電子データを用いた財産調査業務の実務検証開始 ~静岡県下の静岡銀行、遠州信用金庫および3自治体と業務効率化を検証~

ニュースリリース/NTTデータ

2018年8月30日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、静岡県下の株式会社静岡銀行(以下:静岡銀行)、遠州信用金庫および3自治体と共同で、2018年8月下旬より財産調査業務の電子化の実務検証を開始しました。

本実務検証は、税金滞納者等の預金状況を自治体が調査する財産調査業務において、自治体と金融機関のやり取りに電子データを用いることで、どの程度の作業時間削減と業務効率化が可能かを検証するものです。これまで紙で行っていた事務作業を電子化した場合の削減時間の検証、本人特定方法のルール統一化に伴う口座の特定結果の検証、紙から電子データへの変更に伴う照会/回答フォーマットの検証等を行います。

今後NTTデータは、本実務検証の結果を踏まえて、2019年中にサービス商用化を目指します。財産調査業務の電子化の対象機関についても、中央省庁やメガバンクほか大手金融機関、さらには生命保険会社、証券会社等への導入・拡大を進めていきます。

背景

自治体において、住民税等の滞納者の預金状況把握や生活保護の支給決定判定等を行う上で、財産調査という業務が必要となります。この業務では、これまでは異なる様式かつ紙による調査が実施されており、金融機関での業務負荷や、行政機関での調査回答期間の長期化が大きな課題となっていました。

NTTデータは昨年より関係する中央省庁、自治体、銀行、生命保険会社が参加する勉強会にて電子化に向けた具体的な検討を進めてきました。

このたび、NTTデータと静岡県下の静岡銀行、遠州信用金庫および3自治体は、財産調査業務における課題解決のために実務検証を行います。併せて、国の施策である「デジタル・ガバメント実行計画」個別サービス改革(金融機関と行政機関の情報連携(預貯金等の照会))の実現にも貢献していくことを目指します。

概要および特長

今回の実務検証では、財産調査業務に係る一連の流れを紙と併せて電子データでも行い、従来の紙による業務と比較し、具体的な効果、運用性等の検証を行います。

  • 実施期間:2018年8月~2018年10月
  • 検証項目の一例
    • 電子化による業務削減に係る検証
      電子化後の作業時間を測定し、プロセスごとにどの程度の作業時間・工数が削減できるか検証します。
    • 本人特定方法のルール統一化に伴う口座の特定結果の検証
      金融機関側での本人特定方法を統一することにより、従来と比べ口座特定率がどの程度向上するか検証します。
    • 照会/回答フォーマットの検証等
      照会/回答に係る統一フォーマットを作成し、項目の過不足、任意/必須等の設定条件の妥当性を検証します。
  • 各者の役割
    • NTTデータ
      実務検証用のシステムおよび機器類一式を提供します。本実務検証を通じて、電子化の有効性を検証します。
    • 各自治体、各金融機関
      電子データによる財産調査の一通りのプロセスを行い、想定した運用手順の妥当性の確認、電子化後の運用上の課題の抽出等を行います。
【図】

図:従来の財産照会業務との変化イメージ

今後について

NTTデータは、2019年中に本実務検証の結果を踏まえ、商用サービスの提供を目指します。金融機関向けにはNTTデータが提供するANSER®サービスやeBネットワーク、API注1対応を視野に入れたOpenCanvas®注2クラウド基盤を活用したサービスを、行政機関向けにはLGWANやIP-VPNを利用したサービスを提供予定です。両機関におけるセキュリティを確保しつつ導入負荷を下げる仕組みでの構築を目指します。

今後NTTデータは、全国の地方自治体、メガバンクほか大手金融機関、さらには中央省庁等への導入・拡大を目指します。

注釈

  • 注1API(Application Programming Interface)とは、あるシステムで管理するデータや機能などを、外部のシステムから呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めた規約のことです。
  • 注2OpenCanvasとは、NTTデータが提供する金融分野を中心としたデジタルトランスフォーメーション(DX)推進基盤のことです。
  • 「ANSER」「OpenCanvas」は、日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の製品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
後藤
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第二公共事業本部
社会保障事業部
社保第三統括部
第六システム担当
山田、岩崎、宮川、鴇田
TEL:050-5547-1661