「現場に任せて安心」の共同型RPA・AI-OCRによりスマート自治体の実現に貢献 ~第一弾は、特別定額給付金やふるさと納税など全20申請業務を自動化~

ニュースリリース/NTTデータ

2020年7月15日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、RPAやAI-OCRの導入・管理負荷を少なくし「現場に任せて安心」の共同型RPA・AIサービスとして「スマート自治体プラットフォーム NaNaTsu(ななつ)™」を、2020年8月1日よりトライアル提供を開始し、2020年10月1日より商用化予定です。

本サービスは、スマート自治体実現貢献のため、自治体向けAI-OCR注1サービス「NaNaTsu AI-OCR with DX Suite注2」とRPA活用サービス「NaNaTsu」を組み合わせた新サービスです。「共同利用環境」「自動化シナリオ・OCR帳票定義」「管理統制サービス」を提供します。本サービスの利用により、従来のRPAやOCRでは不可欠だったユーザーごとのRPAやAI-OCRの環境構築や、業務・帳票ごとのシナリオ作成・OCR帳票定義作成を不要とし、利用料のみでRPAやAI-OCRの導入が可能となります。第一弾として、8月1日より定額給付金やふるさと納税などの20業務分のシナリオ提供を開始します。

今後NTTデータは、「スマート自治体プラットフォーム NaNaTsu」の自動化対象業務を拡大させ、2020年度中に100業務の自動化シナリオ提供と600団体での採用を目指します。また、同時に金融機関をはじめ一般の企業へも本プラットフォームを横展開し、企業のDX推進に貢献していきます。

背景

昨今の生産年齢人口減少による労働力不足と、Society5.0(超スマート社会)における技術発展の加速化に伴い、スマート自治体への転換の機運が高まっています。一方で、「初期構築や保守の費用負担」「RPAのシナリオ作成負荷」「IT部門の管理負荷」が大きいといったRPAやAIを使用する際の導入障壁も顕在化してきました。

NTTデータでは、このような課題対応のため2020年5月に、特別定額給付金ソリューション注3を展開し、1カ月で200団体以上に利用されました。この事例をもとに、導入・管理負荷を少なくし、共同型RPA・AIサービスとして、「スマート自治体プラットフォーム NaNaTsu」の開発に至りました。本サービスは、2020年8月1日よりトライアル提供を開始し、2020年10月1日よりサービス提供を開始します。

図:スマート自治体プラットフォーム イメージ図

図:スマート自治体プラットフォーム イメージ図

概要・特長

本サービスは、「難しい環境構築不要で共同利用できるRPA/AI-OCRサービス」「管理統制サービス」「個別の業務ごとに技術やノウハウを詰め込んだ自動化シナリオ」「OCR帳票定義」を提供する、これまでのRPAやOCRには無かった新しいサービスです。従来のRPAやOCRでは、お客さまごとにサーバーの構築や、シナリオの作成、コンサルティング支援等を必要としましたが、本サービスではそれらの負担を無くしました。過去にRPAやOCRを検討し、本格導入に至らなかったお客さまにも活用いただきたいサービスです。また、クラウドセンターとの接続は、LGWAN-ASPサービス注4を使用しているため、セキュアな環境で自治体職員のニーズに合わせた活用が可能です。

  • 1.RPA・AIの共同利用サービス
    「WinActor注5」や「NaNaTsu AI-OCR with DX Suite」を環境構築することなく、また特定の端末や人に制限もされずに、サービス利用料のみで部門間・部門内での共同利用が可能です。システム構築に関する初期費用は不要です。
  • 2.RPAの自動化シナリオ
    自治体の各業務に特化した自動化シナリオをダウンロードし放題で、かつシナリオの保守からリモートサポートまで含めて利用可能です。事例や業務フロー、設定手順も専用コミュニティサイトから閲覧可能です。保守費用の30%以上の削減が見込めます。(3シナリオ作成の場合で試算)
  • 3.管理統制サービス
    RPAの管理統制機能として、IT部門が簡単にRPAの利用状況を把握可能な仕組みを提供し、野良ロボット注6の発生を防止します。RPAの共同利用を可能とする同時接続管理機能の提供から開始し、実行環境管理、シナリオ統制、ダッシュボードなどの管理統制機能を順次展開していきます。

