乳がん検査「乳がんミアテスト」の精度向上に向けたAIサクセスプログラム提供開始 ~AI活用推進・運用化により乳がん・生活習慣病の早期発見・診断を実現する~

ニュースリリース/NTTデータ

2020年3月26日

株式会社NTTデータ
DataRobot, Inc.
株式会社ミルテル

株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:本間 洋、以下:NTTデータ)とDataRobot, Inc.(本社:マサチューセッツ州ボストン、CEO:Jeremy Achin、以下:DataRobot)は、株式会社ミルテル(本社:広島県広島市、代表取締役社長:田原 栄治、以下:ミルテル)が提供する乳がん検査「乳がんミアテスト」のさらなる精度向上のために、機械学習の自動化を実現するエンタープライズAIプラットフォーム「DataRobot」およびAI・データ活用の成功を支援する「AIサクセスプログラム」の提供を開始します。

これまで「乳がんミアテスト」の実現においては、手動で作成した数式ベースの予測モデルを使用して検査を行っていました。今回、「乳がんミアテスト」の開発に、「DataRobot」および「AIサクセスプログラム」を適用することで、機械学習モデルの選定・パラメーター最適の自動化や高度な統計的知見に基づいたデータ処理が可能になり、検査のさらなる精度向上や開発スピード・作業効率の改善が実現できます。これにより、さらなる乳がんの早期発見・診断を実現できると考えています。

なお、この乳がん検診サービスは今夏の一般リリースを予定しています。

3社は今後も、「DataRobot」および「AIサクセスプログラム」により、AI活用、運用化およびAI人材の育成を推進することでさらなる研究開発促進と検査工程の改善・精度向上を目指します。

背景・目的

日本人の死因は男女ともに「がん」が第一位となっており注1、「がん」対策は日本における最重要課題のひとつです。その中でも乳がんは、女性のがん罹患数では第一位、死因では5位となっています注2。乳がんは、早期発見によって死亡率が大きく低下するだけでなく、手術に頼らない治療にもつながり、完治後の患者負担の軽減にも大きく貢献します。しかし、日本国内での検診受診率は44.9%(2016年時点注3)となっており、この数値は、先進国の中で極めて低い結果となっています。乳がん検診の受診率を高め、乳がんの早期発見を実現することは、喫緊の課題となっています。

ミルテルは、広島大学発のベンチャー企業として、2013年に疾患の早期発見を促す「ミアテスト」の検査を開始しています。「ミアテスト」は、採血だけの検査で疾患細胞から出てくる血液中の疾患特異的な因子「マイクロ RNA」を検出し、疾患のリスク判定につなげる検査です。

今回、NTTデータとDataRobotは、「ミアテスト」の乳がん検査サービス「乳がんミアテスト」に「DataRobot」と「AIサクセスプログラム」を合わせて提供することで、検査のさらなる精度向上を目指すとともに、AIの活用推進・運用化、人材育成プログラムの実現を支援します。

概要

「乳がんミアテスト」は広島大学の研究結果に基づいて、R言語などにより作成した数式ベースの予測モデルを使用して検査を行っていました。「DataRobot」を使うことにより、機械学習モデルの選定やパラメーター最適が自動化され、高度なスキルを持ったデータサイエンティストがいなくとも、精度の高いモデルを高速に作成することができるようになります。

また、NTTデータとDataRobotが提供する「AIサクセスプログラム」では、テーマ推進支援と人材育成支援を実行します。「DataRobot」を使ってモデル精度をさらに向上させるために、特徴量加工や要因分析などの支援をするとともに、DataRobot活用方法や機械学習の理論体系のトレーニングを提供し、ミルテルの検査サービス全体の発展につなげていきます。

図:乳がんミアテスト検査イメージ

図:乳がんミアテスト検査イメージ

各社の役割

NTTデータ
  • 「AIサクセスプログラム」全体構想立案およびプログラム全体の推進支援
  • ヘルスケア専門データサイエンティストによるアドバイザリー支援
DataRobot
  • 「DataRobot」の提供およびトレーニングプログラムの提供
  • ヘルスケア専門データサイエンティストによるアドバイザリー支援
ミルテル
  • 「DataRobot」を活用したモデル構築およびデータ準備
  • 「DataRobot」で作成した機械学習モデルの「ミアテスト」への実装

