「次世代ATMシステム」の共同検討・開発を開始 〜金融機関やベンダー共通のATM利用環境を構築〜

ニュースリリース/NTTデータ

2008年11月17日

株式会社NTTデータ

 株式会社NTTデータ(代表取締役社長:山下 徹、本社:東京都江東区、以下NTTデータ)は、沖電気工業株式会社(以下、OKI)、富士通株式会社(以下、富士通)とともに、金融機関のコスト軽減およびATMを利用されるお客さまの利便性向上を実現させるための「次世代ATMシステム」の検討・開発を開始しました。
 NTTデータが考える「次世代ATMシステム」は、ATMを顧客サービスの大きな戦略拠点として金融機関が活用できる新しい環境を、既存のATM設備を活かしつつ(注1)、また金融機関やATMベンダーの違いを意識しない共同利用型で構築するものです。これにより金融機関においては、ATMに関連するシステムコストを軽減させつつ、ATMを活用したさまざまなサービスをこれまでより迅速・容易に提供することが可能になります。
 NTTデータはこれまで、金融機関の勘定系や営業店端末の共同利用型システムや、決済インフラの共同利用型サービスを多数提供しており、これらの提供実績と豊富な経験をもとに、ATMシステムにも共同化の範囲を広げていきます。
 今後、「次世代ATMシステム」は2009年度中の完成を目指します。

【背景】

 現在、金融機関はATMを活用したさまざまなサービスをお客さまに提供していますが、そのサービスを支えるシステム維持と運用には多大なコストがかかっています。また、社会情勢にあわせたセキュリティー対策や新サービスの拡充・制度対応等の必要性は今後ますます求められると想定され、そのコストは金融機関にとって更に大きな負担になると考えられています。
 そこでNTTデータは、どの金融機関のATMにおいてもシステム的に共通化できる機能を集約し、将来的なサービスの拡張などに対して、迅速・柔軟な対応を可能にする金融機関共同利用型の「次世代ATMシステム」を構想いたしました。
 本システムを活用すれば、金融機関ごとに負担していたコストを軽減させることができると同時に、各種対応への迅速化も可能となり、ATMをご利用されるお客さまへの利便性を向上させることができます。
 構想の実現に向けた検討の結果、OKIと富士通が共同で開発を進めている次世代ATMソフトウエアのUNISONATM+TM(ユニゾンエーティーエムプラス)を「次世代ATMシステム」に採用することを決定いたしました。UNISONATM+は両社のノウハウと高い技術力を注入しているWebアーキテクチャーを採用したATMシステム向けソフトウエアであり、同ソフトウエアを活用することでNTTデータの目指す「次世代ATMシステム」を高いレベルで迅速に提供することが可能となると考えております。

【現行ATMシステムと次世代ATMシステムの違い】

【図】

現行ATMシステム

【図】

次世代ATMシステム

【各社の役割】

【図】

【「次世代ATMシステム」の内容と金融機関のメリット】

 実現を目指す「次世代ATMシステム」の内容と金融機関のメリットは以下のとおりです。

  1. アプリケーションの共通化によるコスト削減
    1. 金融機関共通で利用できるアプリケーションの開発
      現在、金融機関ごとに開発しているATM上で動作するアプリケーションに対して、金融機関共通で使用できるアプリケーションを開発いたします。結果、金融機関個別の開発・メンテナンスコストの軽減が見込めます。
    2. ATMベンダー共通のアプリケーションの開発
      複数ベンダーのATMを採用している金融機関においては、ATMごとにアプリケーションを開発しなければなりませんでしたが、アプリケーションをマルチベンダー化(複数ベンダーのATMでも差異なく動作)させることで、ATMベンダーごとの開発が不要となり、開発・メンテナンスコストの軽減が見込めます。
  2. Webによるメンテナンス性向上と顧客サービスの向上
    金融機関・ATMベンダー共通のアプリケーションを開発するために、Webアーキテクチャーを採用したシステム基盤を構築します。これにより、新しい技術・サービス・制度へのシステム的な対応を、センター側サーバーの更新・変更だけで行うことが可能(ATM1台ごとのインストール作業が不要)となり、メンテナンス性の向上が見込め、迅速なサービス展開が可能となります。
    また、ATM利用者にあわせた画面変更を容易に行うといった金融機関における顧客サービスの向上なども見込めます。
  3. ATM監視の共同化
    金融機関ごとのATM監視システムならびに監視業務運用を共同化することでシステムおよび人員の効率化を図ることができます。
  • OKI様からのエンドースメント
    今回の3社による「次世代ATMシステム」の共同検討・開発によって、金融機関の顧客サービスの戦略拠点として、ATMの活用がさらに進んでいくことを期待しております。
    また、金融機関のATMサービス拡充とあわせて、操作性の向上やサービス提供を迅速化できるなど、全国のATM利用者の利便性がより高まることを期待しております。
  • 富士通様からのエンドースメント
    ATMのアプリケーション標準化が市場から求められる中で、富士通・OKIが2007年12月に「次世代ATMのソフトウェア開発での提携」について発表しました。今般、NTTデータ様の参画により、業界標準アプリケーションの実現が、より強固なものとなり、標準化に拍車がかかるものと考えております。

(注1)一部の旧機種は対応できない場合があります。

注 UNISONATM+TMは、OKI・富士通の両社が共同開発を進めている次世代ATMソフトウェアの総称です。
注 その他、文中に記載されている商品・サービス名、および会社名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部 杉山
TEL:03-5546-8051
その他のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
金融システム事業本部
営業店システム営業部
ビジネス企画担当 武田・猪股
TEL:050-5546-2031