第一弾でシナリオ化する対象業務案

介護保険業務における審査委員報酬支払の支出命令介護保険課
介護保険業務における審査会資料送付の起案介護保険課
内部管理用帳票の加工・集計経営改革室
コンビニ交付集計業務におけるデータの集計市民課
歳入管理業務における納付書の作成市民課
個人住民税関連業務における納税者の異動情報入力市民税課
資産税関連業務における納税通知書・納付書の印刷資産税課
歳出管理業務における支出命令の起案情報システム課
滞納管理業務における銀行・生命保険全店照会文書の印刷納税課
時間外データ集計業務総務課
保育園入園手続き業務こども福祉課
ふるさと納税業務企画課
児童手当・特例給付認定業務こども福祉課
eLTAX法人市民税申告データ入力業務市民税課
特別定額給付金業務-
市民アンケート収集業務-
軽自動車税データ登録業務市民税課
軽自動車税廃車登録業務税務課
軽自動車税の減免業務市民税課
軽自動車税リストのシステム登録業務市民税課

「スマート自治体プラットフォームNaNaTsu」導入の想定効果

RPAによる作業時間の削減率:個人住民税、市民窓口業務において79.2%注7の作業時間削減を確認。

鹿児島県奄美市における特別定額給付金事務でのRPA・AIサービスの導入事例

申請書の読み取りから口座情報などの入力作業すべてを手作業で行った場合、1件に約5分かかるところが1件30秒ほどで完了し、最大で1日約4,000件の申請処理を行う効果を上げました。また、給付金の二重支給を防止するシステムも備わっており、作業の効率化のほか、手作業による誤入力などの人為的ミスの防止にもなっています。注8

料金について

サービスメニュー:NaNaTsu Professional(AI-OCRの従量利用オプション付き)/NaNaTsu Standard

初期費用0円
利用料月額費用

既存メニューの「NaNaTsu 基本パック/ライトパック」や「NaNaTsu AI-OCR with DX Suite」は継続利用可能です。
詳細は個別にお問い合わせください。
問い合わせ先:https://winactor.com/contact/

今後について

今後NTTデータは、10月以降に50業務、2020年度中に100業務の自動化シナリオ提供、およびAIを活用した高度サービスを展開し、スマート自治体の実現に向け600団体への提供を目指します。また、金融業界や法人業界へもプラットフォームを展開し、企業のDXを加速させます。

注釈

  • 注1AI-OCRとは、従来のOCR技術とAIとを組み合わせ、学習した内容に基づいてルールを見いだして読み取る技術のことで、紙や画像中に記載された手書きの漢字や数字などを、高い精度でテキストデータに変換します。
  • 注2「DX Suite」は、大量の紙書類を高精度で仕分け・データ化し、業務効率化を支援するAI-OCRソリューションです。NTTデータのサンプル帳票による読取テストでは、手書き文字の認識精度約98%という結果となりました。
  • 注3地方公共団体向けにAI-OCRサービスとRPAソリューションの無償提供を開始
    https://www.nttdata.com/jp/ja/news/services_info/2020/050100/
  • 注4LGWAN-ASPサービスは、LGWANのセキュアなネットワークを介して、利用者である自治体の職員に各種行政事務サービスを提供するものです。
    LGWAN(Local Government Wide Area Network)とは、各自治体や中央省庁との間の情報交換を目的とした、自治体情報システム機構(J-LIS)が運営する行政専用ネットワークです。インターネットから切り離された閉域ネットワークであり、高度なセキュリティーを維持できます。
  • 注5WinActorは、2010年にNTTアクセスサービスシステム研究所で生まれた技術をベースに、2013年にNTTアドバンステクノロジ株式会社が製品化に成功した、純国産のRPAソリューションです。
  • 注6野良ロボットとは、「管理者が不在となっているRPAロボット」のことです。
  • 注7自治体における「WinActor®」活用に関する共同研究成果を公表
    https://www.nttdata.com/jp/ja/news/services_info/2018/051101/
  • 注8AIロボット 導入で作業迅速化(奄美市へのRPA および AI-OCRの導入・運用サポートは、株式会社NTTドコモが実施)
    http://amamishimbun.co.jp/2020/06/04/25168/
  • 「NaNaTsu」は日本国内における株式会社NTTデータの商標です。
  • 「DX Suite」は日本国内におけるAI inside 株式会社の登録商標です。
  • 「WinActor」は日本国内におけるNTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
宮尾
TEL:050-3646-0307

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
社会基盤ソリューション事業本部
ソーシャルイノベーション事業部
RPAソリューション担当
伊藤、早川、橘
TEL:050-5546-7720
https://winactor.com/contact/

参考

提供方法について
NTTデータおよびNTTデータの「NaNaTsu」「NaNaTsu AI-OCR with DX Suite」パートナーより、自治体等に提供します。トライアルの要望、製品に関する問い合わせ、利用申し込み方法については、NTTデータまたはNTTデータ「NaNaTsu」」「NaNaTsu AI-OCR with DX Suite」パートナーにお問い合わせください。