被災地復興支援に向けた社会インフラデータ活用基盤整備事業を実施 ~モバイル端末、M2M、MEMS技術を活用した人と機械が補完しあう「共創型クラウド」開発~

ニュースリリース/NTTデータ

2012年3月12日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータは、国立大学法人東北大学(以下:東北大学)、公立大学法人会津大学(以下:会津大学)と共同で、被災地復興支援を目的とした社会インフラデータ活用基盤整備事業を実施します。

この事業は、東日本大震災により広範囲にわたり甚大な被害を受けた社会インフラの早期復旧と復興を目的に、"人"と"機械"が補完しあう「共創型クラウド」注1の開発を行うものです。具体的には、モバイル端末やMEMS注2センサー、M2M注3技術を活用した各種社会インフラの点検調査データ収集と、収集した大規模データを地域コミュニティー、行政、専門技術者が連携して診断評価を行うことができる共創型クラウドを構築のうえ検証・評価を行います。なお、本事業は福島県を中心とする被災地区をフィールドに実施します。

背景

東日本大震災により、被災地域の道路や橋梁など社会インフラは甚大な被害を受けました。一年が経過しようとする現在においても復旧・復興に向けた取り組みが続くなか、被災地域に多数存在するインフラの情報収集を行う人的リソースが不足している問題があります。そこで、NTTデータは、東北大学、会津大学と共同で、ICTを活用した復興支援の検討を行ってきました。

今回、社会インフラの点検調査・診断評価を目的として、NTTデータのM2Mや橋梁モニタリングシステム「BRIMOS®」等のインフラ管理技術や、東北大学が有するMEMSセンサーの研究成果および会津大学の画像特徴抽出処理の研究や情報をリアルタイムに伝達・共有するメッセージングネットワークを用いた技術を組み合わせた社会インフラデータ活用基盤の整備事業を実施することとなりました。

なお、本事業は、経済産業省平成23年度第三次補正予算事業「IT融合による新産業創出のための研究開発事業注4」へ三者連名で応募を行い、採択をされています。

【図】

事業の概要

事業内容

1.ICTを活用した社会インフラデータ活用基盤整備

震災により、健全度が低下した多数の社会インフラ(道路、橋梁等重要構造物、ビル)に対し、限られた人的リソースでも、ICTを活用して社会インフラの点検・調査および評価を効率的に行うことができるしくみを構築します。

データ収集系
  • フィールド情報収集端末
  • 無線型橋梁データ収集装置(含:センサー開発)
  • 無線型ビル耐震データ収集装置(含:センサー開発)
  • 道路状態・環境情報収集装置
データ蓄積・解析評価系
  • 大規模データ解析処理
  • 画像解析処理(道路等)
  • インフラ損傷評価処理(橋梁、ビル)
情報共有・配信系
  • 放送波を用いた広域同時機器制御(IPDC)
  • 社会コミュニティー内の情報共有基盤(メッセージングネットワーク)

2.社会インフラデータ活用基盤を用いた新たなビジネスモデルの検証

社会インフラデータ活用基盤が提供する検証評価コミュニティー(NPO・地域ボランティア等)や専門家などさまざまな人々が協働する"場"(共創型クラウド)を活用し、インフラ管理のための情報収集や維持管理をコミュニティー全体で実施する取り組みについて検証評価を行います。M2Mにより自動的に収集されたデータやコミュニティーがモバイルツールにより収集したデータなど大量の情報を活用し、地域の活性化や新しいビジネスモデルの創出を志向します。

実施場所:福島県内

実施期間:平成24年3月~平成25年3月

各者の役割

NTTデータ

事業全体のとりまとめ、M2M、モバイル、大規模データの分析・解析技術、クラウド技術、「BRIMOS」をはじめとする施設管理ソリューション、放送波を用いた新たなプログラム伝送技術等を組み合わせ、社会インフラデータ活用基盤を構築します。

東北大学

MEMSセンサーの研究開発技術を活かし、試作型MEMSセンサー(振動センサー・加速度センサー)の開発を行います。開発したセンサーは橋梁および建築物(ビル等)の測定により検証します。

会津大学

社会インフラデータ活用基盤等が導入されるデータセンターを構築します。また、画像特徴抽出の研究ノウハウを活かし、収集した画像等から損傷個所の自動抽出を行います。さらに、メッセージングネットワーク技術により、コミュニティー内での効率的な情報共有を可能とする機能を開発します。

今後について

本事業成果は震災復興に活用すると共に、パッケージ化によりインフラクライシスに対するICT施策として国内外へ展開予定です。なお、共創型クラウドは、今回検証分野のみならず、他分野・他業界等と広く連携した「共創型まちづくり」を支えるM2Mクラウド基盤として拡充を予定しています。

M2Mに関する取り組みについて

NTTデータでは、2011年10月に"M2Mクラウド"に関するビジネスの事業開発を行う組織として、M2Mクラウド推進室を設置し、M2Mクラウドプラットフォームサービスの構築を進めています。多種多様な情報を集め、さらにそれらを繋ぎ、連動し、活用することで、付加価値を生み出し、ビッグデータの活用などの新たなサービスを創出や企業や生活者の「社会を支えるインフラ」を提供することを目指していきます。

注釈

  • 注1共創型クラウド

    NTTデータが提供する、M2M等で収集した大量データの整備や維持管理等をコミュニティー内の人々が協働して実施することを目的としたクラウド上の"場"

  • 注2MEMS

    機械要素部品、センサー、アクチュエーター、電子回路を一つのシリコン基板、ガラス基板、有機材料などの上に集積化したデバイスを指す

  • 注3M2M

    Machine to Machineの略。無線・有線網を利用し、遠隔の機器とITシステムの間で、人手を介さず行われる双方向通信サービスのこと

  • 注4IT融合による新産業創出のための研究開発事業

    経済産業省が、IT融合分野(エネルギー、医療・健康、農業、ロボット、自動車・交通等を想定)を中心に東北・被災地の復興さらには日本の復興につながる事業展開を支援する事業

  • 「BRIMOS」は日本国内におけるNTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
戸田
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
リージョナルビジネス事業本部
ホームランドセキュリティ担当
TEL:050-5546-2450