中国で、RFIDタグを利用した実証実験を開始 〜商品物流過程における有効性を検証〜

ニュースリリース/NTTデータ

2005年3月18日

株式会社NTTデータ

(株)NTTデータは、平成17年3月21日から中華人民共和国・北京市にて、中国の4大通信会社の一つであるChina Netcom Co.,Ltd(本社・北京、以下CNC)および中国でインターネットやe-コマースビジネスを広く展開するBeijing Sparkice Electronic Commerce Co., Ltd.,(本社・北京、以下Sparkice)と3社共同で商品物流過程におけるRFIDタグの有効性検証のための実証実験を開始します。
NTTデータは今回の実験を「IDキャリアサービス」の取り組みの一環として位置づけ、複数のプレイヤ間で情報共有が必要な業務(サービス)を、RFIDタグを利用した共同利用型サービスとして構築・提供するためのノウハウの獲得や中国市場でのRFIDビジネスのニーズや有効性を検証する予定です。

■ 実験の背景と目的
近年急激な経済成長を遂げている中国は、食品、衣料、工業製品などの大量生産国でもあります。中国の製造業者や生産者は、日々、大量の商品を生産しており、それらが卸業者や輸送業者、倉庫業者などを経て、小売店に流通して行く過程においては、入出荷作業や検品作業などが随時発生し、大変な稼働がかかっているという状況にあります。そのため、それぞれの作業を正確かつ効率的に進めたり、物の流れを効果的に管理するためのキーデバイスとしてRFIDが注目を集めています。
そこで、この度、NTTデータはCNCとSparkiceと共同で、中国の物流過程における作業の正確化および効率性の向上という観点で、RFIDタグの有効性を検証するため、実証実験を実施することになりました。

■ 実験期間と実験場所
期間 : 平成17年3月21日(月)〜3月25日(金)
場所 : 中華人民共和国 北京市

■ 実証実験の実施内容
「製造業」、「卸売業(倉庫・輸送業)」、「小売業」の3つの拠点を仮想的に設置し、その拠点間で商品(本実験では酒をサンプルとして利用)を流通させ、各拠点での入出荷作業や検品作業、商品のシュリンケージの有無や賞味期限チェックなどを実施します。さらに、消費者が商品を購入した後でも当該商品についての情報を参照できる仕組みを提供します。
具体的には、「ユビキタスIDセンター」が標準化を進めている「ucode技術」を利用したユビキタス・サービス・プラットフォームにて、「トレーサビリティ機能」「アクセス管理機能」「端末管理機能」を提供し、拠点間を流通する商品には個品単位で「商品登録」を行い、ucodeを格納したRFIDタグを貼付します。そして商品が、製造業者、卸業者と小売店にそれぞれ入出荷される時や、消費者に販売される時に、RFIDタグを読み取り、事前にデータベースに登録されている「流通予定情報」と自動的に情報照会を行うことで、出荷時との差分などをチェックします。これによって、作業の誤りや誤った商品の混入を防止します。
(中国IDキャリアサービス実証実験全体イメージを参照ください)

■ 各社の役割分担
今回の実験にあたって、NTTデータは実験システムの構築と技術実験の実施を、CNCグループはネットワークインフラとサーバ環境の提供を、Sparkiceは実験フィールドの提供と実験時の運用支援を行います。

NTTデータは中国におけるRFIDを利用したビジネス展開に向けたマーケットリサーチなどを実施するとともに、「ユビキタス・サービス・プラットフォーム」および「ユビキタス・ソリューション」によるソリューションの提供を順次進めます。さらに、ユビキタス分野における各種標準化の推進や、センサーネットワーキング等の将来技術へも積極的に取り組み、ユビキタス環境の実現に貢献していきます。


(参考)CNC社、Sparkice社 会社概要および用語解説
中国IDキャリアサービス実証実験全体イメージ
本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報室 龍
TEL:03-5546-8051