スマートフォンを用いた、テレビ放送とインターネットのコンテンツ連動サービスを提供

ニュースリリース/NTTデータ

2012年3月28日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータは、放送局などのメディア事業者向けに、スマートフォン・タブレット端末を用いてテレビ放送とインターネットのコンテンツの連動を可能にする「ダブルスクリーンサービス」を2012年度上半期より提供開始します。

当サービスでは、スマートフォン・タブレット端末のアプリを通してテレビ番組を撮影、録音すると、そのデータを当社データセンターで管理している特徴データと瞬時に照合して番組を特定し、番組の関連情報やWebサイト・SNSのリンクなどさまざまな情報をスマートフォン等の端末上に表示することができるようになります。

当サービスにより、スムーズに放送とインターネットを連携できるようになり、メディア事業者はさまざまなコンテンツの楽しみ方を視聴者に提供することができるようになります。

NTTデータは当サービスで2012年度中に20社導入を目指します。

背景と目的

スマートフォン・タブレット端末の普及や、動画共有サービスやVOD注1ストリーミングサービスの普及などによってコンテンツの視聴スタイルは変化してきています。一方的にテレビを視聴するのではなく、自分が見たい番組を"好きな時間に"、"好きな場所で"視聴したり、番組をみながらインターネットで情報検索するスタイル(=ながら視聴)が定番化しつつあります。このような状況から放送とインターネットを連携させるニーズはますます増加しています。

そこで、NTTデータは、NTTコミュニケーション科学基礎研究所注2が開発したFingerprint技術(FP)注3を用い、マルチデバイス間でのコンテンツを連動させる「ダブルスクリーンサービス」を開発しました。

概要

NTTデータが提供する「ダブルスクリーンサービス」は、マスタデータとして登録した特徴データと、スマートフォン・タブレット端末から抽出した探索用特徴データを瞬時に照合します。マスタデータについては、放送波を利用することで、リアルタイムに特徴データを生成することも可能です。NTTデータは、これら特徴データの抽出機能および照合機能を提供します。

サービス例としては以下の通りです。

放送波から特徴データを抽出し、リアルタイムにマスタデータを登録します。視聴者は、番組視聴時にスマートフォン・タブレット端末のアプリを起動します。端末に搭載されているカメラやマイク機能でテレビ番組の音声・映像を取得、自動的に特徴データを生成し、NTTデータにあるマスタデータと照合します。照合結果から番組関連情報(放送チャンネル、番組名、および放送時間等)を返却します。返却された情報をキーに関連した内容を指定し、スマートフォン・タブレット端末上に表示させます。(図2)

【図】

図1:ダブルスクリーンサービスのイメージ

【図】

図2:ダブルスクリーンサービス構築(例)

特長

「ダブルスクリーンサービス」は、Fingerprint技術によってデバイス連携を実現することで下記のメリットがあります。

  • リアルタイムでマスタデータを生成することが可能なため、生放送であっても利用することが出来ます。また、コンテンツそのもので連動させるため、タイムシフト視聴にも対応可能であり、番組編成情報に左右されません。
  • コンテンツの特徴データそのものでコンテンツを特定するため、オリジナルコンテンツに対する事前準備もしくはコンテンツ自体に手を加える必要がありません。
  • コンテンツを特定するために用いる特徴データは非可逆であり、元の素材に復元することは不可能であるため、オリジナル素材が流出する心配がありません。
  • スマートフォン・タブレット端末の通信機能を利用できるため、セットボックス等の追加機器を購入する必要がありません。
  • 音声・映像そのものを検索データとして用いるため、キーワードなどを打ち込むことなくインターネットで関連情報を検索することが可能です。

今後の展開について

今後、通信による遅延の最小化など、ユーザーへの関連情報の提示をさらにタイミングよく行うための工夫も導入していく予定です。

その上で、NTTデータはダブルスクリーンサービスを生かし、コンテンツ価値向上、視聴スタイルの拡大を目指してさまざまなメディア事業者へのサービス展開を図っていきます。

なお、2012年4月に開催されるNAB SHOW注4への出展も予定しており、当日はNTTエレクトロニクス注5と連携したエンコーダ/トランスコーダからの特徴データの自動生成も含めたダブルスクリーンサービスのデモンストレーションを実施予定です。

(NTTグループブース内にて展示予定)

注釈

  • 注1VOD

    ビデオ・オン・デマンド。ユーザーが要求した時点で求めるコンテンツを配信する通信サービス。

  • 注2NTTコミュニケーション科学基礎研究所

    人間科学と情報科学を融合した学際的なアプローチにより新しい技術、原理、概念を創出し、情報通信サービスにつなげる基礎研究を行うNTT研究所の一つ。

  • 注3Fingerprint技術(FP)

    指紋による人物の特定と同様に、音や映像から抽出した特徴データ(fingerprint)同士を高速に照合することで、音や映像のタイトルを特定する技術。本サービスは、NTTコミュニケーション科学基礎研究所が開発したFingerprint技術である「ロバストメディア探索技術」(RMS:Robust Media Search)を用いています。RMSには、音・映像ともにロバスト性(音質や画質の劣化や変化への耐性)が極めて高く、背景音楽や、加工や編集が行われた音や映像についても高い精度でコンテンツを特定できるなどの特長があります。

  • 注4NAB SHOW

    アメリカラスベガスで開催される、世界最大規模のデジタルメディア産業イベント

    開催日:2012年4月16日(月)~4月19日(木)

  • 注5NTTエレクトロニクス株式会社

    通信用の光およびLSIデバイス、セキュリティ、映像コーデックなどの高性能で高品質な製品を提供し、大容量通信ネットワークの実現に貢献するNTTグループ企業の一つ。

  • 本文中に記載されている会社名、サービス名は、各社の登録商標または商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
高橋
TEL:03-5546-8051

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流通・サービス事業本部
メディア・エンターテイメント事業部
TEL:050-5546-8950