないと不可能です。
     これまでLinuxのダンプ分析は基本的なデバッグツールで行われていましたが、リナックシデント(仮称)は解析技術者が必要とする情報を明示的に表示することができます。高度な技術を有する解析技術者がリナックシデント(仮称)を活用することにより、より迅速に原因究明を行うことが可能です。


【今後の展開】
 NTTデータは、今後のOSSを活用したシステム構築において、大規模案件から中小規模案件まで、多様な形態のシステム構築に適合するように各種OSSを検証・組み合わせたオープンソースソリューション体系の構築し、リナックシデント(仮称)を適用した低コスト・高信頼性のシステム提供を行っていきます。


※1 OSDL … Open Source Development labsの略。Linux の成長とエンタープライズでの Linux 採用を促進することを目的として、2000年にIBM、HP、Computer Associates、インテル、およびNECを中心に設立。Linux開発者である Linus Torvalds氏も所属し、NPO(非営利団体)として米国や日本にある最先端のコンピューティングおよびテスト環境を世界中の開発者に提供している。2004年3月現在で、日米を中心とした38社がスポンサーとして参加している
※2 Linuxカーネル … 1991年にフィンランドのヘルシンキ大学の大学院生(当時)Linus Torvalds氏によって開発されたOSの中核部分。フリーソフトウエアとして公開され、全世界のボランティアの開発者によって改良が重ねられてきた。現在では、多くの企業が協力してエンタープライズシステムに対応した改良が行われている。2003年12月に、最新の安定化版がリリースされている。

* Linuxは Linus Torvalds氏の登録商標です。
* Naccident®は、NTTデータ先端技術(株)の登録商標です。
* その他文中に記載されている商品・サービス名は、それぞれ各社の登録商標または商標です。

【会社概要】
VA Linux Systems Japan
 VA Linux Systems Japan株式会社は Linuxとオープンソースを基盤に、ハイレベルなテクノロジーコンサルティングとソフトウェアソリューションを提供する企業です。2000年9月に設立され、Linuxカーネルを中心とした国内屈指の技術力とLinuxおよびオープンソースビジネスを牽引する中核企業として成長を続けています。
http://www.valinux.co.jp/

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