金融機関向けクラウドサービス「OpenCanvas™」の提供について ~新たなFintechサービスを生み出すSoE基盤へ~

ニュースリリース/NTTデータ

2017年5月12日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、全国ほぼ全ての金融機関が利用する「ANSER®」のシステム基盤や運営ノウハウを活用した、新しい金融機関向けクラウドサービス「OpenCanvas」を開発し、2017年9月の提供開始を目指します。

「OpenCanvas」は、各種API注2ならびにAPIの管理機能等を備え、「ANSER」が持つ本人認証機能や金融機関システムとの接続基盤を活用する信頼性の高いクラウドサービスとなります。

金融機関は「OpenCanvas」を利用することで、Fintech関連技術を有する企業(以下:Fintech企業)と各金融機関サービスを、APIを通じて連携させることが可能となり、新たなFintechサービスを、効率的かつスピーディーに提供可能となります。

NTTデータは、「OpenCanvas」をベースに金融機関が世界各国のFintech企業と新たなFintechサービスを創出できるよう、クラウドサービスの提供のみでなく、「豊洲の港から®」を通じて金融機関と世界各国のFintech企業とのオープン・イノベーションの実現を支援し、利用者の生活を豊かにする日本発のサービスの創造を目指します。

背景

欧米のベンチャー企業を中心とした新たなFintechサービスの提供が続くなか、わが国では金融庁が事務局を務める金融審議会「金融制度ワーキング・グループ」が、『Fintechの進展に対応していくには、金融機関とFintech企業がオープン・イノベーションを進めていくことが重要』とし、制度整備の検討を進めてきました。

金融機関のAPI開放に関する制度的枠組みの整備を目的とした「銀行法等の一部を改正する法律案」が国会で審議されるなど、金融機関の機能・情報の活用を促進し、オープン・イノベーションをサポートする、API提供の重要性が一層高まっています。

こうした中、NTTデータでは、金融機関とFintech企業による新たなFintechサービス誕生を支援するため、各種APIを提供するクラウドサービスを提供することとしました。

概要・特長

OpenCanvasは、金融機関とFintech企業が連携する際に必要となる各種APIと、API管理機能を提供するクラウドサービスであり、高い信頼性とセキュリティーを有しています。

  1. (1)金融機関によるAPI提供を安価かつ迅速に実現

    35年以上にわたって全国ほぼ全ての金融機関で利用されている「ANSER」を活用した、新しいクラウドサービスとなります。

    金融機関はAPI提供の際に必要となる、1.本人認証機能、2.API管理基盤、3.インターネットとの接続基盤、4.金融機関システムとの接続基盤について、既存設備の流用が可能となり新規に開発する必要がなくなるため、大幅なコスト削減と迅速なサービス提供が可能となります。

  2. (2)さまざまなFintech企業との連携が可能となる共通API仕様

    OpenCanvas上に、各金融系APIを集約し、API仕様を一定のルールのもと共通化します。これにより、Fintech企業にとっては、複数の金融機関と接続する際に、個別の金融機関のAPI仕様に合わせた開発が不要、または最小化が図れるため、効率的な開発が可能となります。加えて、金融機関にとってもOpenCanvasのAPI仕様に対応したFintech企業が増加することで、多彩なFintechサービスの展開が可能となります。

  3. (3)セキュアなクラウド環境による、安心・安全のサービス提供

    IPS(Intrusion Prevention System/侵入防止システム)や、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)を備え、サイバー攻撃にも対応した高セキュリティー性、高信頼性をもつクラウドサービスです。

    これを、各金融機関が共同利用できる「プライベートクラウド」として提供することで、金融機関、Fintech企業が「安心・安全」な環境をかつ、安価に利用することができます。

【図】

図:サービスイメージ

オープン・イノベーション実現に向けた取り組み

NTTデータは、毎月開催しているオープンイノベーションフォーラム「豊洲の港から」や、年2回のオープンイノベーションコンテスト"さあ、ともに世界を変えていこう"の開催を通じて、OpenCanvasの提供のみでなく、金融機関とFintech企業のさまざまな連携ビジネスの支援・促進を行います。

参考

OpenCanvasで提供予定のAPI

  • その他、順次提供予定です。
【図】

注釈

  • 注1SoE

    SoE(System of Engagement)とは、人やモノとつながり、"絆"を通じて新たなイノベーションを創出するシステムのことです。

  • 注2API

    API(Application Programming Interface)とは、あるシステムで管理するデータや機能などを、外部のシステムから呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めた規約のことです。

  • 注3豊洲の港から

    「豊洲の港から」とは、NTTデータが主催する最新のトピックに関する展望の共有、ベンチャー企業の紹介を行い、オープン・イノベーションを実現する場です。

  • 「ANSER」、「豊洲の港から」は株式会社NTTデータの登録商標です。
  • 「OpenCanvas」は株式会社NTTデータの商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
戸田
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第四金融事業本部
e-ビジネス事業部
e-ビジネス商品企画営業担当
渡辺、柳田、今
TEL:03-5484-4321