災害派遣医療チームの効率的なマネジメントと被災患者の所在確認をITで支援 〜9月1日 総合防災訓練において、実証実験を実施〜

ニュースリリース/NTTデータ

2006年8月28日

株式会社NTTデータ

 (株)NTTデータは、平成18年9月1日(金)に内閣府主導で実施される総合防災訓練において、災害派遣医療チーム(通称:DMAT)(注1)の活動状況をリアルタイムで把握し、適切かつ迅速な指揮やリソース配置を実現する『DMAT管理システム』の運用試験を実施するとともに、RFIDタグを用いて患者の搬送経路や所在を確認する『患者トラッキングシステム』の有効性を検証します。

【背 景】
昨年度、厚生労働省の政策のもと、災害時に被災地外の全国の病院から被災地支援のために参集し、患者の救助活動を実施する特別な医療支援チーム『DMAT』が発足しました。DMATは全国のDMAT指定病院の医師・看護師・調整員等で構成され、災害現場やSCU(注2)に全国から参集するため、指示系統の確立および各チームの動態管理が大きな課題となっています。
一方、被災現場から県外の医療機関等に広域搬送される患者について、容態や収容された医療機関等を把握する仕組みが確立されていないため、被災者の家族が患者の状況や居場所を迅速に知ることができません。
こうした課題を受け、NTTデータでは現行運用している厚生労働省の広域災害救急医療情報システム(通称:EMIS)(注3)のネットワークインフラをベースに、DMATの活動状況をリアルタイムで把握し、適切かつ迅速な指揮やリソース配置を実現する『DMAT管理システム』および、RFIDタグを用いて患者の搬送経路や所在を確認する『患者トラッキングシステム』の検証を行っています。
DMAT管理システムについては、昨年度のDMATの創設を契機とし、DMAT隊員の動きや関係機関の体制および運用に即し、EMISのサブシステム化という位置づけで検討を行ってきました。また、平成16年度の同総合防災訓練においては災害医療センターの指導のもとで患者トラッキングシステムの実証実験を実施し、その課題を踏まえ改良を加えた新システムを構築、実用化を見据えた取り組みを行っています。

(写真は平成16年度の訓練時の風景)
【写真】   【写真】
搬送用航空機に患者を収容   搬送用カルテに添付したRFIDタグに情報を登録

【実験の概要】
平成18年9月1日(金)に内閣府主導で実施される総合防災訓練において、『DMAT管理システム』と『患者トラッキングシステム』の2つの機能について、災害時を想定した運用性および有用性の検証を目的として運用試験および実証実験を行います。

1.日程
2006年9月1日(金)7:15〜17:00
2.場所
◆広域搬送拠点:入間基地/神戸空港/仙台空港等
入間基地と神戸空港や仙台空港間で実際にDMATチーム・患者を搬送します。
3.実施概要
  1. DMAT管理システム
    派遣要請を受けたDMATチームが携帯電話等を用いて自チームの活動状況(現在地や現場までの移動実績、現場状況、対応状況等)を随時登録します。各自治体および所管省庁はインターネットを通じてPC等で各チームの活動状況をリアルタイムに確認できるため、適切かつ迅速な指揮や最適なリソース配分を行うことが可能です。

    1. 実施内容
      • 各搬送拠点等に参集するDMAT隊員による活動状況登録
      • 省庁、医療機関等関係者によるDMAT活動状況の参照
      • 活動状況に応じたリソース配備の実施
    2. 検証内容
      [運用面]携帯端末による情報入力について運用上支障がないこと
      [操作性]端末操作が容易に行えること
      [機能面]EMISとの連動した運用が実現できること
  2. 患者トラッキングシステム
    RFIDタグを貼付した広域搬送用カルテを患者に取り付け、各搬送拠点(SCU・収容医 療機関等)において携帯端末(PDA等)やPCを用いた患者情報の登録、インターネット 経由での患者情報の送信を行うことで、患者の搬送経路を追跡すると共に、患者の所在や容 態をリアルタイムに管理できます。

    1. 実施内容
      • 広域搬送拠点および搬送先医療機関における患者受入/搬出時の情報登録
      • 災害医療関係者等による患者搬送状況の参照
    2. 検証内容
      [運用面]入力情報の妥当性の確認、運用フロー(ユースケース)の確認
      [操作性]迅速な情報入力が可能であること
      [機能面]通信不能な状況下でもデータ保存ができること、登録されたデータがインターネットを通じて参照できること

【今後について】
今後、DMAT管理システムの適用(支援側情報のIT化)により、効率的な情報伝達経路が確立されることで、災害時における適切な指揮および人員配置が実現されます。一方、患者トラッキングシステムの実用化(被災側情報のIT化)による迅速かつ適切な被災者の処置・搬送の実現を目指し、更なる改良を重ねてまいります。
さらに、上記の支援側と被災側の各情報を、全国の医療機関・搬送機関等を結んだEMISのネットワーク上で集約することで、災害医療関係者が統一的かつ効率的に利用できる災害時の総合的な情報基盤の確立を目指し、今後も継続して全国の災害医療を支える仕組みの拡充と安心して暮らせる社会の実現に取り組んでまいります。


注1 DMAT(Disaster Medical Assistance Team)
DMATとは、『災害の急性期(48時間以内)に活動できる機動性をもった、トレーニングを受けた医療チーム』のことであり、全国のDMAT指定病院の医師・看護師・調整員等で構成される。
注2 SCU(Staging Care Unit)
SCUとは、広域搬送拠点に設置する搬送患者待機のための臨時医療施設であり、症状安定化のための処置・広域搬送のトリアージ等が実施される。また、SCUの医療スタッフはDMAT等で構成される。
注3 EMIS(Emergency Medical Information System)
EMISとは、災害発生時の関係者への一斉連絡、被災地内外の医療機関の患者受入情報の集約・提供を実現するシステムで、厚生労働省からNTTデータが受託しており、1996年より開発・運用を行っている。



別紙1:DMAT管理システム概要図
別紙2:患者トラッキングシステム概要図


本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報室 岩内
TEL:03-5546-8051