マイナンバーの安全かつ簡便な提供・登録に向けた実証実験を開始 ~番号収集代行サービスにおける、電子収集技術の精度および使いやすさを検証~

ニュースリリース/NTTデータ

2015年1月22日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:岩本 敏男、以下:NTTデータ)は、個人および企業・団体における社会保障・税番号制度注1(以下:マイナンバー制度)への対応を支援するため、2015年2月より番号収集の代行機能(以下、番号収集代行サービス)の提供に向けた実証実験を開始します。

マイナンバー制度の下では、金融機関や一般企業に、顧客または従業員等から個人番号(以下:マイナンバー)の収集が義務付けられます。また、マイナンバーの取り扱いにおいては、厳重なセキュリティーと厳格なアクセス管理が求められます。NTTデータは、これらの番号収集プロセスを効率化するために、複数のチャネルによる番号収集代行サービスの提供を検討しています。特に、郵送や窓口での収集だけでなく、スマートフォンなどを利用した収集チャネルを提供することで、安全かつ簡便な番号収集の実現を図ります。

その検討にあたって、マイナンバーを収集する側となる金融機関と、マイナンバーを提供する側となる個人(NTTデータ社員)の協力のもと、番号制度に関する法令やガイドライン・安全管理措置に準拠した環境下でスマートフォンによる電子的な番号収集技術の精度と使いやすさを検証します。

今後、NTTデータでは、本実証実験を2015年3月まで行い、その結果をベースとして番号収集代行サービスを実用化し、同年10月より、安全で効率的なマイナンバーおよび個人情報の取り扱いを支援することを目指します。

背景

2015年10月をめどに全ての個人・法人へマイナンバーおよび法人番号の通知が始まり、2016年1月からマイナンバーの利用が開始されます。この制度では、金融機関や一般企業に、税法等各法令に基づき「顧客または従業員等からマイナンバーを集め、法定調書等の公的資料に記載等して提出する」という義務が課されます。

金融機関や一般企業がマイナンバーを収集する際、一定の条件を満たした場合を除いて本人確認が必要となります。しかし、本人確認のために(場合によっては複数の)手続き窓口へ営業時間内に出向くことは、個人にとっては、時間・移動等の負担が大きくなるという課題があります。同様に、本人確認書類の原本またはコピーおよび指定の書類を郵送したり窓口で手続きする場合においても、都度指定書類への記入や確認書類原本等の取得、送付などの手間が生じ、それらを複数回行うことは個人にとって負担が大きく、書類不備などのミスにもつながります。

一方で、金融機関や一般企業にとっては、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(以下:番号法)」等において、マイナンバーおよび特定個人情報(マイナンバーをその内容に含む個人情報)の扱いに対して、収集・保管等の厳格な要件が定められており、マイナンバー制度対応のための業務負荷の増大が課題となります。

NTTデータはこれまでの経験と蓄積した技術を活用し、効率的な番号収集プロセスを実現するため、番号収集代行サービスの実証実験を行うこととしました。

提供予定の「番号収集代行サービス」の概要

NTTデータが実証実験後に提供を予定しているサービスは、各金融機関や一般企業からの委託を受けてマイナンバーの収集を代行するものです。個人からマイナンバーを収集する際、NTTデータの電子的な番号収集技術を通じ、通知カード注2やその他本人確認書類を突合します。また、将来的には個人番号カード注3の突合も行う予定です。これにより、マイナンバーを提供する個人にとっては時間や場所の制約を受けずにマイナンバーを効率的に提供できるようにするとともに、マイナンバーを収集する企業等にとっては本人確認やマイナンバー管理の業務負荷、およびこれに関連するコストを軽減することを目的としています。

また、本サービスでは顧客である金融機関や企業の要望に応じたオプションとして、番号法に則った適切な環境下でのマイナンバー保管、法定調書等提出の代行サービスも併せて検討しています。

【図】

図1:番号収集業務の流れ

実証実験の概要

2015年2月上旬から中旬の間、新しい収集チャネルである「電子的な番号収集」の実証実験を行います。実験では、仮想マイナンバーに見立てたNTTデータの社員番号を使用します。デモシステムを実際に稼働させた上、IC運転免許証および社員番号が記載された健康保険証をスマートフォンで読み取り、電子的な情報収集や登録が正常に完了できるかを検証します。

同時に、番号収集システムの使いやすさの検証も行います。検討しているサービスのフローやユーザーインターフェースについて、実証実験に参加した社員からヒアリングを行い、マイナンバーを提供する側である個人にとっての使いやすさの向上に役立てます。また、本実証実験とは別に、複数の金融機関の協力のもと、実際のデモシステムの体験および本サービスの金融機関側業務フローへの適合性の検討を実施してもらい、マイナンバーを収集する側となる企業等にとっての円滑な業務遂行に向けての改善を随時行います。

技術検証に関する実証実験

  • 実施期間:2015年2月上旬~中旬予定
  • 実施会場:NTTデータ社屋
  • 仮想マイナンバー提供者:NTTデータ社員200名予定
  • 実証実験については、メディア向けに公開し併せて説明会を開催予定です。詳細については別途案内を行います。
【図】

図2:実証実験の概要

今後について

本実証実験で得られた結果をベースに電子的な番号収集技術を含む番号収集代行サービスを実用化し、マイナンバー制度運用開始時に正式なサービスとして広く提供できるよう検討を重ねていきます。また、JPKI注4による認証サービスの利用が、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)より許可され次第、個人番号カードを使用した電子的な番号収集技術についても取り組んでいきます。

注釈

  • 注1個人および企業・団体の社会保障・税番号制度とは、いわゆるマイナンバー制度のことで、2016年1月から番号が利用開始される。日本国内に住民票を有する個人に交付される個人番号と、会社法人等番号を有する法人・法人税の納税義務を有する人格のない社団等に発行される法人番号で構成される。
  • 注2通知カードとは、個人番号を通知する紙のカードで、番号利用に先立って2015年10月から全対象者に送付される。
  • 注3個人番号カードとは、一般的にマイナンバーカードと呼ばれる、顔写真とICチップが搭載されたカード。通知カード受領後、個人の申請により一定の手続きを経ることで交付される。
  • 注4公的個人認証サービス(JPKI)とは、他人による成りすまし申請や電子データの通信途中で改ざんされていないことを確認するための機能を有する公的サービス。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
後藤(尾)
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

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第一金融事業本部
金融グローバルITサービス事業部
資金証券営業企画担当
前田、松岡
TEL:050-5546-2389

株式会社NTTデータ
パブリック&フィナンシャル事業推進部
オープンイノベーション事業創発室
花谷、大西
TEL:050-5546-9609