アバター遠隔接客で省力&非対面接客を進化! 店舗体験のデジタルシフトへ ~東急ハンズとアバター遠隔接客の実証実験を実施~

ニュースリリース/NTTデータ

2020年6月18日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、株式会社東急ハンズ(以下:東急ハンズ)の協力のもと、オペレーターの動きと連動するアバターを介して、遠隔から商品を提案・訴求するデジタルストアの実証実験を、2020年6月15日まで実施しました。
本実証実験では、東急ハンズ渋谷スクランブルスクエア店のUV特集コーナーにアバター特設ブースを設営し、UV対策商品に詳しいスタッフが本社(新宿)から用途や肌状態などを伺い、お客さまの要望にあった商品を案内しました。また、お客さまからのご質問に対し、その場に行かなくても従来の対面接客と同じように分かりやすく応対できることを目指しました。実験を通じ、「アバターの方が気軽に話しかけやすい」「説明と商品画像がセットで表示され分かりやすい」といった好意的な意見を確認できました。この結果からスタッフの働き方に、接客=対面という常識にとらわれない新たな選択肢が増えました。
また、実店舗でお客さまの性別および年齢層、感情を推定するデータと、対話データの取得に成功し、時間帯ごとの来店される客層や会話の中にあるお客さまのニーズが把握できるようになりました。将来的に接客品質の向上や商品開発、プロモーションへの還元が期待できます。
NTTデータは本実証実験の結果を踏まえ、東急ハンズと共に、お客さまがより利便性やワクワクを感じられるような新しい店舗体験の姿を実現していきます。

背景

近年、小売業界では労働人口の減少、好立地な出店場所の減少により、実店舗の出店拡大が困難になっています。また、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の感染防止を目的に、人と人との接触機会を極力減らした接客の姿、在宅勤務等のスタッフの働き方変革が迫られています。このたび、こうした市場環境を踏まえ、小規模・省力化店舗や非対面の接客の実現手段として、アバター遠隔接客ソリューションを東急ハンズに提供しました。

図1:店頭写真

図1:店頭写真

実証実験の内容

東急ハンズ渋谷スクランブルスクエア店のUV特集コーナーに、アバター特設ブースを設営しました。美容やコスメに詳しい専門のスタッフが、お客さまの要望(商品の使用用途や肌状態など)を伺い、おすすめの商品を紹介する接客業務を本社から実施し、その場にいなくても分かりやすくご案内できるのか、購入への後押しができるのか検証を行いました。
また、お客さまの一連の購買行動の中でスムーズに売り場に誘導できるよう、NTTデータが顧客体験のシナリオ設計から考え、店舗デザイン、商品ディスプレー、商品画像、売り場案内の動画やポスターを複数パターン制作し、お客さまの行動の変化を観察・計測しました。

検証期間

2020年6月1日~2020年6月15日

検証場所

東急ハンズ渋谷スクランブルスクエア店 ヘルス&ビューティコーナー

検証結果

  1. 遠隔からの双方向コミュニケーションが接客スタッフの新しい働き方を提供
    アバターを介し、非対面でお客さまとスタッフが対話できる仕組みを提供しました。利用者へのアンケートの結果、アバターの気軽さと疑問を解決してくれる知識の豊富さに対し、「他のお店にもいてくれたら助かる」「友達にも紹介したい」と接客品質に対する満足度が高かったことが分かりました。また、紹介した商品画像を画面に表示することで従来よりも説明の内容が伝えやすく、接客時間を短くしながらも購入を後押しできることが確認できました。これはスタッフが顔や姿を見せなくても遠隔からお客さまを十分にサポートできることを示しており、接客に従事するスタッフの働き方の選択肢を増やすことが期待できます。
  2. 脳科学×AIの活用でコンテンツに込める思いを事前に評価可能に
    売り場の案内動画や商品画像などのコンテンツの制作にあたり、当社ソリューションNeuroAI®注1で好感度や試用意向度(試してみたいと思うキモチ)を評価し、指標が異なるコンテンツを、期間を分けて採用しました。実験の結果、NeuroAIで評価した指標と、「UV特集コーナー」の売場に対するお客さまの認識率に相関性が確認できました。これにより、科学的なアプローチでお客さまがショッピングをより楽しみ、売り場の魅力がより伝わるようなコンテンツを選んで売場を設計できることが期待されます。
  3. AI技術でお客さまのニーズ把握とスタッフの接客術の蓄積を可能に
    お客さまの性別および年齢層、感情を推定する顔認識AIの技術と、会話内容を高精度にテキスト化する音声認識技術により、実店舗の環境下でも、売り場の客層や会話の中からお客さまのニーズ把握に成功しました。これにより、従来は属人化されていた接客術を他のスタッフに共有でき、接客品質の向上への活用が期待されます。また、お客さまの声を起点にした商品開発や店舗開発、プロモーションの実現により、商品・サービスの改善、お客さまの満足度の向上に貢献します。

図2:実証実験イメージ

図2:実証実験イメージ

今後について

本ソリューションは、オンラインからもアバター接客を受けられるように機能を拡充し、店舗も含め、お客さまの好きな時、好きな場所から相談できる双方向のコミュニケーション接点をつくり、お客さまの利便性をさらに向上させる予定です。
NTTデータは、東急ハンズとのアバター遠隔接客ソリューションを使った新しい売り場づくりの実験を通じて得られた知見から、店舗運営に関わる労働力不足、働き方の多様性の実現といった社会課題の解決を目指します。
また、本実証実験の成果から当社の決済ソリューション「CAFIS®」との連携など、さらなる機能の拡充を行い、販売活動だけではなく、店舗運営全体のリアルとデジタルのシームレスな融合を実現すべく、EC、マーケティング、決済を掛け合わせたデジタルストアソリューションの構築を目指します。

協力会社一覧

  • 株式会社NTTデータMSE
  • ネットイヤーグループ株式会社
  • 株式会社UsideU(ユーサイドユー)
  • サイバーリンク株式会社

参考記事

注釈

  • 注1NeuroAIは、脳科学×AIモデルで人間の感性に迫る革新的なソリューションです。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
大島
TEL:050-3646-0547

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
ITサービス&ペイメント事業本部
サービスデザイン統括部
星田、橋口、保坂、小川
E-mail:sddx_contact@kits.nttdata.co.jp