国内初、台湾ローカル決済が日本国内ECサイトで利用可能に ~台湾玉山銀行と提携し、日本ECサイトにおける台湾からの売り上げ拡大を支援~

ニュースリリース/NTTデータ

2017年2月28日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:岩本 敏男、以下:NTTデータ)と台湾玉山銀行(本行:台湾台北市、董事長:曾國烈(Gary K.L. Tseng /ツォン グゥォ リィェ)、以下:玉山銀行)は、2017年2月14日にアライアンス契約を締結しました。本契約により、両社は2017年下半期より、日本国内のECサイトを運営する各企業・店舗に対し、台湾の各銀行が発行するキャッシュカードによる支払いをはじめ、台湾国内で用いられている決済手段注1(以下:台湾ローカル決済)が利用できるサービスを提供します。

台湾はアジアの中でも、クレジットカードの利用ではなく、銀行が発行するキャッシュカードによる支払いなどの台湾ローカル決済を利用する人が多くみられます。一方、日本のECサイトでは海外からの利用に対し、国際ブランド付きのクレジットカードによる決済方法のみを提供しているところがほとんどのため、越境ECの利用率が高い台湾において、日本のECサイト利用を制約する一因となっています。

今回、両社が提携し、新たな決済サービスを提供することで、日本国内のECサイトでの台湾ローカル決済の利用が可能となり、台湾からの利用拡大が期待できます。

背景

近年、格安航空会社(LCC)からの低価格飛行機便のサービス提供などにより外国からの訪日観光客が増えつつあります。その中でも、訪日時の観光ビザ不要の政策と、日本の文化・商品などに興味を持つ台湾人が増加し、訪日台湾人の観光客は年間約417万人注2に上っており、2020年に向け、今後も増加するものと見込まれます。

また、台湾のEC市場規模は毎年10%程度の伸び率で拡大しており、現在は約4兆円市場となっています。台湾では、越境ECの利用も盛んで、日本のECサイトでの利用経験者は48.9%に上り、中国に次いで2位の規模となっています注3。日本に訪れた観光客が日本で購入した物を台湾に帰国してから再度日本のECサイトで購入するケースをはじめとし、台湾からの日本ECサイト利用はますます増加傾向にありますが、台湾のECサイト利用者の約半数近くが台湾ローカル決済を利用していると言われており、日本のECサイト利用における障壁のひとつとなっていました。

そこでNTTデータと、台湾で初めて、台湾金融監督管理委員会からインバウンド/アウトバンドサービス注4取り扱い免許を発行された玉山銀行は、アライアンス契約を結び、越境ECにおける台湾ローカル決済サービスを提供することとしました。

図:サービスイメージ

概要および特長

越境ECにおける台湾ローカル決済は、訪日台湾人の利用が見込まれる航空券やホテル等の予約手配、商品の販売などを行う日本国内のECサイトを運営する各企業・店舗に対し、台湾の各銀行が発行するキャッシュカードによる支払いをはじめとした台湾ローカル決済が利用できるサービスを提供するものです。

台湾から日本のECサイトを利用する際、利用者は台湾通貨で、かつ普段からなじみのある決済方法を選択のうえ、支払いをすることができます。また、NTTデータが提供する高セキュリティーな環境により、安心・安全な利用が可能となります。

日本ECサイトのメリット

台湾からの利用が期待できる、航空券やホテルの予約手配や、商品の購入など、さまざまなECサイトにおいて安心・安全で多様な決済方法を提供することが可能になります。台湾ローカル決済が利用できることで、台湾からのさらなる送客効果および売上拡大が期待できます。

台湾消費者へのメリット

現在、台湾から日本のECサイトで買い物する場合、国際ブランド付きのクレジットカードを利用する必要がありますが、購買金額とは別に海外利用手数料として購買金額に応じた手数料が発生しています。

本決済サービスが採用された日本のECサイトを利用することによって、クレジットカードを持っていない消費者でも買い物をすることができ、かつ消費者は手数料の負担も減ることで、買い物や予約手配による日本ECサイトの利用がしやすくなります。

各社の役割

NTTデータの役割

台湾ローカル決済を日本ECサイトで利用できるよう、台湾ローカル決済のネットワーク提供、および本決済サービス加盟店への資金精算を行います。

玉山銀行の役割

玉山銀行は台湾金融当局から初めてインバウンドとアウトバウンド両方の免許を取得した金融機関で、台湾国内のキャッシュカードおよび台湾ローカル決済を束ねて対応するハブ銀行となります。

今後について

NTTデータと玉山銀行は2017年下半期より、日本国内のECサイトを運営する各企業・店舗に対し、本決済サービスを提供する予定です。

参考

玉山銀行について

玉山銀行(E.Sun Bank)は、台湾玉山金控(E.Sun Financial Holding Co Ltd)の傘下にあって、新しい決済手段や革新的なFintechの発展に長期的なコミットメントを実施し、「The Asian Banker台湾ベスト決済ソリューション」、「The Asset台湾最高の電子金融サービス提供銀行」等、数多くの賞を受賞しています。また、米国ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)において、事業の持続性および発展性に関する確かな評価を3年連続で得ています。

玉山銀行は、デジタル電子決済サービスの提供分野において台湾の銀行界をリードする存在です。

注釈

  • 注1台湾ローカル決済手段とは、台湾各銀行が発行するキャッシュカードを用いた決済手段以外に、指定コンビニの店頭で現金を用いた支払い手段も今回のサービス提供対象に含めます。
  • 注2引用:日本政府観光局 訪日外客統計の集計・発表 (2017年1月17日発表)「訪日外客数(2016年12月および年間推計値)」
  • 注3引用:台湾 Market Intelligence & Consulting Institute(MIC)(2014年4月1日)「2013年台灣網友海外購物成長5.3%」
  • 注4ここで言うインバウンドサービスとは、台湾語で「跨境網路實質交易價金匯入之代理收付款項服務」を指し、外国の消費者が自国の電子マネーを用いて、台湾ECサイトでの決済を可能とするサービスです。

    アウトバンドサービスとは「跨境網路實質交易價金匯出之代理收付款項服務」を指し、台湾の消費者が台湾のローカル決済手段を用いて、海外ECサイトでの決済を可能とするサービスのことです。

  • 文中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
三宅
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製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
ITサービス・ペイメント事業本部
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