オープンソース統合運用管理ソフト「Hinemos®」のOpenFlow対応オプションの開発を開始 ~次世代ネットワーク技術「OpenFlow」への対応による一元的な仮想化基盤の運用管理を実現~

ニュースリリース/NTTデータ

2011年4月11日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータは、オープンソースの統合運用管理ソフトウエア「Hinemos®」(ヒネモス)の新たなオプション製品として、次世代ネットワーク制御技術「OpenFlow」に対応した新機能の開発を4月より開始します。

OpenFlowはネットワークを仮想化する技術で、従来の物理的なネットワーク機器を用いたシステムのように、システム構成を変更する際に機器の追加などが必要なく、ソフトウエアによる設定変更だけでネットワーク構成を変更できるようになります。サーバーの仮想化と組み合わせてより効率的にシステムを利用できる技術として注目されています。

一方、システムの運用者は従来のシステム運用作業に加えシステム構成の変更作業なども行うことになり、より高度で重要な役割が求められます。今回開発する機能では、OpenFlow技術を活用した仮想化ネットワークに対する管理機能をHinemosに搭載することにより、仮想化基盤環境におけるサーバーとネットワークの一元的な運用管理が可能となり、システム運用の作業負担を軽減します。

今回開発する機能はHinemosオプション製品の1つとして、2011年内の販売開始を予定しています。

背景

近年、企業内のシステムに対する要求として、仮想化技術やクラウドに代表されるように、ビジネスの変化や拡大に対する柔軟かつ迅速な対応が求められています。それに対するネットワーク分野での取り組みとして、次世代ネットワーク技術である「OpenFlow」が注目されています。

サーバー仮想化技術を使用したダイナミックなシステム構成変更に対するネットワーク構成・設定の追随を考えた場合、従来の物理的なネットワーク機器では、機器の追加・設置などのコストが発生していましたが、OpenFlow技術によってネットワークが仮想化されることにより、状況に応じた最適なネットワーク構成をソフトウエアによる設定変更のみで行えるようになります。

一方で、システム運用者の役割がより重要となり、システム利用状況の把握、仮想化サーバーの提供、ネットワーク構成の変更といった、従来の物理的に固定化されたシステム運用管理とは大きく異なる対応が求められます。各作業は、システム運用管理、仮想化サーバー管理、ネットワーク管理などの分野ごとの専用ソフトウエアに習熟し、使い分けて行う必要がありました。

本開発では、OpenFlow技術が持つ迅速性と柔軟性を最大限に発揮できるようにするため、システム運用者が一連の作業を一元的にHinemosのインターフェースを通して実施可能とするものです。具体的にはOpenFlow対応ネットワーク機器を管理する機能をHinemosに搭載し、Hinemosが持つシステム運用管理機能、仮想化サーバー管理機能を提供するHinemos VM管理オプションと合わせて利用できるようにします。これにより、新技術を活用した際の運用コストの増加抑制や削減だけでなく、サービスレベル維持のためのより迅速かつ柔軟な対応が可能となります。

仮想化に関するこれまでの取り組み

仮想化技術を活用した際のシステム運用における負荷軽減を目的として、Hinemosによる一元管理の実現に取り組んで来ました。

サーバー仮想化への対応として、Hinemos VM管理オプションを複数の仮想化ソフトウエアに対応して来ました。対応する仮想化基盤ソフトウエアとして、VMware版、Xen版、OracleVM版を提供していますが、新たにKVM版についても提供に向けて開発を進めております。

さらに昨年度の取り組みとして、ネットワーク仮想化への対応に向けOpenFlow技術に着目しました。OpenFlow技術が持つ可能性の調査や運用管理の現場で求められる機能について検証を重ね、実際にHinemos上にOpenFlow対応機器を管理する機能をプロトタイプ開発してきました。

【図】

図1:プロトタイプの画面サンプル

概要(特長)

提供時期

2011年内を予定

提供形態

Hinemosパートナー各社を通じて販売されるHinemosオプションサブスクリプション

価格

未定

主要機能(開発中のもので、実際の提供の際は変更の可能性があります。)

  • 仮想化ネットワーク構成のマップ表示機能

    OpenFlow技術や対応ネットワーク機器を用いて構成された仮想化ネットワークを、サーバーと合わせてグラフィカルなマップで表示できます。

  • 仮想化ネットワーク構成の設計・設定機能

    仮想化ネットワークにおけるL2/L3スイッチ、ロードバランサといった仮想化ネットワークノードの設定や、サーバー・ノード間の経路設定をマップ上でのドラッグ&ドロップなどの操作によって行えます。

  • OpenFlow対応ネットワーク機器に対する監視機能

    複数の仮想化ネットワークノードの基盤環境としての役割を担い、重要度の増したOpenFlow対応ネットワーク機器の監視を行えます。

  • Hinemosが持つ既存機能との連携

    Hinemosが持つシステム運用管理機能や、仮想化サーバー管理機能を提供するHinemos VM管理オプションとの連携をシームレスに行えることにより、すべてのオペレーションをHinemosの単一インターフェースから行えます。これにより、仮想環境やクラウド環境における柔軟かつ迅速なサービス提供を強力にサポートします。

Hinemos World 2011 ~Spring~

本取り組みについて、下記イベント内にて講演を行います。

Hinemos World 2011~spring~

テーマ

新世代ネットワーク技術がもたらす新クラウド環境

日時

2011年5月20日(金)10:30~17:00

会場

豊洲フロント2F(新INFORIUM内)

主催

NTTデータ

参加費

無料(事前登録制)

詳細は、以下のサイトにて公開しております。お申し込みを本日より受け付けます。

今後について

NTTデータでは、さまざまなシステム要件を満たしていくため、今後もHinemosの開発、提供を行い、Hinemosを一層普及させていきます。

NTTデータは、オプションの提供を含めたHinemosパートナープログラム全体として、年間3億円の売り上げを目指します。

注釈

  • 非営利組織「Open Networking Foundation(ONF)」により標準化が進められるネットワークを制御するためのソフトウェアインターフェース規格です。
  • 「Hinemos」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
高橋
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

Hinemosについてのお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
基盤システム事業本部
システム基盤サービスビジネスユニット
加納、谷越
TEL:050-5546-2496

OpenFlowへの取り組みについてのお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
技術開発本部
ITアーキテクチャ&セキュリティ技術センタ
磯部、永園
TEL:050-5546-2301