地域金融機関のデジタル化を加速する「Service Engagement Hub™」を提供 ~NTTデータと地銀共同センター参加行が整備したワークフローで銀行の事務稼働を削減~

ニュースリリース/NTTデータ

2021年10月28日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、地域金融機関の銀行業務デジタル化を加速する「Service Engagement Hub(SEHub)」のサービスメニューを拡大し、NTTデータ地銀共同センター(以下、地銀共同センター)の複数の銀行への本格提供を開始します。
SEHubは、銀行業務のワークフロー化やAPI注1連携により、地域金融機関の業務を効率化する共同利用型サービスです。NTTデータと地銀共同センター参加行注2が整備した共通のワークフローを利用することで、事務稼働の大幅な削減が可能です。物件喪失・発見・再発行といった「諸届」の業務においては、事務稼働を20%程度削減する効果が期待できます注3。 2021年4月から西日本シティ銀行、2021年10月から青森銀行、京都銀行が順次サービスの利用を始めています。2021年11月以降、山陰合同銀行、池田泉州銀行がサービス開始を予定しています注4。NTTデータは、本サービスの地銀共同センター、STELLACUBE®、BeSTAcloud®注5の参加行への提供を目指します。バンキング業務の標準化と顧客利便性の向上を推進し、地域金融機関のOHR注6低減に貢献します。

背景・目的

地域金融機関では近年、地域の経済環境が一層厳しさを増しており、経営課題として業務の効率化やデジタル化、トップライン向上のための新規サービス開発が求められています。一方で、銀行ごとに業務手続きや利用する業務システムが異なり、連携先システムが多様化・複雑化する中で、事務効率化や新規サービスの実現難易度が高まっています。
NTTデータと地銀共同センター参加行はこれらの課題を解決するために、銀行業務のワークフロー化やAPI連携により各行事務を共通化でき、かつ共同利用できるサービスを開発しました。

概要

SEHubは、銀行業務のワークフロー化やAPI連携により、地域金融機関の業務を効率化する共同利用型サービスです。

図1:「SEHub」の機能イメージ

図1:「SEHub」の機能イメージ

これまで行員が申込用紙を元に作業していた「普通預金口座開設」「住宅ローン受付」といった業務について、BPM注7上のワークフローで最適化した事務の流れを定義します。あわせて勘定系や他の銀行システムにAPI連携することにより、業務を自動化・効率化します。
ワークフローでは多くの銀行が利用できるよう業務を共通化しており、利用行はSEHubが提供する業務を利用することで作業を自動化し、行員の業務負担を軽減できます。物件喪失・発見・再発行といった「諸届」の業務においては、事務稼働を20%程度削減する効果が期待できます。 また、各行の顧客がインターネットやスマートフォンアプリなどから各種手続きを申請することが可能になるWeb受付機能も備えます。銀行手続きがWeb上で完結すれば、利用行の顧客は営業店の営業時間を気にせずに来店することなく非対面で手続きを完了することが可能となります。
SEHubで提供する業務は以下の通りです。

項番業務特長提供開始時期
1預貯金等照会回答業務照会回答に必要な情報を銀行システムから自動取得し、システム上で回答。
(従来は行政機関からの預貯金情報照会に対して、紙媒体で回答)
2021年4月
(預貯金等照会業務「pipitLINQ®注8と連携して提供済)
2普通預金口座開設普通預金口座開設について、アプリやWebから非対面で受け付け、手続きをワンストップ化。
(従来は銀行窓口での手続きが必要)
2021年10月
3住宅ローン受付住宅ローンの申し込みをWebで受け付け。
案件管理、ワークフロー、各種システム連携機能を備え、加えて、後続の事務を自動化。
2021年11月予定
4諸届(物件喪失・発見・再発行、住所変更)物件喪失・発見・再発行、住所変更をWebで受け付け。加えて、後続の事務を自動化。2021年11月予定
5投信口座開設非対面での投信口座およびNISA口座の開設サービスと、勘定系連携を含めた後続の事務を自動化。2021年12月予定
6消費者ローン(予定)消費者ローンの審査承認後の融資実行について、各銀行システムと連携したワークフローを構築。2021年度予定

