ゆうちょ銀行へ「AnserDATAPORT®」を提供 ~INSネット(ディジタル通信モード)のサービス終了等に伴う対応だけでなく、安全で高速な回線で利便性も向上~

ニュースリリース/NTTデータ

2019年12月16日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、全国の企業・自治体と金融機関の間において、セキュアに取引を行える金融機関向けのファームバンキング(FB)伝送サービス注1「AnserDATAPORT®」を2020年1月6日より、ゆうちょ銀行に提供開始します。

本サービスは、2024年1月にサービス終了するNTT東日本およびNTT西日本が提供するINSネット(ディジタル通信モード)注2や保守終了となるCMT注3等の磁気媒体に代わり、インターネットとつながっていない閉域ネットワークを用いて、安全に口座振替や振込等の決済データの取引を実現するサービスです。

今後NTTデータは、「AnserDATAPORT」を利用する金融機関、企業・自治体の導入を進めていくことで、さまざまな利用者が安全に取引できる決済サービスの拡大を目指します。

背景

NTT東日本およびNTT西日本は、2024年1月にINSネット(ディジタル通信モード)のサービス終了を決定しています。これに伴い一般社団法人全国銀行協会(以下:全銀協)が全銀協標準通信プロトコル注4(以下:全銀プロトコル)の一部について、2023年12月末をもってサポートを終了すると発表注5を行いました。

ゆうちょ銀行は、後継の全銀プロトコル注6への対応の課題解決として、全国の金融機関へ豊富な提供実績を持つNTTデータのAnserDATAPORTの採用を決定しました。これにより、INSネット(ディジタル通信モード)のサービス終了という外部環境変化の対応だけでなく、利用者に安全で高速な最新ネットワークを提供することが可能となり、利便性向上、決済サービスの高度化が期待できます。

今後ゆうちょ銀行では、2022年3月までにAnserDATAPORTへ移行する予定です。

サービスの概要(特長)

「AnserDATAPORT」は、全国の金融機関を対象にした、FB伝送サービスです。このサービスの主な特長は以下の通りです。

  • セキュリティーの高い専用の回線を使用
    企業から金融機関までを専用の閉域ネットワーク(Connecure®(コネキュア))注7でつなぐことで、インターネット回線を使わない、よりセキュアな伝送を実現します。自治体においては、セキュアで接続実績のある既設の統合行政ネットワーク「LGWAN」注8を用いての伝送が可能となるため、これまで導入を見送ってきた自治体においても価格やセキュリティーの面で導入しやすくなります。
  • 高速に通信が可能
    高速回線(ConnecureやLGWAN)を利用するため、短時間で大量のデータを伝送可能です。
    Connecureを利用した実績例:(明細10万規模の場合)
    INSネット(ディジタル通信モード)20分⇔AnserDATAPORT 1.5分
  • データのチェック・照合作業などを自動化
    AnserDATAPORTセンターを中継することで、企業・自治体からのデータ受信時のチェックおよび利用者からの承認処理を自動で行い、金融機関へは承認照合処理済みデータを伝送します。利用者が承認照合処理を実施することで、これまで金融機関が実施していた照合事務や媒体の読み書き等に必要であったコストが削減可能です。(承認照合処理は金融機関によって実施要否を選択することができるため、対応していない金融機関もあります。)

システムイメージ

図:システムイメージ

今後について

NTTデータは、CMT等の媒体保守期限終了やINSネット(ディジタル通信モード)の代替策としてAnserDATAPORTの対応金融機関を拡大することで、外部環境の変化に対し柔軟に対応できるシステムの提供や、金融機関の抱える課題の解決に向けて取り組んでいきます。2024年1月までに、現在INSネット(ディジタル通信モード)にてFB伝送サービスを提供している全ての金融機関への導入を目指します。

注釈

  • 注1専用ソフトをインストールしたパソコンやホストコンピューターを利用して金融機関に接続し、残高・入出金取引照会や資金移動(振込・振替、総合振込、給与振込、預金口座振替等)を行うサービスで、利用者は支店に行くことなく銀行サービスを利用することができます。
  • 注2INSネットは、NTT東日本、西日本が提供する電気通信サービスであり、基本機能として「ディジタル通信モード」、「通話モード」のご利用方法があります。「ディジタル通信モード」については、2024年1月にサービスの提供を終了します。
  • 注3CMTとは、Cartridg Magnetic Tapeの略称で磁気テープの規格のひとつです。
  • 注4全銀協標準通信プロトコルは、企業・銀行相互間のオンラインデータ交換における通信手順です。本プロトコルは、一般公衆電話網またはISDNを適用回線とする「ベーシック手順」、「TCP/IP手順」とIPを利用する回線を適用回線とする「TCP/IP手順・広域IP網」の3種類があります。
  • 注5全銀協発表:2017年11月1日「全銀協標準通信プロトコル(ベーシック手順およびTCP/IP手順)の取扱いについて」
    https://www.zenginkyo.or.jp/news/2017/n8828/
  • 注6全銀協発表:2017年5月16日「広域IP網をベースとした「全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)」の制定について」
    https://www.zenginkyo.or.jp/news/2017/n8115/
  • 注7Connecureとは、AnserDATAPORTと利用者間を結ぶインターネットに接続しない閉域IP網サービスのことです。
    セキュリティポリシー等でインターネット利用不可の企業・大量データ取扱企業・ホスト接続企業等の利用を想定しています。
  • 注8LGWANとは、地方公共団体を相互に接続する行政専用のネットワークのことです。
  • 「AnserDATAPORT」「Connecure」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
    AnserDATAPORTソリューションサイト:https://www.adp.ne.jp/
    Connecureソリューションサイト:http://nws.jp.nttdata.com/connecure/
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

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株式会社NTTデータ
広報部
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TEL:03-5440-5048