今後について

今回の取り組みによってさらなる精度向上を実現した「乳がんミアテスト」は、チューリッヒ保険会社が3月に販売開始する新しいがん保険「ミエルケア」に付帯するサービスとしてリリース予定です。

さらに、研究開発促進と検査工程の改善・精度管理に活用していきます。

  1. (1)バイオマーカーリスク検査のアルゴリズム構築の効率化と精度向上
  2. (2)未病検査における生活習慣に紐づく予測・疾患予防サポートの構築
  3. (3)開発スピード向上・作業効率の改善
  4. (4)検査工程の改善・精度管理のへの活用
  5. (5)さらなるAI人材の育成

AIサクセスプログラムの概要

AI活用の成功にはプラットフォームだけでなく、経験に基づく具体的なプラン、実行が重要となります。AIサクセスプログラムは、DataRobotのグローバルおよび日本におけるAI・データ活用のノウハウと、NTTデータのビジネス変革、AI・データ活用実績を組み合わせた実践的なビジネス変革プログラムです。NTTデータとDataRobotはこれまでもお客さまのニーズに合わせたAIサクセスプログラムを提供してきました注4

ミルテルに提供したAIサクセスプログラムには、テーマ推進支援(モデリング精度向上支援、特徴量エンジニアリング・要因分析支援、システム開発・モデル運用化支援)および、人材育成支援(DataRobot利活用・運用方法トレーニング、実験計画法に関する個別トレーニング)などが含まれています。

なお、今回提供するAIサクセスプログラムは2020年3月18日に発表された「デジタルサクセスプログラム注5」の一環として、テーマ推進支援・人材育成支援にフォーカスを当てた特別プログラムとなります。

ミアテストについて

ミアテストは、2013年より開始し、各臓器から出る疾患特異的な因子(マイクロRNAなど)を検出し、疾患の早期発見を促す血液検査であり、2019年12月末時点で5,000件以上の検査を提供しています。

ミアテストは採血による検査のため、既存の検査に比べ患者の負担が少ないというメリットのほか、画像検査などでは発見されにくいレベルのものでも検知が期待できます。特に、早期発見によって「治るがん」ともいわれている乳がんや、発見が困難で進行の早い膵臓がんの早期発見が可能となります。ミアテストによる早期発見によって、これまで以上に治療方法や薬剤の使用などの選択肢が広がり、完治する確率が高まることが期待されます。(マイクロRNA は早期から増加するので、がんの早期発見に有効ですが、数値の大小でステージを反映するものではありません。)

https://www.mirtel.co.jp/service/mir/

※マイクロRNAとは

  • 染色体にあるDNAからコピー(転写)されてできるRNA
  • 約22個の遺伝子情報(塩基)からなる小さなRNA
  • 遺伝子はコードされていなく、タンパク質は作れない
  • 細胞外小胞・エクソソームの中にも含まれており、血液中に運ばれる
  • 健常と疾患で特異性のあるマイクロRNAが存在する

注釈

  • 「ミアテスト」は株式会社ミルテルの登録商標または商標です。
  • 「DataRobot」は、日本国内におけるDataRobot, Inc.の登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
廣田
TEL:03-5546-8051

DataRobot, Inc.
PR事務局(MSL Japan 内)
浅野、大森
E-mail:datarobot_pr@msljapan.com

株式会社ミルテル
管理部
友上
TEL:082-546-9797
E-mail:info@mirtel.co.jp

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
AI&IoT事業部
宇都宮、有光
TEL:050-5546-9923
E-mail:aiiotmarketing@kits.nttdata.co.jp

DataRobot, Inc.
E-mail:info-jp@datarobot.com

株式会社ミルテル
事業開発部
加藤
TEL:03-6386-3657
E-mail:info@mirtel.co.jp