NTTデータとアトリス、システム開発上流工程の方法論の開発で協業 〜オフショア開発拡大を見据えて2009年1月から開発案件に適用〜

ニュースリリース/NTTデータ

2008年8月26日

株式会社NTTデータ
株式会社アトリス

 株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区豊洲、代表取締役社長:山下 徹、以下、NTTデータ)と株式会社アトリス(本社:東京都世田谷区用賀、代表取締役:安光 正則、以下、アトリス)は、システム開発の初期段階においてお客様の要求を明確にし、確実にシステムに反映させるための一連の方法論の開発に向け、協業することで合意しました。NTTデータがこれまで確立している「MOYA®」(モヤ)および「Biz-Alive!®」(ビズアライブ)といった方法論の要素と、アトリスの方法論「PEXA® Methodology」(ペクサメソドロジー)の要素を統合し、システム開発の初期段階における一連の工程(上流工程)をより確実に行うための新しい方法論を開発します。

【概要】

 情報システムの開発において、お客様にとって望ましいシステムを予定通りの期間・コストで完成させるためには、システム開発の初期段階においてお客様の要求を確実に把握し、有効なシステム要件を明確にしたうえで、それを確実に設計に落とし込む工程、上流工程といわれる作業を的確に行うことが不可欠です。上流工程をオフショア開発で行う場合は特に、人間の勘や経験に頼るのではなくより論理的な手法が求められます。
 上流工程の品質を確保するには、以下の3つの要素を確実に遂行する必要があります。

  1. お客様の要求(特にお客様が抱える課題に隠れた真の要求)を抜け漏れなく吸い上げること。
  2. その要求の中でシステム化することにより業務改善に効果のあるものを見極めること。
  3. 要求を抜け漏れなく正確にシステム設計に落とし込むこと。

 NTTデータはこれまで開発プロセス変革の取り組みの中で、上記1の要素を確実に実行するための方法論として「MOYA」を、上記2を実行するための方法論として「Biz-Alive!」を開発してきました。アトリスは、上記3の方法論として「PEXA Methodology」を開発してきました。
 今回NTTデータとアトリスは、両社の方法論の要素を組み合わせ、上流工程の品質向上に必要な要素を統一された方法論で網羅することで、システムの品質に直結する上流工程の作業を確実に行い、お客様満足度の高いシステムの提供を目指します。

 2008年3月より、両社はパイロットプロジェクトにおいてその有効性を検証しており、有効性が認められたため今回の開発に合意しました。2009年1月の完成を目指して開発し、NTTデータ、アトリス両社とも開発案件に適用していく予定です。

【今後の展開について】

 NTTデータは、今後二年間で、中国、インドなどのオフショア開発案件の10%に適用し、より上流からのオフショア開発を実現することを目指します。また両社は、将来的には、協業の範囲を上流工程だけではなく、設計・製造といった下流工程にも広げていく予定です。具体的には、アトリスのPEXA Engine(ペクサエンジン)やPEXA Tools(ペクサツールズ)を利用することで、上流工程から下流工程まで一気通貫のサービス展開を目指します。

注 MOYAについて
 業務の大半がシステム化され、業務全体を把握しづらい現在、お客様が抱える課題の背後にある真の要求を明確にし、誰もが満足できるシステム作りを目指す、ビジネスモデリング方法論です。複数の視点から「ビジネスのあるべき姿(To-beモデル)」を導き、ビジネスとしっかり手を握り合う情報システムを実現します。

注 Biz-Alive!について
 現場の「事実」情報に基づき、情報化戦略の合理性を評価し、適正なKPI(重要業績評価指標)を明らかにするための方法論です。現場のプラクティスを活用して実効性を高めることにより、経営戦略とIT戦略を整合させます。対症療法になりがちなビジネスプロセスリエンジニアリングに組織戦略の視点と業務データの効果予測を組込みます。目的を見失いがちなデータ分析に、戦略視点からの仮説とスコープを提示します。

注 PEXA Methodologyについて
 アトリス独自のルール/チェックリストに基づき、UML/ユースケースでお客様の既存業務を可視化・分析することにより、業務プロセスのリエンジニアリングを可能にする業務プロセス分析手法です。

注 PEXA Engineについて
 業務コンテンツ定義(カタログ)を直接読み込み、解釈・動作させるフルJavaによる実行エンジンです。

注 PEXA Toolsについて
 PEXA Methodologyで導出される成果物の作成支援やタスク管理などの機能を提供するシステム開発ツール群です。

注 NTTデータについて
 株式会社NTTデータは、日本トップのシステムインテグレーション企業であり、大規模なシステムインテグレーションおよびネットワークサービスなどで多数の実績を有しています。

注 アトリスについて
 株式会社アトリスは、基幹系システムの設計・開発を手がけるシステムインテグレーション企業であり、元サン・マイクロシステムズのJavaインテグレーション部隊がスピンアウトして設立した、少数精鋭によるエンジニア集団です。

注 MOYA®は株式会社NTTデータの登録商標です。
注 Biz-Alive!®は株式会社NTTデータの登録商標です。
注 PEXA®は株式会社アトリスの登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部 高橋
TEL:03-5546-8051

株式会社アトリス
営業部 須田
TEL:03-5491-5125