表1:「SEHub」の提供業務

SEHubでは業務を構成する機能がマイクロサービス化注9されており、自由に組み合わせることができます。利用行はマイクロサービスとAPIの活用により、他金融機関・行政・フィンテック企業などとのシステム連携も容易に実現することが可能となり、従来の銀行システムによらない新たな金融サービス開発の迅速化にもつながります。

利用行について

2021年4月から西日本シティ銀行、2021年10月から青森銀行、京都銀行が順次サービスの利用を始めています。2021年11月以降、山陰合同銀行、池田泉州銀行がサービス利用開始を予定しています。

今後について

NTTデータは地銀共同センターを利用している金融機関に留まらず、STELLACUBE、BeSTAcloudや他業態にも本サービスを提供し、バンキング業務の標準化と顧客利便性の向上を進めます。
金融API利用を活性化する「API gallery™」注10との連携を含め、既にサービス展開している他BeSTAスキームとの業務アプリケーション相互流通などによるシナジーを実現し、BeSTAスキームご利用行様の標準サービス化を目指します。

注釈

  • 注1APIは、アプリケーションの機能の一部を、別のアプリケーションから連携して使用できるようにするインターフェースの一般名です。
  • 注2地銀共同センター参加行:青森銀行、秋田銀行、岩手銀行、千葉興業銀行、福井銀行、京都銀行、池田泉州銀行、鳥取銀行、山陰合同銀行、四国銀行、大分銀行、西日本シティ銀行、愛知銀行(2021年10月28日現在、銀行コード順)
  • 注3事務削減効果は、当該事務の現行フロー、Web誘導率等により異なります。
  • 注4銀行の記載順は、導入日(予定含む)順および銀行コード順です
  • 注5地銀共同センター、STELLACUBE、BeSTAcloudはBeSTAを利用しています。「BeSTA」(Banking application engine for STandard Architecture)は、ベンダーを特定しないNTTデータの標準バンキングアプリケーションです。
  • 注6OHR(Over Head Ratio)は銀行業務の効率性を示す指標の一つで、金融機関の業務粗利益に対する営業経費の比率を表します。
  • 注7BPM(ビジネスプロセスマネジメント)は分断化されたビジネスオペレーションを一連のトータルな業務プロセスとして可視化・効率化し、企業の経営目標・ビジネス戦略を実現するための全体最適な業務プロセス管理手法となります。
  • 注8pipitLINQは行政機関と金融機関をつなぐ全国統一型のサービスです。行政機関と金融機関の双方が「pipitLINQ」を導入することで、導入機関間で電子データによる預貯金等照会が可能となります。https://pipitlinq.jp/
  • 注9マイクロサービスとは、認証、顧客管理、受付など、業務として意味のある単位のサービスを指します。
  • 注10「オープンAPIの市場「API gallery™」を公開、Fintech企業や金融機関など26団体が参加」
    https://www.nttdata.com/jp/ja/news/services_info/2021/100600/
  • 「Service Engagement Hub」「Open Service Architecture」「API gallery」は商標出願中です。
  • 「STELLA CUBE」「BeSTAcloud」「BeSTA」「pipitLINQ」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
岡林
TEL:050-3644-3163

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第二金融事業本部
第二バンキング事業部
深堀、奥村、水谷
TEL:050-5546-8399

地銀共同センターに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第二金融事業本部
第二バンキング事業部
第二営業企画担当
井上、山田、穂坂
TEL:050-5546-8933

参考

SEHubは金融ITオープン戦略「Open Service Architecture™」における(1)サービスラインアップエリアと(2)コネクションエリア、(5)ユーザーフロントエリア(一部)に位置付けられるサービス提供基盤です。マイクロサービス化した銀行業務処理をBPM機能により組合せ、各エリアと連携することで、さまざまなサービス展開を実現する中核となります。

図2:「Open Service Architecture」標準構成における位置付け

図2:「Open Service Architecture」標準構成における位置付け

- NTTデータは、「これから」を描き、その実現に向け進み続けます -