スマートフォンカメラによるウェルビーイング測定アプリの商用提供を開始 ~顔の動画から心拍数、ストレスサイン等を推定~

ニュースリリース/NTTデータ

2022年1月27日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、2022年1月より、クラウド型健康管理ソリューションHealth Data Bank®(ヘルスデータバンク)の新機能として、「ウェルビーイング測定アプリ」の商用提供を開始します。本アプリでは、スマートフォンカメラで顔を30秒間撮影することで、顔の動画情報から心拍数、ストレスサイン等の「現環境下でのウェルビーイングの程度」を示す指標値を算出します。特別なデバイスを準備することなく、生活者のウェルビーイングの程度を確認することができることで、利用企業(団体)の健康データを活用した取り組みの可能性を広げます。
NTTデータは、柏の葉スマートシティ(三井不動産株式会社)の生活者向けヘルスケアサービスとして本アプリを提供することを皮切りに、企業等の「職場環境の改善」や「健康データ利活用ビジネス」等のさまざまなユースケースに展開する予定です。

背景

NTTデータは、2002年より、健診結果等の健康データを収集・蓄積・分析するクラウド型健康管理ソリューションHealth Data Bank注1の運用を行っています。これまで企業等の従業員健康管理や健康経営、顧客の健康データに基づく商品開発等、健康データを利活用するさまざまなユースケースに提供し、お客さまやパートナー事業者とのコラボレーションにより新しいサービスや技術の拡充を図ってきました。
その一環として、オープンイノベーション活動「豊洲の港から®注2を通じて、バイタルデータ等に関するサービスや技術を有する国内外複数のスタートアップ企業の技術・顧客反応調査を実施したところ、カナダのNuraLogix Corporation注3の技術が高い評価を得ました。さらに同社の技術を活用したウェルビーイング測定アプリについて、2021年4~6月にスマートシティや食品・美容等の複数業界の企業と連携した有用性検証を実施し、2021年10月には「世界体操・新体操選手権北九州大会」にあわせて選手権会場およびイオン九州株式会社が提供したイオン会場で開催された「フレイル予防を啓発するイベントSante Gym」にて、高齢者へのプロトタイプアプリの提供を行いました。このような取り組みを通じてさまざまなユースケースでの有用性が確認できたことから、本アプリの商用提供を開始することとなりました。

ウェルビーイング測定アプリの概要

Health Data Bankの「ウェルビーイング測定アプリ」では、一般に普及しているスマートフォン・タブレット等のカメラで30秒間撮影した顔の動画情報を解析して、心拍数、ストレスサイン等の「現環境下でのウェルビーイングの程度」を示す指標値注4を算出します。
本アプリは、顔の動画情報を解析することで顔からの反射光の状態(顔色情報)からヘモグロビン濃度を取得し、ヘモグロビン濃度の推移を解析することで心拍数、ストレスサイン等を推定するNuraLogix Corporationの特許技術を活用しています。
特別なデバイスを準備することなく、生活者が日常使用しているスマートフォン等を活用して生活者のウェルビーイングの程度を推定することで、企業等の「職場環境の改善」や「健康データ利活用ビジネス」等、健康データを活用した取り組みの可能性を広げます。なお、本アプリは医療機器ではないため、医療目的(疾病の診断・治療・予防等)の使用はできません。

  • 〔職場環境の改善〕
    企業等は、Health Data Bankのデータベースで管理されている従業員のウェルビーイングの程度を示す指標値とその他の情報(ストレスチェック注5やパルスサーベイ注6の結果等)を総合的に参照して、職場の環境改善の必要性や改善施策の効果有無を判断することが可能となります。
  • 〔企業の健康データ利活用ビジネス〕
    企業等は、Health Data Bankのデータベースで管理されている顧客等のウェルビーイングの程度を示す指標値と自社で管理している顧客情報等を本人同意の元で組み合わせて分析することで、商品効果有無の判断や商品との相性が良い顧客の抽出等を行うことが可能となります。

図:Health Data Bank「ウェルビーイング測定アプリ」の概要

図:Health Data Bank「ウェルビーイング測定アプリ」の概要

今後について

NTTデータは、「企業等の従業員健康管理」や「健康データ利活用ビジネス」等のさまざまなユースケースに本アプリ展開していきます。
直近では、柏の葉スマートシティ(三井不動産株式会社)は、柏の葉の生活者に本アプリを提供し、本人同意の元で測定結果を他のサービスに連携することで、新たな価値の創出に取り組む予定です。また、美容・食品業界や小売業界等の複数企業は、顧客に本アプリを提供し、測定結果と自社で管理している他の情報等を組み合わせて分析した結果に基づき、顧客の健康状態に応じた最適商品を提案することを計画しています。

In English

NTT DATA Begins Offering Wellness Measurement App with a Smartphone Camera for Commercial Use
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2022/012702/012702-02.pdf(PDF:4ページ, 902KB)

注釈

  • 注1NTTデータが提供する「企業の健康経営を支援するシステム」と「個人の生涯健康管理を支援するシステム」がセットになったクラウド型健康管理ソリューション。2002年から運用を開始し、約3,000社(団体)、400万人の健康管理に利用されています。
  • 注2NTTデータが2013年より主催している「企業と国の垣根を超えて、世界の先進的ベンチャー企業とビジネスイノベーションを創発する活動」です。
    URL:http://oi.nttdata.com/
  • 注32015年にカナダ・トロントで設立され、「一般的に普及しているスマートフォンカメラ等で撮影した顔の動画情報を解析してバイタルデータ等を推定する特許技術」を有するスタートアップ企業。
  • 注4病気かどうかではなく、“肉体的、精神的、社会的に生き生きとかがやいているかどうか”の程度を示すもので、医療機器の測定値とは異なるレベルの“参考値”となります。(Health Data Bankのウェルビーイング測定アプリは医療機器ではありません。医療目的に利用されることを意図したものではなく、疾病の診断、治療、予防を目的とするものではありません。)
  • 注5厚生労働省の職業性ストレス調査票。Health Data Bankは本調査票の入力・保存・分析機能を提供しています。
  • 注6社員のリアルタイムなストレス状態を把握することを目的に、週次・月次等の高頻度で実施する簡易的なアンケート調査。Health Data Bankは本アンケートの入力・保存・分析機能を提供しています。
  • 「Health Data Bank」は、日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • 「豊洲の港から」は、日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
田中
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
公共統括本部
第二公共事業本部
ヘルスケア事業部
健康ソリューション担当
湊、久保
TEL:050-5546-2504

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