日本初、全国を対象とした登記所備付地図データ配信サービスを開始

~任意座標系含む登記所備付地図データを加工して全国の地図上に表現、空き家問題など社会課題に貢献~

報道発表

2023年6月13日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、2023年6月13日より全国エリアでの「法務省登記所備付地図(以下、登記所地図)」データの配信サービスを開始します。
登記所地図は、登記所に備え付けられている土地の区画を示すもので、登記簿取得や地番注1・筆界注2注3確認のために利用されます。土地の地番、形状、および境界が分かる事で、市民生活関連・公共サービス関連情報との連携や、都市計画・まちづくり、災害対応など、さまざまな分野における利活用が期待されています。
登記所地図データは2種類のデータ形式で構成されており、その1つは明治時代に作成された地図に準ずる図面(以下、任意座標系注4データ)であり、現代の地図との重ね合わせが難しいという課題があります。もう一方は、正確な位置情報をもつデータ(以下、公共座標系注5データ)です。現在、G空間情報センターを通じて公開されている登記所地図データにおいては、土地の単位である筆の数で約1.7億筆が任意座標系、1.1億筆が公共座標系で構成されています。
NTTデータは、これまで扱いが困難だった任意座標系データを独自技術により公共座標系データと同様に位置の特定が可能なデータとして加工することで、地図上に重ね合わせて表現可能としています。これにより、全国エリアで土地の区画が把握可能となります。本サービスの提供を通じ、土地売買の活性化、都市計画の推進、空き家や所有者不明土地の確認による防犯性の向上、災害復興の迅速化など、土地に関する多くの社会課題解決に貢献します。

背景

登記所地図は、不動産登記法(平成16年法律第123号)第14条第1項及び第4項の規定に基づき、登記所に備え付けられている、各土地の区画を明確にすることを目的とした地図です。法務省は、登記所地図のデータを加工して利活用されることを目的として、2023年1月23日にG空間情報センターを通じて公開注6を開始しました。土地の地番や形、境界が分かる事で、市民生活関連・公共サービス関連情報との連携や、都市計画・まちづくり、災害対応など、さまざまな分野における利活用が期待されています。
公開された登記所地図データは、公共座標系データと任意座標系データと呼ばれる2種類のデータ形式で構成されています。任意座標系データは経度緯度による座標値を持たないことから、その活用に当たっては、データの加工などにより新たに地図上で位置を特定する対応が必要となります。

概要(特長)

こうした状況を踏まえ、NTTデータは、約1.1億筆の公共座標系、および約1.7億筆の任意座標系を含む登記所地図データを加工し、全国の地図上に表現する「登記所備付地図データ配信サービス」を提供します。本サービスはBizXaaS MaP®にて展開し、未公開エリアの登記所地図データの提供や、土地形状を選択することで不動産登記を取得する機能等を提供します。
公共座標系と一部任意座標系の登記所地図データを地図に重ね合わせて表示したイメージについては、以下のサイトで確認いただけます。

登記所備付地図データ配信サービス紹介サイト
URL:https://madore.glbs.jp/contents/touki_map.html
体験ビューア申込ページ
URL:https://madore.glbs.jp/trial/touki_map_app01.html

本サービスの特長は以下です。

登記所地図データを加工し、地図に重ね合わせて全国網羅的に配信

登記所地図データを加工し、全国網羅的に地図に重ね合わせてデータ配信するサービスは日本初であり、従来コンテンツでは地番を調べることができなかったエリアも調査が可能となります。

任意座標系エリアも地図上に重ねて利用可能

地図に重畳することが難しい任意座標系データも含めて地図上に重ね合わせて表示可能としています。独自開発のAIによる図形分析など先進技術を用いた加工の手法を確立させました。バラバラな区画の結合や歪み等の補正を自動加工することで、膨大な量のデータ整備を実現し、全国の地図上に表現します。加えて、画面を切り替えることなく、シームレスに利用できるサービス設計であり、土地活用を行う業務を支援します。

本サービスを活用した登記簿取得・管理・活用が可能

登記簿を取得・管理・活用するためのアプリケーションやAPIも用意しています。地番から登記簿を自動取得して文字解析し、土地や所有者等のデータを登記所地図にひもづけて管理することができます。本サービスと合わせて利用いただく事で、登記関連業務の一体的な業務効率化・高度化を支援します。
登記サービス紹介サイト:https://madore.glbs.jp/contents/touki.html

土地に関わる情報をワンストップに収集可能

本サービスは既に商用提供しているBizXaaS MaPをベースに構築しており、既存の地図コンテンツとの組み合わせにより、ユーザーはワンストップな情報収集が可能となります。対象となる土地区画に該当する建物名称、用途地域、ハザードマップ、地価といった土地取り扱いの際に使われる情報が合わせて収集できることで、調査業務の生産性や質の向上を実現します。
BizXaaS MaP提供コンテンツ一覧:https://madore.glbs.jp/contents.html

図1:東京都近郊の公共座標系データ整備エリア

図1:東京都近郊の公共座標系データ整備エリア

図2:任意座標系データの地図上への表現イメージ

図2:任意座標系データの地図上への表現イメージ

今後について

今後、NTTデータは登記所備付地図データ配信サービスの提供、およびさらなる機能強化を通じて、土地売買の活性化、都市計画の推進、空き家や所有者不明土地の確認による防犯性の向上、災害復興の迅速化など、土地に関する多くの社会課題の解決や、お客さま業務の高度化に貢献します。

注釈

  • 注1 (地番):土地の区画単位につけられる番号。法務局が定めるもので、不動産は地番によって登記されています。
  • 注2 (筆):土地を数えるときの単位。登録簿では1筆ごとに地番、所在、所有者等が登記されます。
  • 注3 (筆界):登記された時点における、土地と隣地との境界線。
  • 注4 (任意座標系):任意に定めた基準点をもとにした座標系。基準点を測量者が任意に設定できるため、測量成果ごとに基準点が異なります。
  • 注5 (公共座標系):日本に19の基準点を設定した、公共測量に用いられる座標系。地理情報データは公共座標系で整備されているものが多いです。
  • 注6 (G空間情報センターを通じて公開):同センターの公開する登記所地図データは最新のデータではなく、法務局における証明能力を有するものではありません。弊社は同センターから登記所地図データを取得し、登記所備付地図データ利用規約にのっとって加工して、本サービスのコンテンツとして提供します。
  • 「BizXaaS MaP」はNTTデータが提供する豊富な位置情報コンテンツと業務APをワンストップで提供する地図配信のクラウドサービスです。
  • 「BizXaaS MaP」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
石上
E-mail:nttdata-pr-inquiries@am.nttdata.co.jp

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
ソリューション事業本部
デジタルビジネスソリューション事業部
杉本
TEL:050-5546-9940
お問い合わせページ:https://madore.glbs.jp/contactus/contact.html

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