金融機関の顧客接点を横断的に改革する新たなプラットフォームの開発を決定 ~サービス拡充のためのコストや期間を削減し、ローコードで内製化も促進~

ニュースリリース/NTTデータ

2022年11月10日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、2022年11月10日、金融機関が店舗やアプリなどの複数の顧客接点(チャネル)を横断的に開発し、クロスチャネルを実現するプラットフォーム(以下、本プラットフォーム)を2023年度内に開発することを決定しました。
金融機関では現在、店頭で利用するタブレットやエンドユーザーが利用するスマホアプリ、Webサイトなど、顧客接点ごとにシステムが分断されているケースが多く、システムごとに顧客体験が異なることによる顧客満足度の低下や、開発コストの肥大化が課題になっています。本プラットフォームでは、システム開発者が、現金や現物も取り扱う対面サービス向けのアプリケーションと、Webやスマホアプリによる非対面サービス向けのアプリケーションを、同一のクラウド上で横断的に開発できるようになります。これにより、複数の顧客接点をシームレスにつなげた顧客体験を実現し、顧客満足度の向上に寄与します。また、1つのチャネル向けに開発したプログラム等の資産を他のチャネルに流用することで、既存の分断したシステムが前提の開発に比べて素早く低コストでサービスの拡充ができるようになります。ローコード開発ツールも備える予定で、行職員自らシステムを開発する内製化を支援し、開発経験を通じて金融機関のデジタル人材を育成し、金融機関自身でアプリケーションをカスタマイズしながら顧客に合ったきめ細かなサービスを提供できるようになります。
本プラットフォームは、「Open Service Architecture」の一環として、金融機関の顧客接点におけるDXを支援します。

背景

金融機関は、対面サービスを行う営業店では、店舗運営コストの削減を目的として店頭タブレット等のセルフ化を推進してきましたが、さらなる専用機器の削減や店舗事務のスリム化が課題になっています。非対面のWebサービスにおいては、スマホアプリや法人ポータル等の利用促進を進めてきましたが、事務コスト削減や顧客との関係深化につながるサービス拡充に課題があります。一方で金融機関の各顧客接点(チャネル)はシステムごとに分断されているケースが多く、顧客ニーズの多様化に対する対応の遅れや開発コスト増加が課題となっています。

そこで、NTTデータは、金融機関をターゲットとしたクロスチャネルを実現する新たなプラットフォームの開発を決定しました。金融機関が抱える多様な顧客接点のサービス拡充を同一のクラウド上で開発・維持できるプラットフォームです。1つのチャネルで開発したプログラム等の資産を他のチャネルに流用できるため、既存の分断したシステムが前提の開発に比べ素早く低コストでサービスの拡充ができるようになります。
対面サービスでは、営業店での顧客応対をデジタル化の動向に合わせて柔軟に変更しながら、店頭に設置する機器の見直しやさらなる店舗事務のスリム化を実現します。非対面サービスでは、受け付け事務やバックオフィス等の事務コスト削減に資する取引メニューの拡充や、スマホアプリ等を起点に顧客一人一人に合ったサービスを拡充することで顧客との関係深化を実現します。また、顧客接点がスマホアプリ等のデジタルチャネル中心になることに伴い、対面サービスでの認証利用などさまざまなシーンで顧客自身のスマホアプリ利用を促進する機能を提供し、より良い顧客体験を創造することで多様化する顧客ニーズに対応します。

特長

本プラットフォームの特長は以下の通りです。

1.対面・非対面チャネル横断のプラットフォーム

本プラットフォームは、高い信頼性とセキュリティーを兼ね備えたOpenCanvas上に構築し、インターネットから利用する非対面チャネル向けのサービスも金融機関の営業店などのイントラネットから利用する対面チャネル向けのサービスも本プラットフォームから提供できるようにします。これにより、1つのサービスを複数の顧客接点に展開することが容易になります。
また、対面・非対面チャネルで受け付けした取引データは、統合してバックエンドシステムと連携することで、受け付けから後方事務を含めて、トータルでのコスト削減を実現します。

2.一元的な顧客接点管理で顧客体験の改善に寄与

複数のチャネルをまたがる顧客接点の情報を一元的に管理できるため、顧客のステータスを正確に把握できます。そのため、店舗からスマホ、スマホから店舗といったチャネルやシーンをまたがった場合においても、顧客に対して切れ目のない応対ができるようになります。手続き中における顧客の不満を予防し、離脱防止に寄与します。
また、本プラットフォームに接続するデバイスは相互に情報共有することができるため、顧客と行職員が相対して手続きを進めるシーンにおいて、顧客の入力作業を相対する行職員のデバイスからリアルタイムに支援することなどができるようになります。これにより、顧客支援の幅が広がり、顧客体験向上に寄与します。

図:クロスチャネルを実現するプラットフォームの概念図

図:クロスチャネルを実現するプラットフォームの概念図

3.ローコード開発ツールによる内製化支援

NTTデータの社内で実績のあるローコード開発ツールと、開発プロジェクトの実績をもとに標準化した画面遷移シナリオや画面を構成する部品群のテンプレートを提供します。また、金融機関の対面サービスに必要なキャッシュカードリーダや汎用(はんよう)的な現金機器等の金融専用機器との連携機能についてもテンプレートの活用ができるため、1から専用機器とのインターフェースを開発することに比べて、大きな期間短縮が可能です。
これらを活用することにより、行職員自らシステムを開発する内製化を支援し、開発経験を通じて金融機関のデジタル人材を育成し、金融機関自身でアプリケーションをカスタマイズしながら顧客に合ったきめ細かなサービスを提供していけるようになります。

今後について

NTTデータは、本プラットフォームを2023年度内に開発完了する予定です。複数金融機関での採用を目指します。

注釈

  • Open Service Architecture:ポストコロナに求められる新しい金融ITの姿を具体化した標準アーキテクチャーです。
  • 「Open Service Architecture」、「OpenCanvas」は株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の製品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
堀井
TEL:080-1050-2633

製品に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
デジタルチャネル推進室
チャネルソリューション担当
今泉、谷口
E-mail:xcpsales@hml.nttdata.co.jp