大規模データ処理基盤Hadoopのさらなる普及を目指しNTTデータと米国Cloudera社が協業

ニュースリリース/NTTデータ

2010年10月13日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータは、オープンソースの大規模データ処理基盤ソフトウエアHadoopの普及を加速するために、米国Cloudera社(クラウデラ)と協業を行うことで合意しました。

Hadoopは、大量データの処理・分析により、新しい領域のビジネスや新しい価値の創出に活用できるソフトウエアとして、金融分野やテレコム分野での採用が進んでいます。日本国内で複数のHadoopシステムの構築・運用の実績を有しているNTTデータと、Hadoopのディストリビューション(配布用パッケージ)および米国内でのサポートサービスや教育サービスを提供するCloudera社が協業することによって、日本およびアジア太平洋地域でのHadoopシステムのさらなる普及を目指します。

具体的には、NTTデータは、Hadoopのディストリビューション「Cloudera's Distribution for Hadoop」を日本国内向けに提供します。また、Cloudera社と共同で、NTTデータの「BizXaaS®注1Hadoop構築・運用ソリューション」のラインナップとして、Hadoopのミドルウェアサポートサービスや教育サービスを新たに提供します。さらに、技術開発や技術検証においても両社による共同の取り組みを行っていきます。

概要

オープンソースの分散処理基盤ソフトウエアHadoopは、大量データを整理・分析することで、新しい発見を生んだり、社会をより効率化したりするソフトウエアとして注目が集められています。NTTデータは、大規模データや大規模処理に対応するひとつの解としてHadoopの利用を推進し、これまでに数十台~千台のサーバーで構成したHadoopシステムをお客様に提供してきました。

Hadoopは、たとえば、購買データを柔軟に分析することで新しい商機を見いだしたり、移動体端末から収集される行動情報やセンサー情報を解析することによる社会動向の分析やシミュレーションなどに活用するシステムで活用されています。金融分野やテレコム分野での採用が広がる中で、NTTデータはHadoopの構築・運用に関する技術力をもとに、「BizXaaS Hadoop構築・運用ソリューション」を提供しています。

今回、米国内でHadoopに関わるソフトウエア製品やサポートサービスをリードするCloudera社と戦略的な協業を行い、共同でHadoopのプロモーション活動やサービス提供を行うとともに、「BizXaaS Hadoop構築・運用ソリューション」のサービス拡大を行います。NTTデータでは、本協業をもとに、既に提供を開始しているHadoopを活用したシステムインテグレーションサービスやコンサルティングサービスに加えて、Hadoopのミドルウェアサポートサービスや教育サービスを提供します。Hadoopのミドルウェアサービスでは、Hadoopだけでなく周辺ソフトウエアであるHive、Pig、Sqoop、Hueなどのソフトウエアも含めた高度なサポートサービスを展開します。また、教育サービスでは、開発者向けおよびシステム管理者向けの日本語による教育コースを展開します。

Cloudera社が開発・提供するHadoopディストリビューション「Cloudera's Distribution for Hadoop」は、オープンソースソフトウェアであるHadoopに加えて周辺のソフトウエアを組み合わせて構成されたものであり、効率的なHadoopの導入や構成を実現します。エンタープライズ用途で広く利用されており、Hadoopの利用シーンにおいて欠かせないものとなっています。NTTデータは、本協業にもとづき、Cloudera's Distribution for Hadoopを日本国内向けに提供します。

また、NTTデータとCloudera社は、高い信頼性が要求される業務システムや社会基盤システムでより安心してHadoopを活用できるための技術開発や技術検証を共同で行っていきます。

Cloudera社のCEO Mike Olson氏は、「金融、公共、テレコム、Web分野をはじめとする多くの企業において、増大するデータの分析ニーズが顕在化しており、Cloudera社が提供するプロダクトやサービスへのニーズも高まっています。今回、高品質なサービス提供において豊富な経験を持つNTTデータと戦略的な協業を行い、アジア太平洋地域に我々の活動を展開できることに大きな期待を寄せています」とコメントしています。

【図】

図:本協業について

  • 本協業は、日本時間の本日10月13日に米国・ニューヨークで開催されたHadoopのイベント『Hadoop World:NYC 2010』にて、当社 代表取締役常務執行役員 ソリューション&テクノロジーカンパニー長 CTO 山田 伸一とCloudera社 CEO Mike Olsonによる発表を行っています。

Hadoopについて

Hadoopはオープンソースの分散処理基盤ソフトウエアであり、広く一般に利用されているIAサーバーを活用し、その利用台数に応じて扱えるデータの規模や処理能力を拡張できる利便性の高い分散処理システムを構成できるようになります。従来、複数サーバーで1つの処理を行う場合、処理の分散や結果の集約、また分散処理の信頼性確保などについて、アプリケーションごとに個別の設計が必要でした。Hadoopでは、アプリケーション開発者はMapReduceフレームワークを用いて個々の分散制御を意識することなく、処理の分散化を実現できます。

Cloudera社について

米国Cloudera社は、Hadoopをベースとするソフトウエア「Cloudera's Distribution for Hadoop」「Cloudera Enterprise」を開発・提供するとともに、米国において金融、官公庁、Webサービスなどの業界向けにHadoopのミドルウェアサポートサービスや教育サービスを提供しています。Cloudera社には、Hadoopの開発を主導する開発者が所属しており、開発コミュニティに一定の影響力を持っています。Cloudera社が開発するHadoopのディストリビューション「Cloudera's Distribution for Hadoop」はエンタープライズ用途で最も広く利用されています。本社はカリフォルニア州パロアルトに置かれています。

注釈

  • 注1BizXaaS

    NTTデータのクラウドサービスのブランド名称。

  • 「BizXaaS」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

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