NTTデータとオムロンヘルスケアが、「ネットヘルスケア事業」で業務提携「生活習慣改善支援アプリケーション」を共同開発 〜2008年4月よりASPで提供〜

ニュースリリース/NTTデータ

2007年10月25日

株式会社NTTデータ
オムロンヘルスケア株式会社

 株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:山下 徹、以下NTTデータ)とオムロンヘルスケア株式会社(本社:京都市右京区、代表取締役社長:赤星 慶一郎、以下オムロンヘルスケア)は、両社が保有するプロダクト、ノウハウを生かし、ITを活用した「ネットヘルスケア事業注1」について、業務提携することで合意しました。その一環として、昨今注目されている「メタボリックシンドローム注2」の改善支援を目的とした「生活習慣改善支援アプリケーション」の共同開発を行い、2008年4月からASP注3形態で提供します。

【背景】

 近年、内臓脂肪型肥満によってさまざまな生活習慣病が引き起こされやすくなった状態である「メタボリックシンドローム」への関心が高まっています。厚生労働省は、メタボリックシンドローム対策を医療制度改革の柱としており、また、「ヘルシー・カンパニー注4」の概念が定着する中で、多くの企業が社員の健康管理に積極的に取り組むなど、日本の様々なレベルにおいてメタボリックシンドローム対策を中心とした健康増進・疾病予防の取り組みが進められています。

【提携の骨子】

 ヘルスケア分野での取り組み実績が豊富なNTTデータとオムロンヘルスケアの両社は、戦略的な提携により、ITを活用した低価格・安全で効果の高い生活習慣改善支援システム・ツール群を開発・提供し、健康増進・疾病予防をサポートする事業を、個人・企業・医療保険者・健診機関・医療機関などを対象に展開していくことで合意しました。

 両社の役割は以下の通りです。

  1. NTTデータは、データベースなどのIT基盤を提供。
  2. オムロンヘルスケアは、通信機能付の健康機器(歩数計・体重体組成計・血圧計等)を提供。
  3. 両社のノウハウを活用して「生活習慣改善支援アプリケーション」を共同で開発・提供。
【図】

【「生活習慣改善支援アプリケーション」の特徴】

 今回共同開発する「生活習慣改善支援アプリケーション」は、個人・企業・医療保険者・健診機関・医療機関などが行う、様々な健康管理のシーンで活用できる設計になっており、2008年度から医療保険者に義務付けられる特定健診・特定保健指導の支援ツールとしても有効です。
 具体的には、被保険者・被扶養者は、個人用のホームページにて、生活習慣改善に関する目標設定や進捗度合いを管理したり、日々のバイタルデータ(歩数、体重、血圧データなど)を、インターネット経由でデータベースに簡単に保存、管理することができます。一方、保健師は、生活習慣改善支援対象者の日々の活動履歴の確認や面談などの指導記録に利用でき、企業や健保などのスタッフの人は、自組織内における保健指導の実施状況確認など、業務フローのシーンに合わせて利用することが可能です。本アプリケーションは、利用者一人当たり1,800円から8,000円程度(利用者数および商品の組み合わせによる)で、特定保健指導で定められたポイント制注5の算定支援ツールとして、また特定保健指導対象者以外にも幅広く適用することが可能な価格設定です。

 「生活習慣改善支援アプリケーション」は、以下の3つの要素で構成されます。

  1. 生活習慣改善プログラム
    健診データ、問診データや、通信機能付健康機器を通じて収集したデータを自動で分析し、個別利用者ごとにカスタマイズされた生活習慣改善のアドバイスを生成・提供します。
  2. インセンティブプログラム
    利用者が行う健康増進活動のモチベーションをポイントという形で具体的に提示することにより、健康増進活動の継続的実施を支援します。たとえば、通信機能付歩数計を通じ、毎日の歩数に応じてポイントを付与します。
  3. スタッフ支援機能
    企業・医療保険者・健診機関・医療機関などに従事する医療専門職・スタッフが、対象者の健康づくりの管理・アドバイス提供・レポート作成などの業務を効率的に実施することを支援します。

 本アプリケーションを共同開発するにあたり、NTTデータは「高セキュリティのデータ流通(通信・保管)技術」と「提供実績のあるインセンティブプログラムのノウハウ」を、オムロンヘルスケアは「健康機器活用ノウハウ」と「提供実績・効果エビデンス注6のある行動変容技術のノウハウ」を提供し、健康づくりが必要な利用者の行動変容を効率的に促す、安全で、ROI注7の高いものを目指します。

【今後の展開】

 本アプリケーションおよび両社が提供するIT基盤と通信機能付健康機器を、健康増進・疾病予防をサポートするツールとして2008年4月から医療保険者・健診機関を中心に展開を始め、2012年度に両社合計で利用者100万人、売上約50億円を見込んでいます。

注1 「ネットヘルスケア事業」とは、インターネットやIT機器を使い、簡便なデータ管理やデータに基づいた健康管理など、利用者個々人にとって身近な健康管理や健康増進・疾病予防を支援する事業のこと。
注2 「メタボリックシンドローム」とは、内臓脂肪型肥満をベースにして、高血圧、高血糖、脂質代謝異常(コレステロールや中性脂肪が多い状態)のうちの、いくつかの危険因子をあわせもった状態。
注3 「ASP ( Application Service Provider )」とは、アプリケーションソフトをインターネットを通じて顧客にレンタルする事業者のこと。利用者はWebブラウザなどを通じて、ASPのサーバに置かれたアプリケーションソフトを利用します。
注4 「ヘルシー・カンパニー」とは、経営コンサルタントのロバート・ローゼンが提唱した「健康な社員が収益性の高い会社を作る」というコンセプトのこと。
注5 「特定保健指導で定められたポイント制」とは、厚生労働省の「標準的な健診・保健指導プログラム」において「積極的支援」について導入されたもの。個別支援、電話、e-mailなどの指導方法に対してポイント数を定め、合計180ポイント以上の支援を実施することが必須とされています。
注6 オムロンヘルスケアの行動変容技術を活用した生活習慣改善プログラム「健康達人」は、累積60万人以上の利用実績があり、効果検証の結果について30以上の学会発表・報告を行っています。
注7 「ROI ( Return  of  Investment )」とは、投資に対する収益率や利益率や回収率といった、投資対効果を測定する指標で、ここでは疾病予防にかかる投資に対して医療費の適正化効果を意味します。

本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部 釜崎
TEL:03-5546-8051

オムロンヘルスケア株式会社
広報渉外部
飯島
TEL:075-322-9308
サービスに関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
ヘルスケアシステム事業本部
ヘルスケアイノベーションビジネスユニット
TEL:050-5546-2504


オムロンヘルスケア株式会社
経営戦略部
ネットヘルスケア推進グループ
TEL:03-3436-7086