情報銀行の仕組みを支えるプラットフォームの海外連携に向けた実証完了 ~エストニアの電子政府を支えるソリューションと連携し、接続標準仕様を策定~

ニュースリリース/NTTデータ

2020年4月20日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、以下:NTTデータ)は、NTT DATA Italia S.p.A(本社:イタリア・ミラノ、以下:NTT DATA italia)の協力のもと、パーソナルデータ注1流通に関するソリューションを有するCybernetica社(本社:エストニア、読み:サイバネティカ、以下:Cybernetica)と共同でパーソナルデータ連携に関する実証実験および標準仕様を策定しました。

本実証実験は2020年1月から2020年3月に、NTTデータの情報銀行の仕組みを支えるパーソナルデータプラットフォーム注2(以下:本プラットフォーム)とエストニアの電子政府を支えるデータ連携基盤「UXP」注3との相互接続を実施したものです。UXPを利用して、日本と他国間でのデータ連携接続を行うために必要な環境構築やサーバーの設定方法等をまとめ、標準仕様として策定しました。今回の検証結果をもとに、本プラットフォームの連携機能を強化することで、日本と海外のパーソナルデータ流通が技術面で容易に行うことが可能となります。

今後NTTデータは、パーソナルデータ連携やその利活用の支援を続け、2020年10月をめどに、本プラットフォームのサービス提供開始目指します。

背景

2018年5月にEUで個人のデータ保護規則GDPR注4が発効されたことにより、データ流通に関する意識が高まっています。日本でも、2020年3月10日に閣議決定された個人情報保護法で、法の域外適用の在り方および越境移転注5の在り方について盛り込まれました。また、G20大阪サミットでは、信頼たるルール下での自由なデータ流通の促進について声明が出されるなど、今後、国境を越えたパーソナルデータの流通が重要になるとみられます。

NTTデータは、このような状況に対応するため、2019年2月より本プラットフォームの実証実験を行ってきました注6。その取り組みの一環として、今回海外とのパーソナルデータ連携に向けて、CyberneticaのUXPを利用し、個人情報を蓄積し管理するパーソナルデータストア(以下、PDS)注7の接続検証を行いました。また、検証を通じて本プラットフォームとUXPを接続するための標準仕様を策定しました。

実証実験の概要

本実証実験では、2020年1月~3月までの3カ月間、日本およびイタリアにおいて、検証のためのPDSやサーバー、システムの構築を行い、本プラットフォームとUXPを介してお互いにパーソナルデータの登録/取得ができることを確認しました。また、当該接続検証を通じて抽出された、接続する上で必要なシステム基盤の構築や、サーバーの設定方法等をまとめ、それを接続標準仕様として策定しました。

図:実証実験イメージ

図:実証実験イメージ

実用化により想定されるメリット

日本と海外のパーソナルデータ流通が容易になると、以下のようなメリットが期待できます。

〈事例〉将来的に病院での受診情報等の流通が可能になった場合
個人
  • 海外で医療処置を受ける際に、日本での受診履歴を海外の病院(医師)が本人の同意のもと参照可能となる。
  • 海外での処置内容を連携することで、日本に帰国後も適切かつ切れ目のない医療処置を受けることができる。
データ活用事業者、データ提供事業者
  • 海外PDSに登録するもしくは、登録されているデータを参照する際、容易にパーソナルデータ提供・取得が可能になる。
  • GDPRや情報銀行認定基準、改正民法などの各種ガイドラインが変更になった場合、改定に合わせた提供・取得方法変更等の個別対応が不要になる。

今後について

NTTデータでは、2020年10月をめどに本プラットフォームの商用サービス提供開始を目指し、さらなるパーソナルデータ連携や利活用の推進を支援していきます。

注釈

  • 注1パーソナルデータとは、特定の個人を識別することができる個人情報に加え、匿名加工情報など特定の個人を識別できないように加工された情報も含む、個人と関係性が見いだされる広範囲の情報を指します。
  • 注2情報銀行の仕組みを支えるパーソナルデータプラットフォームとは、2020年10月をめどにNTTデータが商品化を進めているプラットフォームで、パーソナルデータを活用する一般消費者向けのサービスを想定し、個人情報利用に関する同意・流通履歴などを管理するプラットフォームです。
  • 注3UXPとは、Cybernetica社のエストニアの電子政府を支えるX-Roadをベースに作成されたデータ連携基盤です。
  • 注4GDPRとは、General Data Protection Regulationを指し、一般データ保護規則のことです。
  • 注5越境移転とは、国内にある者に係る個⼈情報等を国外へ移転することです。
  • 注6NTTデータ2019年2月18日ニュースリリース「情報銀行の仕組みを支えるプラットフォームの実証実験を開始」
    https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2019/021800/
  • 注7パーソナルデータストアとは、「他者保有データの集約を含め、個人が自らの意思で自らのデータを蓄積・管理するための仕組み(システム)」と、「AI、IoT時代におけるデータ活用ワーキンググループ中間とりまとめの概要(2017年3月)内閣官房IT総合戦略室」では定義しています。
  • 文章中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
宮尾
TEL:050-3646-0307

製品に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
社会基盤ソリューション事業本部
ソーシャルイノベーション事業部
ソーシャルビジネス統括部
第二営業担当
熊木、中村
TEL:050-5545-2453