Open Cloud社との共同研究を実施 〜JAIN(TM) SLEEを利用し、高性能かつ耐障害性のあるCAMプラットフォームを構築〜

ニュースリリース/NTTデータ

2005年6月27日

株式会社NTTデータ

(株)NTTデータは、ユビキタス・サービス・プラットフォームの一つであるCAM(コンテクスト・アウェアネス・マネジメント)プラットフォームの適用領域拡大とユビキタス環境に対応したサービスプラットフォーム構築を目指して、Open Cloud社(ニュージーランド)との共同研究を行いました。具体的にはOpen Cloud社がリードする、テレコム用アプリケーションを開発するための仕様であるJAINTM SLEEに関する最新情報の入手や仕様策定への貢献と共に、Open Cloud社が提供する最新のJAIN SLEE準拠アプリケーションサーバ(Rhino)(ライノ)を実行環境としたCAMサービスプラットフォーム構築を実現しました。
今回の共同研究を通じて、NTTデータは高性能・耐障害性を実現するCAMプラットフォームを構築することが可能になり、スモールスタートからシステム規模拡大までコストの効率よい開発・運用と、高いサービスレベルを要求される様々なビジネス領域への対応を可能にしました。

【概要】
CAMとは、ネットワーク上に点在するさまざまな情報の変化を、システムが自動的に検知・認識し状況(コンテクスト)の変化と捉え、その状況に応じたサービスを提供するためのプラットフォームです。 例えば、どうしても連絡を取りたい相手の携帯電話に繋がらないとき、相手が通話可能状態になったことが分かって自動的に電話を掛けなおしてくれるサービスなどがあると便利ですが、このようなサービスを提供する場合、電話の状態(待機中、呼出中、通話中、圏外など)を環境情報として解釈し、状態が変化したらそれを自動的に検知して電話をかけ直させるアプリケーションを作動させるシステムを構築しなければなりません。
NTTデータのCAMプラットフォームでは、コンテクストの変化に応じて、他のサービスを連携させる機能だけでなく、携帯電話、固定電話やIP電話などの端末種別や通信方式にかかわらず、同じコンテクストを利用したサービスの構築が可能となります。そのため、サービス提供者に対し効率的かつ効果的なシステム構築を支援することができます。
NTTデータは以前からアダプターの仕組みとイベント処理に注力したJAIN SLEEの仕様をCAMプラットフォームの実行環境として親和性があると注目していたことから、今回、Open Cloud社と共同研究を行いました。

【研究成果】
従来の実行環境と比べてRhinoでは約5倍の処理性能向上を実現し、スケールアウトにより処理性能がさらに向上することを確認しました。この性能向上によって、小規模で新サービスを構築するスモールスタートから大規模案件に対応するためのシステム規模拡大まで、より少ないハードウエア投資と運用コストで、効率のよいサービスの提供が可能となります。
また、Rhinoが提供するフォールトトレラント*1機能による耐障害性がCAMでも実現されることを確認しました。このフォールトトレラント機能は、CAMサービスプラットフォームを自動的に多重化し、万一システムに何らかの障害が発生してもサービスを停止せずに継続提供できる仕組みを提供します。この耐障害性が高まることで、テレコミュニケーション分野や金融分野など高いサービスレベルが要求されるビジネス環境でもCAMを適用して容易に新サービスが構築できます。

【今後の展開】
NTTデータでは、実証実験等を通じ、CAMプラットフォームのより一層の機能拡充を目指します。具体的には、テレコミュニケーション分野だけでなく、エンタープライズや金融分野など様々なビジネス領域でCAMを利用した新しいサービスの提案を実施していきたいと考えています。

2005年6月27日より米国サンフランシスコで行われるThe 2005 JavaOne(SM) Conference In San Franciscoにて、Open Cloud社と共同で今回構築したCAMサービスプラットフォームを活用したデモ展示を行います。(展示会場Pod 1204番)


※JAINTM、JavaOne(SM)は米国Sun Microsystems, Inc.の米国およびその他の国における商標または登録商標です。Open CloudおよびRhinoはOpen Cloud社の登録商標です。その他は各社の商標または商標登録となります。

*1:フォールトトレラント機能
システムに障害が発生した場合に、被害や影響を最小限に抑える機能。



(参考)
本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報室 龍
TEL:03-5546-8051